大野更紗さんの 相模原の障害者施設での事件についてのコメントまとめ(20160728)

大野更紗さんの下記の談話記事へのコメント 藤田孝典(NPOほっとプラス代表理事、聖学院大学人間福祉学部客員准教授)(聞き手、iRONNA編集部 川畑希望) http://ironna.jp/article/3728
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Saori Watanabe @wsary

(これから、コメントをツイートします。) ironna.jp/article/3728

2016-07-28 23:04:11
Saori Watanabe @wsary

①普段、個別の記事に批判を加えることはしませんが、この論説には多くの問題が含まれていると思います。まずもって、今日の障害者支援の現場の感覚とはかい離している、そして優生思想に甘い姿勢を取っていると解釈されかねないことです。知的障害の領域で前時代的な運営方針があることは事実です。

2016-07-28 23:05:50
Saori Watanabe @wsary

②少ない人員と低い賃金で大人数のクライアントをケアすれば、当然ケアの質は低下します。施設ワーカーの方々の労働環境が厳しいことも事実です。しかし、そのような状況の解消には、政策改善が進んでいない知的障害のある方々の地域生活サービス整備、強度行動障害に対応できる専門性の高い相談支援、

2016-07-28 23:06:46
Saori Watanabe @wsary

③介護保険偏重でケアを提供する事業者自体が少ない現状への対応、その他多くのするべきことがあります。労働環境が厳しい作業所や施設は、全国に残念ながら沢山あります。職員の待遇改善は必ずなされるべき事です。しかし厳しい労働環境であるからといって利用者を殺傷したりは職員は絶対にしません。

2016-07-28 23:07:45
Saori Watanabe @wsary

④今回の事件の特殊性と、ワーカーの待遇改善は、異なる次元で冷静に議論されるべきことだと考えています。現在施設入所なさっている障害のある方々の心情を、二次的に脅かしてはならないからです。今回の事件を引き起こした全ての要因に対して、社会福祉関係者は全力をとして闘うべきだと思います。

2016-07-28 23:08:25
Saori Watanabe @wsary

⑤しかしそれは、19人もの方々を抵抗が難しい状態で計画的に殺傷するという冷酷さを振るった容疑者の心情に、20世紀半ばの戦中期に地上で現実化した強制断絶を伴う優生思想への身勝手な呼応に、現代社会を生きる一市民として同調するものであってはならないと考えています。

2016-07-28 23:09:04
Saori Watanabe @wsary

⑥優生思想と財政論を、安易に結びつける事には慎重になるべきです。T4計画の実施に至る経緯で優生学は拡大解釈され、財政緊縮や国民の経済的苦境と関連付けて政治的に利用されました。国家に経済的な負担をもたらす者は「生きるに値しない」と断定し、狂信的にも大勢の患者を実際に殺害したのです。

2016-07-28 23:09:41
Saori Watanabe @wsary

⑦戦後の医療政策、福祉政策は、人々の死ではなく、充足した生を支えるために発展を遂げてきました。ドイツ精神医学精神療法神経学会は、2010年に正式に追悼式典で謝罪と反省を表明しています。 dgppn.de/fileadmin/user…

2016-07-28 23:10:07
Saori Watanabe @wsary

⑧改めて被害者の方々、犠牲者の方々に、心よりお見舞いと連帯の気持ちを申し上げます。既に犠牲になった方々に対して、このような表明は遅きに失するものでしかないかもしれません。しかし戦後最悪の私人による殺傷事件に際して、犠牲者の方々に対する人間的な追悼が少ないことが気にかかっています。

2016-07-28 23:10:23
Saori Watanabe @wsary

⑨患者さんや障害のある方々を深く傷つけ、自らの人間性をも殺し、全ての人の多様な在り方を否定する行為を、断固として非難します。わたくしたちは、人間に対して価値評価をすることはできません。困難な状況におかれている方々に対して、資することができるよう研究に努力することしかできません。

2016-07-28 23:10:58
Saori Watanabe @wsary

⑩どのような理由があろうとも、社会状況にあろうとも、人間の尊厳を軽視する方向に進むことはできません。わたくしたちは、そのために努力します。

2016-07-28 23:12:04
Saori Watanabe @wsary

連投失礼いたしました。

2016-07-28 23:13:03