#数楽 統計学用語の「母数」が「parameter」の訳語だと知ったときは驚いたよな。日本語的に「母数」には「母集団の構成要素の個数」のような響きがあり、実際そのような意味で使う人が容易に見つかる。すでにそういう人を無くすことが不可能な感じになっていると思う。続く
2016-08-12 11:27:36@genkuroki #数楽 続き。典型的な「母数」の誤用例 toyokeizai.net/articles/-/130… 【・「母数」と比べてどうか ある部品の不良品が1000個あったと言われると一瞬、大きな印象を受けてしまいますが、母数が100万個であれば、それは0・1%の不良です。】
2016-08-12 11:32:17@genkuroki #数楽 母集団の平均や分散が「母数」の典型例であり、「母集団サイズ」=「母数」ではないんですね。この話題を私は「統計学に無知な人達の問題」だとは思わない。私は「母数」=「parameter」という翻訳が失敗だったことが証明されているのだと思っています。
2016-08-12 11:37:48@genkuroki #数楽 我々の社会は日常用語に関しては同じ言葉の意味やニュアンスをかなり柔軟に変えることに対応していると思う。そういう柔軟に対応が難しいのが専門用語の訳語の問題です。社会的な試行錯誤によって多くの人にとって易しく感じられる訳語にするのがよいはずなのですが、〜
2016-08-12 11:40:58@genkuroki #数楽 続き〜、学術的な専門用語については、一度教科書に採用されて広まってしまうと訂正はほとんど不可能になってしまう感じ。これは非常に不幸なことなのですが、適切な訳語に訂正する方が「高く付く」感じになってしまっているのでどうにもならない。続く
2016-08-12 11:43:44@genkuroki #数楽 「母数」=「parameter」にもこまるのですが、大学新入生に数学を教えるときに「行列」≠「行列式」であるという事実にも悩まされる。「行列」=「matrix」、「行列式」=「determinant」なんですね。続く
2016-08-12 11:47:10@genkuroki #数楽 続く。直訳的に「determinant」を「決定子」や「決定式」のように訳してくれていれば、期末試験で行列の計算と行列式の計算を混同して悲しい思いをする学生が減るかもしれません。でも、いまさら、そういう訳語を広めるのは滅茶苦茶高く付く感じ。
2016-08-12 11:50:15@genkuroki #数楽 続き。話をさらに脱線させる。数学用語の選択の仕方によって雰囲気は大幅に変わる。雰囲気は次の世代に知識を伝えるときには相当に重要だと思う。雰囲気作りに成功している場合の典型例としてsheaf theoryの用語があると思う。続く
2016-08-12 11:54:50@genkuroki #数楽 続き。germ (芽)、stalk (茎)、sheaf (層、元の意味は植物などを束ねたもの)のような植物的で柔らかい癒し系の言葉をそのまま専門用語として使用したことは、大成功だったと思う。それらの用語による雰囲気のおかげで勉強し易くなっている。
2016-08-12 11:59:53@genkuroki #数楽 統計学用語達が作っている雰囲気は正直あんまりよろしくないと思う。英語で読んでもアレな感じで、そのアレな感じが日本語ではさらに増幅される感じ。単純な話を権威的で小難しく感じさせる用語の体系が出来上がってしまっていると思う。面白い分野なのにもったいない。
2016-08-12 12:05:08@genkuroki #数楽 すでに社会的に広まったしまっている「分かり難い」専門用語については「そう呼ぶことは合理的でも何でもないのだが、歴史的な経緯でそう呼ぶことになっている」と教えざるを得ない。ヒトは言葉を操ることに秀でているので慣れれば何とかなる感じ。
2016-08-12 12:08:02@genkuroki #数楽 色々な分野を学ぶことに付随する楽しみの一つとして、様々な用語の体系について学び、今私がしているように感想を述べるというようなことはあると思う。専門家集団がまとめた用語の体系には(不適切に感じられる用語が採用されていることも含めて)独特の面白さがある。
2016-08-12 12:11:11@genkuroki #数楽 用語の体系の面白さに着目することのメリットの一つは、どのような用語を選択するかと数学的な内容は無関係であることを再認識できることだと思う。「どうしてそう呼ぶか」という質問は数学の内容を理解するための質問ではないことを初学者は早く気付くべきだと思う。
2016-08-12 12:14:13@genkuroki #数楽 数学の内容的にはどうでもよい「どうしてそう呼ぶのか?」にこだわってしまうせいで数学の内容の理解に集中できない人達は、様々な分野の用語の体系が歴史的な偶然で決まって来ているという類のことへの教養も欠けているのだと思う。
2016-08-12 12:25:57関連
もとツイートが自分史上最高にバズってるのを何度も見返している間に修正点したい点が見つかった。 でも、メッセージ過多になるし一般性を少し失うから適合=fitting に関してはこのスライド上ではただ削ることにするかも。 pic.twitter.com/hr3IHG4iUK
2017-04-15 14:59:36