• ―― その前の発言 ――
  • Tristan_Tristan
    先日、音楽産業系の団体の人に「ビジネスチャンスとしてのボーカロイドを語ってくれ」と依頼されましてですね。 .@isshyisshy さんの「ボカロ流行ったら食える作曲家増えんのかなぁ」をお気に入りにしました。 http://t.co/vDrn8iON
  • Tristan_Tristan
    くわしく聞いたら、本当に音楽産業最前線のバイヤーさんたち向けの説明会だそうで、いや、よりにもよってそれは厳しいな、と。けた違いに面白い現象であることは幾らでも説明できるけど、よくも悪くも「商売」から遠い(無縁ではないにせよ)ところに現象の立脚点があるので。
  • Tristan_Tristan
    仕方ないので現象を一から説明しました。ニコ動のことは知っていたそうなので、ミクオリジナル曲出現の経過、「melody」をはじめとするPV作成の動き、MMD、ピアプロやpixiv、にゃぽなどの出現、コミケやボーマスなどの動きを話したら後日、「趣旨に合わないと理解できました」と返事。
  • Tristan_Tristan
    依頼してきた人はレコード会社出身で今は業界団体的な立場にいたと記憶。おそらくレコード産業としては、(産業界の常として)「売れる素材やジャンル」を探していて、その視野の中にボカロが本格的に入ってきたのだろうなと。
  • Tristan_Tristan
    視野に入ったきっかけが感謝祭やLAライブなのは間違いないです。だいぶ前、感謝祭のBDが出た後、レコード業界の人たちがけっこうショックを受けているという話は複数のルートで聞こえてきました。あれほど会場を熱狂させられるアイドルやアーティストが何人いるか、彼らが一番知っているので。
  • Tristan_Tristan
    で、説明の時は、私としては今春以降超押しのねるどらさん版「glow」とか、調度MMD杯終了直後だったので、「Sweet Magic」や「Heart Beats」とそれらのベースの踊ってみたを見せたりした訳です。特に「glow」には目を見張っていて、曲名をメモされてましたw
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  • ―― ここから本題 ――
  • Tristan_Tristan
    音楽に限らず、何かの表現で「食える」というのは、実はけっこう特殊なことで、歴史的に見たら常に圧倒的な少数だったはずです。私がくわしいのは西洋音楽だけですが、まずは教会、次いで王や貴族がパトロンになる時代が続き、そうした「主人」なしで食えるようになったのはハイドン以降。
  • Tristan_Tristan
    ハイドンの「自立」は、産業革命と密接に結びついています。彼の前半生の職業はボヘミアのエステルハージ伯爵家の楽長でしたが、仕事量の割にかなり薄給だったようです。伯爵家から暇を出されると、辣腕の興行師ザロモンと組んでイギリスに渡り、大きな名声と収入を手にします。
  • Tristan_Tristan
    当時のイギリスは産業革命によってヨーロッパの中でも最も経済的に発展しており、貴族ではない一般市民層が経済力をつけていました。ハイドンは交響曲を作り、市民向け演奏会を開いて入場料収入を、同時に市民が家庭や友人間で楽しめる弦楽四重奏曲も多数書き、楽譜を出版して版権料を手にしました。
  • Tristan_Tristan
    ハイドンがロンドンで初演して人気を得た交響曲群をロンドンセットと呼びますが、これがザロモンセットとも呼ばれるのは、まさに大興行師ザロモンとの共同作業の結果だからですね。音楽家の「自立」は、経済成長による大衆社会の成立と不可分で、他のジャンルも似たようなものだったのではないかと。
  • Tristan_Tristan
    経済的支持基盤という点から考えると、教会→王侯貴族→大衆と変化したものの、各々の機嫌を損ねたら(人気がなくなったら)食えなくなる点はあまり変わりません。ただ後になるほど「市場」規模が増したことで、専業で食える音楽家は増えたと思います。特にレコード普及以降爆発的に。
  • Tristan_Tristan
    司教や王侯貴族の機嫌を取るのも大変だけど、移り気な大衆の人気を獲得し続けるのもこれまた大変でしょう。ただ経済的に発展した社会では、音楽の需要が非常に多様になったので、「プロ」は増え続けたと思います。けれどそれでも「大衆」の人気や「クライアント」の意向には応えなければなりません。
  • Tristan_Tristan
    そういう意味で、一番自由なのは、実は他に収入の道を持った「兼業音楽家」なのですね。初音ミク現象で自分がずっと注目していた一つはその点です--と書けば、ボカロクラスタの方々には後の展開は想像いただけると思いますというか、すいません、眠くてたまらないので寝ますね。ぐぅ。
  • Tristan_Tristan
    作者が好きに作る音楽は当然独善になったりもしますが、他人(教会、貴族、大衆)の意向を全く気にせず作れる訳で、そういう音楽が世に出る道筋ができたのが真に画期的だと思っています。自分の作品をテキトーに聴く1万人より、心底必要とする100人と出会う方が幸せと感じる人に機会が与えられた。
  • Tristan_Tristan
    あとはそういう「出会い」をより適切に作れる仕組みとかプログラムとかそういうものができればいいなあというか、そこをシステムとしてきっちり回すことができれば、案外それが「食える」ことにもつながっちゃうんじゃないかとか、妄想はいくらでも続くけど、本気で眠いので寝ます~
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コメント

  • meeakat
    朝Pさんはすっかりボカロ界隈のスポークスマンだなぁ>音楽業界団体への講演 アマチュア・兼業音楽家達の場を広げたと言うのは同意だし凄い事なんだけど、The39sなんかを見てもわかるように音楽に全てを捧げたプロ達ってのは本当に凄いもんなので、彼らが食えなくなるようではいけないと強く思う。
  • wishmaster0331
    発信の一極集中が無くなった事に拠って、流行っているという理由で作品を選ぶ必要が無くなったってことかなぁ
  • chat_le_fou
    この文脈だと、パトロン制の崩壊よりレコード産業についてかかないと物凄い片手落ち感があるんだけど……一般市民としての「大衆」に向けて音楽を売って・音楽家が収入を得ていた時代って、日本ではそんなに無いよね?
  • min3939
    「自分の作品をテキトーに聴く1万人より、心底必要とする100人と出会う方が幸せと感じる人に機会が与えられた」。流石というか、良い言葉を書くなあ。
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