• 二本松の市民測定所の粉ミルク測定結果を検証する

    二本松市のNPO法人「TEAM二本松」の市民測定所http://bit.ly/swxUIC が明治乳業の粉ミルクを測定して放射性セシウムを検出した件を、あえて測定結果の検証に的を絞ってまとめてみました。
    使用測定装置は応用光研工業株式会社製の放射能測定装置FNF-401(http://bit.ly/sBC25w )。NaIシンチレーション検出器入りの簡易測定装置で、測定時間1000秒(16分強)で検出限界10 Bq/kgを保証とありますが、スペクトルの検証からデータ解析ソフトに大きな問題があり、その結果事故後8カ月以上経って本来なら1より小さいはずのセシウム134/セシウム137比が逆に1より大きく出ていることがわかりました。
    こちらの測定室ではずいぶん慎重に測定装置の機種選定を行い(http://bit.ly/oIgNGJ )、環境放射線量の低い郊外の岳温泉に測定室を設け、装置の設置と運用開始にあたっては神戸大学・山内知也教授(http://bit.ly/rvAe0F http://bit.ly/un0PHT )の助言を受けたとのことですが、関係者の中にスペクトルを見てデータ解析ソフトの問題に気づいた人が誰もいなかったというのは何とも残念なことです。
    12月19日、TEAM二本松と同じ機種を使用中の福島の市民放射能測定所(@crms_fukushima )が製造元に解析ソフトの書き換えを申し入れ、対応中との事実をつかみました。この機種をご使用中の方は、このまとめを引用して製造元(http://bit.ly/tBTHTp )に連絡し、対応状況を確認されることをおすすめします。

    その後の検証により、この機種はバックグラウンド補正だけでなくセシウム137量算出のアルゴリズムにも問題点があり、セシウム137の実測値が小さい(誤差以下、マイナス)場合、セシウム134量が誤差以上ならこれを使って強引にセシウム137量を計算してしまうことがわかりました。この機種をご使用中の方は姉妹編まとめ「応用光研の食品用放射能測定装置FNF-401のデータ解析ソフトについて:岩手県一関市産納豆の巻」http://bit.ly/zoDwBZ を必ずご一読下さい。
    2/8 ついにFNF-401のデータ解析ソフトの改訂版が配布される見込みとなりました。この機種を現在ご使用中の方は、このまとめを引用して早急に製造元(http://bit.ly/tBTHTp )に連絡し、配布開始時期を確認なさることをおすすめします。

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    by parasite2006
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  • kaztsuda
    二本松の市民測定所の話が出たので、どんな計測しているかちょっと見てみたけど、ここで使っている機種、ピークフィットしているのかな? しかしBGを直線近似しているようだけど、これF社のWBCと同じ仰天アルゴリズムのような。。。
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  • (F社は、福島県下で仰天測定値を出している国産の椅子型ホールボディカウンターの製造元のひとつで、ベルトコンベヤーラインにとりつけられる放射線スクリーニング装置も発売)
  • namururu
    物語は新たな展開フラグ? RT @kaztsuda: 二本松の市民測定所の話が出たので、どんな計測しているかちょっと見てみたけど、ここで使っている機種、ピークフィットしているのかな? しかしBGを直線近似しているようだけど、これF社のWBCと同じ仰天アルゴリズムのような。。。
  • kaztsuda
    いや、さすがに粉ミルクはメーカーのほうでちゃんと測りなおしてるだろうから、最終的な結果自体は間違いはないんだろうけどさ。 @namururu 物語は新たな展開フラグ?
  • kaztsuda
    しかし、スペクトル分析できる人間の目の前に、生のスペクトルを無造作に出されては、これは何か言わずにはいられない ^^
  • kaztsuda
    二本松の市民放射能測定室 http://t.co/pETyjGov の12/2のメグミルクの(3)。Cs134 13.07±3.78 Cs137 10.39±4.99と、Cs134が過剰。スペクトルを見ると、紺の点線あたりが本来のBG。 http://t.co/8zpGYsRR
  • mw_mw_mw
    応用光研の装置なのにコベル法さえ使ってないのは理解不能ですね。誤差評価もあやしいと思います。RT @kaztsuda: 二本松の市民放射能測定室 http://t.co/i7Z5WLOR の12/2のメグミルクの(3)。Cs134 13.07±3.78 Cs137 10.39±‥
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  • (↑コベル法というのは、後に説明のつぶやきが出て来ますが、コンピューターの普及以前にγ線スペクトルのバックグラウンド補正に使われていた古典的な方法です)
  • h_okumura
    TEAM二本松の例えば http://t.co/N3GioBck を見ると,8.38±5.15で「検出」になっている。誤差の書き方,検出下限がはっきりしない
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  • (↑この形で書いてあれば、プラスマイナスの記号の左が測定値、右がバックグラウンド誤差というのが通り相場。誤差の3倍が検出限界値です。測定値が検出限界値を越えて初めて検出されたと判定することができます。ただし福島市の市民測定所は、バックグラウンド誤差の2倍の95%信頼区間を検出判定基準に使っており、測定値を公開する際には検出判定にどちらの方式を使っているかを明記する必要があります)
  • (後になって、この団体は誤差の意味を誤解しているらしいことが判明)
  • parasite2006
    @h_okumura TEAM二本松のデータの読み方説明http://t.co/sJ45jjI7 には「『 全Cs放射能濃度[Bq/kg] 』 の右に記載されている数値が、セシウム総量(セシウム134+セシウム137)になります。また±より右の数値は誤差範囲の表示です」とあります
  • parasite2006
    @h_okumura さらに「例えば、「10.43±2.03」であれば、測定結果は「8.40~12.46の間」ということになります」と続きます。つまりこの団体は、±の右側はバックグラウンドの測定誤差ではなく、測定値のばらつきの範囲だと解釈。これでは検出限界の判断なんて頭になし
  • mw_mw_mw
    但し、NaIでもちゃんと定量しようとしているのは高評価したい。RT @mw_mw_mw: 応用光研の装置なのにコベル法さえ使ってないのは理解不能ですね。誤差評価もあやしいと思います。RT @kaztsuda: 二本松の市民放射能測定室 http://t.co/i7Z5WLOR
  • kaztsuda
    だけど、なぜかBGをピークの端と端の一番下で直線でつないでいる。この例だと、かなりCsを過剰に計算してしまう。特にここではCs134を。Cs134:Cs137は0.8:1~1:1になっていないとならないのに、Cs134の割合が多すぎる理由は、おそらくこのBGの判定に難あり。
  • parasite2006
    @kaztsuda これは仰天測定値というべきものでしょうか?確かに異様にCs134が多いのは引っかかりますね。
  • kaztsuda
    @parasite2006 BGの絶対値の判定がかなり「運」に左右されますので、このBGに近い10Bq/kg付近の測定をすると、値がかなり「運」によって変化します。これではBGギリギリでは闘えません ^^
  • kaztsuda
    これも、早野先生のWBCの特別講義の際、聴講者一同から「ええっ?!」とざわめきが起きた、仰天アルゴリズムの一つ ^^
  • miyake_sal
    @kaztsuda これ、スペクトルにスムージングかけてやってもだめなの?
  • kaztsuda
    @miyake_sal ^^;;; さすがにWBCのデータじゃないから、こいつを元に再解析するほどのリキはないなぁ。
  • mw_mw_mw
    fitする場合でもBGは直線が普通(atanとかもあるが)要はBGの引き方と統計の扱い。RT @kaztsuda: 二本松の市民測定所の話が出たので、どんな計測しているかちょっと見てみたけど、ここで使っている機種、ピークフィットしているのかな? しかしBGを直線近似しているよう‥
  • kaztsuda
    @mw_mw_mw ええと、そこは直線近似を問題にしてるのではないのでして、まぁその後のtweetの通りです。ただ、NaIのスペクトルでセシウム3ピークをまとめて解析する場合には、BGは直線近似じゃないほうがよさげに思ってます。
  • mw_mw_mw
    662と796の間は十分地についてるので3本纏める必要はないと思う。寧ろ604の左のBGを決める時511と被るのを注意が必要。RT @kaztsuda: ‥‥。ただ、NaIのスペクトルでセシウム3ピークをまとめて解析する場合には、BGは直線近似じゃないほうがよさげに思ってます。
  • mw_mw_mw
    岳温泉には大変お世話になったし、福島郡山とまた違う二本松駅前の雰囲気を思うと、ぜひチーム二本松さんには活躍してほしい。
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  • (TEAM二本松の測定室は岳温泉にあります。市内で環境放射線の低いところを選んで設置)

コメント

  • Slight_Bright
    これ、ここに書かれてる情報だけで言いますけど、ちゃんと標準試料の類で校正してるんでしょうかねぇ。それこそ、新規に導入した所を主に「鳴き合わせ」が必要では?
  • parasite2006
    まとめ公開後の議論を追加しました。
  • parasite2006
    TEAM二本松が使ったのと同じ測定装置が、福島市内のスーパーマーケット「スーパーいちい」http://t.co/AIEPq7qB の商品測定に使われています。
  • parasite2006
    まとめ公開後に@glasscatfish さんからもご指摘をいただきましたが、TEAM二本松が測定した同じサンプルのゲルマニウム検出器による再測定は果たして行われたのでしょうか?ピークの大きさから見て再測定でゼロにはなりそうにありませんが、まだならぜひやっておいて欲しいものだと思います。
  • s__51
    放射性物質検査の結果を見るとき、まずセシウム134と137の比率を確認するのは、素人でも容易にできるので、検査の信頼性チェックポイントとして重要ですね。
  • Slight_Bright
    ここが取材した記事を載せてますね。 http://www.videonews.com/recommend/0001_5/002197.php @parasite2006 TEAM二本松が測定した同じサンプルのゲルマニウム検出器による再測定は果たして行われたのでしょうか?
  • parasite2006
    @Slight_Bright さんのご教示で、TEAM二本松は同じ粉ミルクを外部検査機関に測定に出し、放射性セシウムの検出を確認していたことがわかりましたので、関連議論をまとめに追加しました。外部検査機関のデータを持っているなら、比較検証できるようぜひHPに同時公開してほしいものです。
  • parasite2006
    キーワードにハイライトを追加しました。
  • parasite2006
    TEAM二本松が使ったのと同じ測定装置は、カタログハウス東京店で福島県産の野菜の入荷時検査に使われていますhttp://bit.ly/rmjnMt (産地での出荷時検査にはFMFジャパンのEMF211 http://bit.ly/hbnHM4 を使用)
  • parasite2006
    TEAM二本松が使った測定装置の製造元、応用光研は、光学結晶の製造から出発して放射線測定装置の心臓部となるシンチレータ結晶を自社で開発生産し、これを組み込んだ放射線測定機器を販売http://t.co/LhMLG3Qa おそらく解析ソフトを作り直せばちゃんと使えようにできるのでは
  • Dairanju
    本当は得られたスペクトルをどう解析するか、が重要なのに、装置と言うハコモノを入れれば、十分と誤解している人が多いのが良く判る。
  • Dairanju
    あと、解析をマトモにした結果、測定値がより低くなった場合、陰謀論を持ち出す馬鹿が大量に湧くのかもしれない。
  • mw_mw_mw
    うーん、記事の間に書いてあるコメントに疑義。A±Bと書くのはAという期待値にBという標準偏差(1σ)の統計誤差があるという意味が普通だとおもいます。此処の値でいえば、バックを引いたり計数自身の統計誤差などを全て勘案した結果のベクレル値とその標準偏差と考えるべきでしょう。
  • parasite2006
    TEAM二本松が明治の粉ミルクの確認分析を依頼した外部検査機関が判明しましたので、関連議論を追加しました。ぜひ同じ試料の両方の分析結果を並べて公開し、比較検証できるようにしていただきたいものです。
  • chiba_donguri
    parasite2006さん、いつもありがとうございます。話題の同位体研究所ですか…うーむ。
  • parasite2006
    @chiba_donguri さんへ、同位体研究所が土壌中のストロンチウムの分析に使った迅速前処理法は比較的妨害物質の少ない水、食品にはうまく使えても、妨害物質の量が多い土壌の分析にはあまり使われた実績が見当たらず、それをそのまま適用したことに問題があったのだろうと個人的に考えています。ここのγ線測定については大きな問題があったとはこれまで聞いていません。データの公開に期待しているところです。
  • parasite2006
    TEAM二本松の測定装置の解析ソフトは11/22にバージョンアップされておりhttp://t.co/Vi1JhZ22 、お知らせ一覧http://t.co/LJ63gerM に公開中の牛乳のスペクトルの日付は全部11/22以後。このバージョンアップ、果たして改善か改悪か・・・
  • parasite2006
    @kaztsuda さんが某所(福島県外)で稼働中の応用光研FNF-401の実機を見て来て下さいましたので、いきさつをまとめに追加しました。
  • parasite2006
    遅ればせながら、@kaztsuda さんによる応用光研FNF-401の実機見聞記にハード面についてのつぶやきを追加しました。@miyake_sai さん、情報有難うございました。
  • parasite2006
    TEAM二本松の測定装置、応用光研FNF-401は福島の市民測定所@crms_fukushima でも使われていますが、こちらはすでに製造元に解析ソフトの書き換えを申し入れ、対応中とのことです。http://bit.ly/vPo4Vf 調査して下さった@habari2011dunia さん、どうも有難うございました。
  • parasite2006
    @mw_mw_mw さんと@Slight_Bright さんが相次いで製造元の応用光研に問い合わせをして下さいましたので、わかったことと関連議論をまとめました。要約すると内部の統計処理に誤りはないものの、画面上に表示されるバックグラウンドの線引きとピークの塗り分けが実態を正しく反映したものになっていなかったとのことです。製造元の対応を引き続き見守りたいと思います。
  • parasite2006
    どうももう1つぴりっとしない製造元の対応をめぐる議論を追加しました。
  • parasite2006
    応用光研の放射能測定装置FNF-401のデータ解析ソフトの改善が地道に進行中です。@mw_mw_mw さん、いつも有難うございます。
  • parasite2006
    姉妹編まとめ「応用光研の食品用放射能測定装置FNF-401のデータ解析ソフトについて:岩手県一関市産納豆の巻」http://bit.ly/zoDwBZ の紹介をリストの説明文に追加しました。
  • parasite2006
    応用光研の放射能測定装置FNF-401には有料の校正サービスがあることを製品カタログhttp://bit.ly/sBC25w で知りましたので、まとめの中に説明を追加しました。この製品が選ばれる理由の一つがここにあることは明らかです。
  • parasite2006
    応用光研の簡易型放射能測定装置FNF-401のデータ解析ソフトの改訂版が配布される運びとなりましたので、リストの説明文を修正しました。
まとめを作成する