ささやか「黒俺botフォロワー1000名様突破記念」小話

黒子、俺はさbotのフォロワー様が1000名様を突破した記念の小話です。これからも、どうぞよろしくお願いいたします!
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黒子、俺はさbot @from10_to11

今日はちょっぴりおしゃれなカフェでの逢瀬。 男子高校生が二人で入ることに些か抵抗があったが、そこは流石高尾くんというか何というか、まったく気にせず入店。彼曰く「ノートを広げてりゃ勉強会だと思って変なこと思われねーだろ」らしい。 なるほど確かに。考えすぎも良くないなと反省する。

2013-04-08 22:00:11
黒子、俺はさbot @from10_to11

「まあ俺はお前と一緒ならなんでもいいけどさ」 ―――――ああ、こんなことをさらっと言ってしまう彼はやっぱり“流石”でいいかもしれない。

2013-04-08 22:00:57
黒子、俺はさbot @from10_to11

僕はアイスアーモンドラテを。高尾くんはカプチーノのホットを注文する。 ずいぶん前、僕がシナモンが苦手だと言ったことを覚えてくれているようで、毎回彼のカプチーノの泡立てミルクの上には何もかかっていない。味気ないだろうに。気にしないでくださいと言っても聞かない。

2013-04-08 22:01:50
黒子、俺はさbot @from10_to11

「別にシナモンなんてただの香り付け程度だし特にいらないから、気にするなよ」 寧ろ苦手なお前の前で飲んじゃう俺も悪いし、とちょっとだけバツが悪そうに笑う。 彼の笑顔にはたくさん種類があってすごいなあと常々思う。普段表情筋を動かさない自分には到底出来ない事である。

2013-04-08 22:02:35
黒子、俺はさbot @from10_to11

彼の笑顔は、全部きらきらしている。出来れば一番近くで見ていたいけれど。 僕のそばにずっといて欲しいと願ったら、キミはどうするだろうか?思案したら疑問になり、解決したいと思うわけで。

2013-04-08 22:03:33
黒子、俺はさbot @from10_to11

「で、どうします?」 「いやそこで実際に聞くのね。流石だわー」 「その“流石”がよく分かりませんが」 さっき自分も同じことを思ったということは伏せておく。そして再度、聞きなおす。ここでうやむやにされると腹が立つのは当たり前で、それでも分かっていてそうするのが彼なのだ。

2013-04-08 22:04:32
黒子、俺はさbot @from10_to11

「そうだな…」 黒子の問いかけに悩む…ワケではない。俺だってずっとお前といたいよ。当たり前だろう。 だが素直に告げることに躊躇っているのだ。分かりにくいがこれは黒子の“甘え”なのではないかと思ったら尚更。 あまり引っ張ると機嫌が悪くなると分かっているけれど。 (待つ姿が可愛い!)

2013-04-08 22:05:33
黒子、俺はさbot @from10_to11

(これ絶対楽しんでる顔ですね…滲みでてますよこんちくしょう高尾くんめ…) (ぷくく…機嫌悪くなってってるな…分かりにくいけど分かっちゃうって!) 「もーいいですよ」 「あーごめんごめん。怒らないでってばテーッちゃん!」 (…反省してないですねこれは) (あーもう可愛い!)

2013-04-08 22:06:32
黒子、俺はさbot @from10_to11

「本当に僕ばかりだ…」 「それ、いくらなんでも怒るぜ?寧ろ俺ばっかりだっつーの」 「…ボクだって怒りますよ」 押し問答ではないか、埒があかない。この質問をした時点でこうなると予想はしていたけれど。 「まあ素直に答えてくれないのは目に見えてましたけどね」 ため息を、ひとつ。

2013-04-08 22:07:34
黒子、俺はさbot @from10_to11

「お前は俺の傍にいたいって、ずっといたいって思ってくれてるの」 「…当たり前でしょう」 不安になったから聞いたんだ。女々しくて悪かったですね。と開き直るこいつは… 「なんで俺もそうだって、思わないんだよお前は?」 マジで呆れそうになる。女々しいとか関係ない。信じてないのか、とか。

2013-04-08 22:08:44
黒子、俺はさbot @from10_to11

「傍にいたいって思った人ほど離れていくんですよ」 少なくとも5人は経験しているんです。言葉にしなくたってずっと一緒だと信じてたのに、皆離れてしまった。 勿論物理的にだけじゃない。ココロも全部。だからせめて言葉でつないでおきたいんです。信じていたいから。今度こそ、キミだけは。

2013-04-08 22:09:38
黒子、俺はさbot @from10_to11

呆れてもいい。重いと思うなら今この瞬間離れて下さい。なんて俯きながら告げる。確信した。こいつ本当に。 「ばっかじゃねーの?」 アイツらと一緒にすんな。天才の苦悩なんか凡才には知る由もない。相棒だろうが関係ないアイツらは大馬鹿だ。そんな奴らと一緒にすんな。

2013-04-08 22:10:42
黒子、俺はさbot @from10_to11

「まー緑間は不器用が服着て歩いてるような奴だし、相棒だし大目に見るけどな。キセキ…緑間も含めて。アイツらと俺が同じか?本当に?」 そこで頷いたら殴るぞ、とどっかの理不尽な先輩よろしく脅す。黒子は特にビビるわけでもなく、ただでさえ丸い瞳を増して大きくし、きょとんとする。

2013-04-08 22:11:46
黒子、俺はさbot @from10_to11

「いや…」 「なんだよ?」 言い淀む黒子なんて珍しい。少し頭を冷やす。ちょっと熱くなりすぎたなと思うけど。 「頼むから、俺とアイツらを重ねないで」 傍にいたい。離したくない。絶対逃がさないとさえ思っている。重いのは俺の方なんだよ。寧ろお前が俺から離れるべきではと自棄になりそうだ。

2013-04-08 22:12:30
黒子、俺はさbot @from10_to11

(重ねていたなんて) 彼らと違うと知っていながら、頭では彼らのように、と知らず思っていたのだ。 「最低、ですね」 傍にいたいなんて言う資格無い。好敵手でいることさえ、もうかなわないのだろうか。キミの瞳に映るボクはもう、見ることが出来ないのだろうか。キミを想って涙することさえも?

2013-04-08 22:13:17
黒子、俺はさbot @from10_to11

「ちょ!?」 「あ、」 ぽろっと溢れる雫に血の気が引く。泣かせた、とか! 「黒…」 「ごめん、なさい」 どうしよう、引かれた。嫌われた?もう好敵手とか言えない?傍にいるなんて無理とか?マジで? 「っテッちゃ…」 「っきらわないでください…」 「……は?」 たっぷり十秒は使った。

2013-04-08 22:14:06
黒子、俺はさbot @from10_to11

「黒子」 「はい」 「いつもながら思うけどさ」 「はい」 「俺ら意思疎通出来なすぎじゃね?びっくりだわマジ」 「僕もです」 涙引っ込みましたもん。とか真顔でいうな。こっちは世界の終わりが見えたぞ。ていうかもんってなんだくそ可愛いな。じゃなくて! 「ほんと、嫌われたかと思った」

2013-04-08 22:15:03
黒子、俺はさbot @from10_to11

「…僕もです」 ふんわり、安堵して笑う黒子はやっぱり可愛い。死ぬほどビビったけど、この笑顔で救われた気になる俺も大概だな、と眉を下げる。 「…良かった」 「何が?」 「キミのその笑顔が見れただけで、全部救われました」 …そんなの俺の台詞だ。どこまで骨抜きにさせる気だよこいつは!

2013-04-08 22:15:34
黒子、俺はさbot @from10_to11

「改めて、高尾くん。僕の傍にいてくれますか?」 まっすぐ、瞳をそらさず告げる。今までの会話から断られることはないと確信はあるけれど、やっぱり少しだけ声が揺れる。 それでも、きっとキミは応えてくれると信じている。もう疑わないし、重ねることもしない。「高尾和成」だけを見るから。

2013-04-08 22:16:28
黒子、俺はさbot @from10_to11

「頼まれたって離れねーし、逃がす気もねぇよ」 口だけじゃなくて、行動で示してやる。キセキと俺は違うって証明するから。 「ずっと、傍にいてよ」 「はい」 なんだかプロポーズみたいですね?と挑戦的に笑うこいつを掻き抱きたい衝動に駆られる。 「宣戦布告だよ」

2013-04-08 22:17:52
黒子、俺はさbot @from10_to11

「おや残念ですね」 …本当は残念なんて微塵も思わない。だってそうでしょう? ずっと一緒。 頬が緩むのが抑えられない。うやむやにされなくて本当に良かった。 キミが「黒子テツヤ」を選んでくれて、良かった。 きっと恋焦がれた答えをくれたのが「高尾和成」だから、こんなにも幸せなんですね。

2013-04-08 22:19:03
黒子、俺はさbot @from10_to11

嬉しそうな顔。出逢った頃じゃ絶対に解らなかったけど、今じゃ手に取るように筒抜けだ。 自分の言葉にこんなにもいじらしい反応をする子を見て、幸せな気持ちにならない男なんていないよな。 きっと黒子が言い出さなくても、俺はもうずっと前から一生傍にいたいって思ってたって、いつか白状するから

2013-04-08 22:20:13
黒子、俺はさbot @from10_to11

いつか、絶対告げるから。今は黒子との幸せなティータイムをゆっくり過ごそうと思う。 「…高尾くん、やっぱりシナモンかけませんか?」 「じゃあ、お言葉に甘えて!」 「存分に甘えてください」 「男前!」 ああ、甘い。キミといれば、なんでも甘く感じてしまう。幸せって、こういうことなんだ!

2013-04-08 22:21:25