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  • wacpre
    一日の始まりは、朝ごはん探しから。家から出てみると、水たまりがたくさんある。そういえば、夜中に雨がふったっけ。まだお日さまが出ていないようで、森の中は薄暗い。いつもの場所へと行ってみると、見慣れない白いのがいた。誰だろうとこっそり様子をうかがってみる。
  • wacpre
    さらに見てると、白い頭がひょっこり出てきて、こっちを向く。頭には長い耳がついていた。なんだぁ、うさぎさんか。白いお化けじゃないと分かり一安心。でも、僕が近づくとこの前みたいに逃げ出してしまうかもしれない。また出直そうと振り返ると、足元の枝が折れた。気づかれた?
  • wacpre
    『あれ?あ、きつねさんだ。おはようございます』いきなり話しかけられて、びっくりした。無視するわけにも行かず、近づいてみる。「おはよう。・・・怖くないの」『どうして?』森は広い。きつねを怖がらないうさぎさんもいるんだな。『きつねさんも朝ごはんを採りに来たの?』
  • wacpre
    「うん。うさぎさんも?」『そうだよ。ここのドングリの木がいつものお気に入りの場所なんだ」あれ?ここで見かけたことなかったような気がするけど、今朝は僕が早起きしたからだろう。きっと、そうに違いない。『きつねさんは私よりもたくさん食べるよね?』
  • wacpre
    「そうだけど?」『それじゃぁ、これだけじゃ足りないかな・・・』言われて、周りを見てみると、いつもに比べてドングリの数が少ない。うさぎさんがたくさんとるはずもないし、なんでだろう?「本当だ。誰か他の人が採っちゃったのかな?」『違うと思うよ。虹のドングリのところに行っちゃったんだ』
  • wacpre
    「虹のドングリ?」初めて聞くその言葉にびっくりして聞き返す。『あのね、前にお母さんが言ってたの。”雨上がりの次の日に虹が出ると、その虹の下に虹のドングリの木がある”って』僕のお母さんからは聞いたことがないぞ。うさぎさん達は物知りなんだな。ようやくお日さまが出てきたようだ。
  • wacpre
    『虹のドングリの木はね、雨が降ったところのドングリを集めてくるんだって。だから、たくさんのドングリがあるんだって。』「凄いね~」そんな木があったら、ずっとドングリを食べて暮らせる。本当にあったらいいなぁ~と思っていると、『ねぇ、きつねさん。虹のドングリを探しに行ってみない?』
  • wacpre
    「えっ?でも、どうやって・・・」『簡単だよ。虹を探してみればいいんだよ。お日さまも出てきたし、そろそろ虹も出てくるよ。ほら、行こう!』うさぎさんに誘われるままに、僕は虹を探しに出かけた。
  • wacpre
    森の中はまだ静かだった。誰ともすれ違わないでいたけど、ふと頭の上から話しかけられた。【おや、うさぎさんときつねさんがお散歩とは珍しい】ふくろうさんが木の上からこちらを見ていた。『あ、ふくろうさんだ。おはようございます』【どこかにお出かけかな?】『うん。虹のドングリを探しに』
  • wacpre
    【おや。そりゃ、大変だね】「え?でも虹の下にあるなら、簡単じゃないんですか」【ほっほっほ。きつねくん、そんなに簡単だったら、みんな採りに行くよ。虹のドングリはね、虹を渡った先にあるんだよ。「『えっ!?そうなんですか?』」うさぎさんと二人でびっくり。
  • wacpre
    うさぎさん達より、ふくろうさん達の方が物知りだから、きっと正しいんだろう。【じゃぁ、儂はそろそろ寝るからの~】そういってふくろうさんはどこかへ行ってしまった。虹を渡るとなると、朝ごはんに辿りつくまでが長そうだ。「どうする、うさぎさん?」
  • wacpre
    『虹を渡るなんて素敵ね。早く行ってみましょう・・・あれ?朝ごはんのドングリ探しは?まぁ、いいか。虹を渡るとすぐに見つかるはずだし。
  • wacpre
    辺りが明るくなってくると、青空が見え始めた。今日もいい天気のようだ。虹はどこだろうと、探していると、東の方に見えた。「あれならそんなに遠くないね。行ってみようか」お腹のすき始めた僕は、走りだした。『きつねさん、待ってよ』うさぎさんが後ろからあわててついてくる。
  • wacpre
    ようやく虹の始まるところに辿りついた頃は、二人とも息が切れていた。「 よ う や く、 つ い た ね」『   う     ん』目の前には七色の虹の道が遠くまで続いている。これを渡った先に、虹のドングリがあるんだ。「それじゃ、渡ってみようか」
  • wacpre
    『うん』うさぎさんがキラキラした顔でこっちを見ている。二人とも、おそるおそる最初の一歩を踏み出した。・・・大丈夫。ちゃんと虹の上に乗れている。虹を渡るなんて考えたこともなかったけど、なかなかに楽しいものだ。下に落ちないだろうと思うと、下を見る余裕が出てきた。
  • wacpre
    下には、僕らのいた森が広がっていた。うさぎさんもキョロキョロしながら、楽しそうに虹の上を歩いている。『虹の上って、もっとつるつるしてるかと思ったけど、違うんだね』「そうだね~」周りの景色を楽しんでいるうちに、長いと思っていた虹の道も終わりが見えてきた。
  • wacpre
    『あ、あれが虹のドングリじゃない!?』うさぎさんが指さした方をみると、足元の虹よりも輝いている大きな木が見えた。「本当だ。早く行ってみよう」『うん』二人とも滑り落ちないようにしながらも、駆け足で虹を下っていった。段々と木が大きくなってくる。虹の終わりは・・・
  • wacpre
    『あれ?ここが虹の終わり?』「・・・そうなのかな?」虹から降りたはずだけど、まだ足元は虹色。でも、どうやらふさふさしているので、木の上みたい。『そっか。虹は虹のドングリの木から出ているんだ』と、うれしそうなうさぎさんを見ながら、僕は困っていた。どうやって降りたらいいんだろう?
  • wacpre
    「ねぇ、うさぎさん『なに、きつねさん?』「どうやって下に降りるの?」あ、うさぎさんの顔が固まった。この虹のドングリの木って結構大きそうなんだよね・・・『どうしよう?「枝を使って降りるしかないかな」そう言って、僕はそろそろと降り始めた。『あ、きつねさん・・・』
  • wacpre
    ・・・気が付くと、隣には申し訳なさそうなうさぎさん。下は芝生の絨毯。あれ?どうやって降りたんだろ?『きつねさん、ごめんなさい!私上手く降りれなくて、すべっちゃって、それできつねさんが私の下敷きに・・・』「まぁ、無事に降りれたからいいよ。怪我もないしね」すると頭に何かが落ちてきた。
  • wacpre
    手に取ってみると虹のドングリが。辺りにもたくさん落ちている。「うわぁ~こんなにたくさん!」『凄いよね!』さっきまでと違って、うさぎさんも笑顔だ。さっそく二人でドングリを口にしてみる。うん。いつものより美味しい気がする。お腹いっぱいになるまで食べてから、ドングリをたくさん集めた。
  • wacpre
    その日以来、雨が降るたびに虹が出てこないかと、僕はわくわくする。虹が出てきたら、また渡って虹のドングリを食べるんだ。うさぎさんはどうなったかって?うさぎさんとは今でも仲良しさ。毎朝一緒にドングリ拾いしているよ。
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