忍殺二次創作【ジャスト・スナップショット・オブ・ゼム】その２（実況付き）

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

（ストレンジ・トライアングル） #4215tk

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ネオサイタマ郊外、廃ビル群の中にひっそりと存在するニンジャ組織ウラカタ・コーポレーションの本拠。そこには様々な施設が用意されている。緊急時のためのサイバ・ヒミツテック・ラボラトリへの隠し通路。カラテ鍛錬のための簡易ドージョー。そして談話室などだ。1 #4215tk

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浮いているように見える談話室だが、なかなかどうして利用者は多い。所属者同士の情報共有はもちろん、何かとトラブルの多いネオサイタマを避けて一息つくにもぴったりの場所であるからだ。そこに今、三人のニンジャがチャブ台を囲んでいる。2 #4215tk

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(どうしてこうなった)ネコネコカワイイめいた重サイバネニンジャ、ディスコテークは思わず額に手を当てた。彼は右を盗み見る。そこにいるのは、同じくネコネコカワイイの……正確には彼のベースと対になるカワイイコめいた重サイバネニンジャ。名をワイルドローズ。3 #4215tk

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ディスコテークは左を盗み見る。そこにいるのはキツネ・オメーンを斜に被ったプラチナ・ブロンドの少女ニンジャ。オシロイ・メイクに赤い隈取り。そしてミコー・プリエステスの衣装を改造したニンジャ装束。彼女の名はアゲインスト。パンクスあがりだ。4 #4215tk

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彼女らは互いに見つめ合っている。もっともその態度は対照的だ。ワイルドローズは楽しげに少女を値踏みしているようであるし、アゲインストは敵意を込めて睨んでいる（もっとも迫力はあまりないが）。ディスコテークは心中で長嘆する。なぜこのような事態に？5 #4215tk

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きっかけは偶然アゲインストと出くわした事から始まる。またトラブルを起こしていたようなのでそれとなく割って入った。それが悪かった。どういう訳か、アゲインストは自分に付き纏っているワイルドローズの存在を嗅ぎつけてしまったのだ。6 #4215tk

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突如として興奮し始めたアゲインストを宥め、事情を説明するのには骨が折れた。ディスコテークは思い返す。挙げ句の果てに、彼女はワイルドローズに一目会うまでは離れないとごねだしたのだ。仕方なく、ディスコテークはそれを承諾した。彼女の頑固さは嫌という程知っている。7 #4215tk

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そしてそこにわざとらしく現れたワイルドローズ……間違いなく尾行していたのだと、ディスコテークは確信している……を引き連れ、この場へとやってきた。衆目の集まりかねない場所で騒ぎを起こすほど、彼は愚かではない。とはいえ、この剣呑なアトモスフィアには閉口する。8 #4215tk

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「アニキに纏わりつく女……どんな奴かと思ってたが」アゲインストが低い声で言う。「こんなイカレ女とはな。なんだよその格好は」「アハ」ワイルドローズが笑った。「似合うでしょ？前々から考えてたんだけど、いい機会だったから……ねぇ、ネコチャン？」9 #4215tk

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彼女の言葉に、ディスコテークは苦い顔を返す。彼女のサイバネ手術を施すきっかけとなった事故……ネオサイタマの死神との遭遇は、決して笑って語れるものではない。ワイルドローズのヤバレカバレめいた行動がなければ、自分も今頃この場にはいれなかったろう。10 #4215tk

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「気持ち悪いやつだ、あンた」アゲインストが顔を歪ませた。そしてディスコテークを見る。「アニキも迷惑だったらそう言えばいいじゃないスか」「……彼女には何度か助けられました。不本意ですが」ディスコテークは事実を告げる。「ビズの相棒としては申し分ない。不本意ですが」11 #4215tk

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「アハハ！それはよかったわ、ディスコ」チェシャ・キャットめいた笑みを浮かべ、ワイルドローズは言う。彼女はアゲインストへと視線を移した。「それにこんなカワイイお友達がいるなら、早く紹介してくれればよかったのに。アタシ、こういう負けん気の強い子も好きよ？」12 #4215tk

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「ゲーッ」アゲインストは心底嫌そうに声を上げる。そしてワイルドローズへとキツネ・サインを向けた。ワイルドローズは微笑を浮かべキツネ・サインを返す。そしてチャブ台に身を乗り出すと、それをアゲインストのサインへと触れさせた。キスめいて。13 #4215tk

ひたちえぼ @EVO_Hitachi

この3人いいなあ #4215tk

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ぞわり、とアゲインストが鳥肌を立てる！彼女はすぐさまディスコテークの背後へ隠れるように移動した。「な、なんなんだよコイツ！？アニキ、なんとかしてくださいよ！」「できるならとっくになんとかしています」ディスコテークは溜息混じりにそう答えた。14 #4215tk

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「アッハハハ！カワイイ！キツネチャン！」おかしそうに身を捩らせたワイルドローズが、興味深げにアゲインストを見やる。「ねェ、アナタもニンジャでしょ？アタシ、あなたのカラテが見たいわ」「やンのか！？」アゲインストが立ち上がりカラテを構える！15 #4215tk

NARITA@耐えたり耐えなかったり @narita_nj

アゲインスト＝サンは逃げられるのか。無理では？　#4215tk

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ディスコテークはアゲインストの裾を引き、座らせた。「談話室では荒事は厳禁です。アゲインスト＝サン」渋々と座り直すアゲインストを見て、ワイルドローズが言う。「お盛んなのね、キツネチャン……ウフフ！アタシもちょっとこの体に慣れなきゃだし。いいでしょ、ディスコ？」16 #4215tk

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ディスコテークはしばしワイルドローズを見つめ……立ち上がった。「トレーニングルームに移動します。アゲインスト＝サン、やる気があるならそちらで」「お、おう！やってやりますよ！」アゲインストがワイルドローズを睨む。「あたいが勝ったら、アニキから離れろよな！」17 #4215tk

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「アハハ！どうしようかなァ？」軽口を返しつつ、ワイルドローズはちらりとディスコテークを見やる。彼は小さく肩を竦め、談話室の出口へと向かい……眉間に皺を寄せて立ち止まる。「よう」そこにいたのは鈍色サイバネボディのニンジャ。ウラカタ所属のセパレートだ。18 #4215tk

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「何か？」「そう嫌そうな声出すなよ、ディスコテーク＝サン。傷つくだろ」壁にもたれかかったセパレートはからかうように返す。「ちょっと話が聞こえてな？相変わらずモテてるみたいじゃねえか！あやかりたいぜ」「モテてる？」ディスコテークは首を傾げた。19 #4215tk

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「アー……」セパレートはディスコテークの肩越しにワイルドローズを見た。ワイルドローズはおどけたように肩を竦めた。「なんでもねえ。忘れてくれ。……トレーニングルームに行くんなら俺もいいか？メンテナンス明けでよ。調整がしたいんだ」「どうぞ」20 #4215tk

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素っ気なく返事をしたディスコテークは、セパレートの前を通り過ぎる。少し後から、彼がワイルドローズたちと合流し、自分の後をついてきたようだった。ディスコテークはセパレートの言葉を脳内で反復する。その意味が、彼にはよくわかっていなかった。21 #4215tk