toriiyoshiki氏「福島プロジェクト」取材に関してのコメント

4/18放送 ETV特集 終わりなき戦い~ある福島支援プロジェクトの記録~についてのtoriiyoshikiさんのTweet。
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toriiyoshiki @toriiyoshiki

2012年の時点で南相馬を中心とした地域を取材していたが、ぼくの知る限り、どの家庭でも山菜、きのこはもちろん地元の農産物は自分たち(高齢者)は食べても孫には食べさせなかった。農協などで放射線の検査体制が整い、食べる前にまず計ってみるという姿勢が普通のものになっていた。

2015-04-19 05:24:06
toriiyoshiki @toriiyoshiki

80代のおばあちゃんが自分が畑で作ったものを孫に食べさせたくて、農協に持ち込んで計ってもらう姿を撮影したのが2012年の夏。当時は、政府の基準(100Bq/kg)以下でもNDでなければ孫には食べさせない、あるいは自分でも食べないという人が多かった。

2015-04-19 05:28:00
toriiyoshiki @toriiyoshiki

きのこ名人の爺さんたちも、マツタケなどをとっていたが眺めるだけで棄てていた。番組で紹介した相談会に出ていた高齢者の一人(区長)が、自分たちが食べないマツタケを原子力研究開発機構の研究者が喜んで持って帰ったと呆れていたのを思い出す。

2015-04-19 05:32:59
toriiyoshiki @toriiyoshiki

番組の中でマツタケについて質問した「名人」のお爺さんも当時から知っている方(いまも避難生活を送っている)だが、実際に取ってきては計って棄てていたわけだ。それが勉強をするなかで1kg3000bqでも10gなら大丈夫ではないかと思い至ったということである。

2015-04-19 05:37:31
toriiyoshiki @toriiyoshiki

つまり、福島では高齢者を含む多くの人が(全員とまでは言わないが)基本的に慎重で用心深い。それが当然の習いになっているわけだ。「10g発言」は、地元産の食材は原則として排除→計ってから食べるかどうかを決める→摂取量を計算して判断する、という思考の進化(深化)の結果である。

2015-04-19 05:42:56
toriiyoshiki @toriiyoshiki

質問をされた安斎さんたち専門家が「科学的な態度」だと喜んでいたのは、闇雲な不安のなかから立ち上がって、実測値をもとに自分で判断し、前に進み始めた福島の人たち(薪への不安に怯えていた川俣の女性もその一人)の「成長」を実感したからである。

2015-04-19 05:50:11
toriiyoshiki @toriiyoshiki

ぼくが番組の後半にこうしたシーンを持ってきたのも同じ理由だ。放射能への闇雲な不安に怯え、福島に人が住んではいけないと考え、安斎さんたちを「御用学者」呼ばわりする人たち(平井先生や@sakinotk さんのことではない)の想像をはるかに超えた地点を福島の人たちは歩き始めている。

2015-04-19 05:56:13