一話 崩壊の序章

文法変えましたw
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h39 @h39kk

「ギルティ」 「ん?どした?」 イノセントが俺を呼ぶので振り返る。にこにこしているとこを見る限り上機嫌だ。 「なんでもない」 「…なんだそれ」 「アムールは?」 「もう少しで来るよ」 今日は三人で出かける約束をしている。アムールが珍しく遅刻するということでイノセントと今はふたりだ

2015-05-26 13:03:51
h39 @h39kk

そして俺は気付いてしまっている。 イノセントが俺に好意を抱いていることに…。 俺はイノセントのことを嫌いではない。好きだ。 ただ、好きの意味が…違ってしまっている。 「アムールが遅刻なんて珍しいよね」 「そうだな」 遅刻するのは…仕方ないことだ。 普段通りならしなかっただろうしな

2015-05-26 13:05:56
h39 @h39kk

アムールは、俺の家から一度出発し自宅に戻って支度してからくるのだ。遅れたって仕方ない。 俺は、イノセントではなくアムールを選んでしまっている。好きの意味が、アムールとイノセントにでは違った。 イノセントは、それを知らない。 俺たちはずっと三人で仲良くしていた。それを、俺が壊した

2015-05-26 13:07:43
h39 @h39kk

アムールを選んだ段階で、壊していた 「ごめんなさい遅くなって」 「遅いよ~」 「それじゃいこうか」 ただ、申し訳ないとイノセントに思うのと同時に…この幸せな時間がいつまでも続けばいいとおもってもいた。アムールはどう思っているのだろうか? イノセントを裏切るようなことになって…

2015-05-26 13:09:58
h39 @h39kk

「それじゃ、イノセントまたな」 イノセントの家でイノセントと別れ、アムールをつれてアムールの家を目指す。送り届けるだけだ。 「今日は楽しかったわ」 「そっか…よかった」 便宜上はアムールの彼氏だ。しかし、何か特別なことをしてあげられてるわけではない

2015-05-26 18:05:48
h39 @h39kk

いや、特別なことはしたな。一夜の過ちとも言えることを… それがきっかけになったから過ちではないかもしれないが、イノセントのこともあるし過ちだろう 「ギルティ」 「ん?」 そっと俺の手をアムールが握るから握り返す。わずかにアムールは頬を染めている

2015-05-26 18:08:06
h39 @h39kk

すると、不意に彼女の頬にしずくがひとつ落ちた。どうやら、雨のようだ。確かに三人でいたときから雲行きは怪しかった。急ぎ足でアムールの家に向かうも、ついたときにはすでに雷雨となっていた 「すごい雨だな」 「そうね。帰れる?」 「まぁなんとかなるだろ」 「…泊まっていけば?」

2015-05-26 18:10:59
h39 @h39kk

「…でも」 「私は構わないから」 「……わかった」 彼女の厚意を無下にすることは俺には出来なかった。遠慮なく彼女の申し入れを受け、俺は今晩はアムールの家で過ごすことにした。作ってもらった料理を食べ、風呂に入り冷えた体を温める。相変わらず外はすごい雨だ。

2015-05-26 18:13:49
h39 @h39kk

「泊めてくれてありがとな」 「気にしないで…それじゃ」 「アムール」 「…んっ」 「じゃあな」 アムールと別れ際にキスをして俺は自宅に向かって行った。

2015-05-27 11:19:07
h39 @h39kk

「電話?イノセントか……俺だ…どした?」 「今日、どこかにいってた?お昼にいったらいなかったから」 お昼…おそらくアムールの部屋を出た時だ。入れ違いになったのだろう 「悪いな。ちょっと出かけてた」 「ど、どこにいってたの?」 「少し散歩みたいなものだよ」 「そ、そうなんだ」

2015-05-27 22:01:44
h39 @h39kk

「大事な用か?」 「う、ううん…たいしたことじゃないからいいよ…じゃあね」 そういってイノセントは通話を切ってしまった。いったなんだったのだろうか?俺は対して気にせずに携帯を置いてベッドに横になった。明日は特に予定もないし、またいつもみたいに三人で過ごすことになるだろう

2015-05-27 22:04:34
h39 @h39kk

アムールと二人で話がしたいってイノセントが言っていたから独りでいる。よくよく考えればこんなふうに独りってのも今では懐かしさを覚える。イノセントとアムールと出会うまでは、独りでいることが当たり前だったからな… 「いい夢みてるね~」 「ん?」 「おいしそうな夢だよ」

2015-05-28 16:13:21
h39 @h39kk

「君は?誰だい?」 少年だ。帽子をかぶり身なりを整え、ステッキを持っている。それにしても、夢がどうのとはなんだろうか? 「僕が誰かはどうでもいいだろ?ところで、君の見ている夢…いつまでも三人で仲良くってのは、叶いそうかい?」 「…何を」 「本当は続かないこと…気付いてるでしょ」

2015-05-28 16:15:11
h39 @h39kk

もしかして俺たちのことを知っているのか?なぜかまではわからないがまるでそういう口ぶりだ 「どうするつもり?」 「…俺は」 「このままでいいとおもってる?逃げ出す?」 「…」 「まぁ僕が決めることじゃない…ただ、逃げ出したいなら協力するよ」 「協力?」 「僕はトリッカー…よろしく」

2015-05-28 16:16:56
h39 @h39kk

トリッカー…彼はいったい 「必要なら僕の名前を念じて呼んでくれればいい。じゃあね」 「……消えた?」 目の前にいたはずなのにすでにトリッカーの姿はなかった。いつまでも三人で仲良く。そんなこと、すでに俺が壊して台無しにしようとしている。アムールを選んだ時点でそうだ

2015-05-28 16:18:22
h39 @h39kk

本当に叶うのか?トリッカーに頼めば……いや、今は考えないでいよう。とりあえずアムール達の話も終わってるかもしれないし、一度家に戻ろうか

2015-05-28 16:19:23