まんが家 大塚 志郎先生からの「漫画アシスタント希望者への」アドバイス【随時更新】

月刊キスカで「漫画アシスタントの日常」を連載されている大塚志郎先生からのありがたいお話です。まんが家志望の方は必読ですよ。 ※以前の話も別の方がまとめられてある模様です。>http://togetter.com/li/838834#c2001942
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大塚志郎 漫画を色々発表中!ぜひご覧ください! @shiro_otsuka

これから漫画アシスタントを始めようと思ってる人へ。前にも描きましたが大切な事が何個かあります。一、選択出来る最大に厳しそうな所に行く 二、どんなにしんどくても技術がつくまで辞めない 三、多少回数が減っても編集さんとの打ち合わせは必ず続ける 四、二年で辞める とだいたいこんな感じ

2015-07-01 02:47:27
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一つずつ解説して行きます。一つ目、厳しくない現場では学ぶ事が無いから。現場には腕を上げに行ってるのを忘れてはいけません。お金だけが目的ならどこかでアルバイトしましょう。あと描き込みや仕上げ処理が手が込んでて時間がかかる現場の方が新人に原稿作業が回ってくる可能性が高いです。加えて→

2015-07-01 02:53:19
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現場の先生はあまり売れっ子じゃない方がいいです。売れっ子はスタッフが多い(10人以上)ので大事な原稿作業はメインスタッフがほぼ仕上げて初心者は食料の買い出しや枠線・ベタ・トーンべた張りなどの単純作業が多く回ってきて、難しい原稿がなかなか触らせてもらえない傾向があります、そして→

2015-07-01 02:57:06
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人数が多いので個々の速度はあまり要求されない場合も有ります。仕事は楽ですが速度はあがりずらいです。大人気ではないけど長く連載を続けてる中堅作家などがとてもいいです。 トーンもあまりつかってない、人物のアップばかりで背景もあまりなく、原稿が白い現場は覚える事が少ないのでそういう→

2015-07-01 03:01:46
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そういう所は避けましょう。修羅場の現場に採用されたら次に頑張る事は、厳しくても技術がつくまで絶対辞めないコト。出来ない時期は苦しくツラいです。何度もリテイクを受けます。出来ないと先生は怒ります。それに加えて初心者アシは現場のストレスの受け皿になることもあり、先輩アシさんからも→

2015-07-01 03:09:36
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→怒られます。現場が修羅場なので全員のストレスが渦巻いてます。僕は何度も怒られました。羽ぼうきで払った机の消しカスが隣の先輩の机に何個か落ちたことで怒鳴られたり、買い出しの食事の品を間違えた事で怒鳴られたり、狭い仮眠室で寝てる先輩の頭をまたいだことで怒られたりetc etcなど→

2015-07-01 03:13:51
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→とってもツラいです。でも技術が着くまでは辞めてはいけません。具体的な技術ですが現場のトーン・集中線・背景などを1リテイクくらいでOKが出るようになればだいたい修めたと考えてよいです。結構大きい背景や見開きの背景なんかをまかされればもう1人前で、技術体得でもう辞めてOKです

2015-07-01 03:17:12
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三つ目の編集さんとの打ち合わせですが、修羅場の現場はキツく、休日は休みたいものです、がアシ始める前の頃の半分のペースでもいいので必ず続けましょう。アシ現場の激務をネームができない言い訳にしてはいけません。この時期にふんばってネームを作るって経験は後に大きい財産になりますできれ→

2015-07-01 03:22:11
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できればアシスタント初めたてのこの1〜2年以内に打ち合わせ先で掲載デビューを果たしましょう。アシの激務の中自分のネーム・原稿を完成させたことは大きな自信になります。原稿の完成度もアシ始める前とはガラリと変わってるので漫画家志望としてのモチベーションが上がる事は受け合いです。

2015-07-01 03:26:22
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最後の4つ目、初めての現場は2年で辞める ですが、これは必ずそうとも言い切れません。現場の先輩や先生と相性が良かったり、職場環境・労働時間・給料に不満が無いなら続けても構わないと思います。ただ色々な現場をみたり、他で色々な作画をみるのも勉強です。一カ所の現場だけしか知らないのは

2015-07-01 03:30:47
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あまり良くないです。それに大抵初心者としてはいているので、技術がついていても自分より下が入ってこないとずっと下っ端として扱われることが多いですし、修羅場を長くやってると体力の消耗が激しく、休日に自分の漫画を描くのがキツくなってきます。当時の現場の先輩方はほぼ自分の原稿は→

2015-07-01 03:35:24
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→やっておらず、だから先輩はデビューしないので永久に下が入らない悪循環です。ネームを切らない(切れない)先輩はネームをやる人間の足を引っ張る傾向があります。それが後輩アシだと大手をふって引っ張ってきます。当時、現場の仕事も覚えてないのに休日に自分のネーム・漫画をやるのは図々しい→

2015-07-01 03:38:52
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→と叱られたのを覚えてます。今ならただの言いがかりとわかりますが、当時は本気で悩みました。他にもネームを邪魔するようなことをやられたのを覚えてます。決定打は当時の僕の担当さんに謝恩会で会ったときにその先輩が『大塚が仕事場であなたの悪口を言っている』と根も歯もないことを言われたこ→

2015-07-01 03:44:07
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ことです。一応2年は続ける気でしたが、その件でその現場を1年目で辞めると決心がつきました。もう限界でした。当時の先生は素人の僕に漫画作画のいろはを叩き込んで下さった恩人です。いまだに頭があがらない位恩義があるのですが、このまま現場でデビューの足をひっぱり続けられたらたまらない

2015-07-01 03:48:56
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と思い決心しましたが、辞めるのは簡単ではありませんでした。『これは逃げじゃないのか?』『入った半年くらい何も出来てなかった時期を面倒みてもらってたのに薄情じゃないのか?』など考え、辞めるときりだせません。それに、先輩方は全員ぼくより長くそこにいるわけなので順番的に僕が始めに→

2015-07-01 03:52:59
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→辞めるのはいけないんじゃないのか?そもそも技術は修めたのか?辞めた後新しいアシ先はみつからないんじゃないんだろうか?などとっても悩みました。でも辞めました。辞めると言った後の一ヶ月はよく覚えてませんが、一ヶ月後の辞めたあとの心境は今でもはっきり覚えてます。やれやれ、と。

2015-07-01 03:58:03
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ちなみに僕が辞めた初めての現場で見開きの原稿背景をまかされたことはありませんでした。中ぐらいの背景をまかされるぐらいが精一杯でした。なので実力がついてるか不安でしたが、辞めた後に投稿した原稿が今までで一番大きい賞の月例賞佳作をいただけました。

2015-07-01 04:03:42
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その半年前の時期に原稿が雑誌増刊号に掲載していたのですが、そこの現場のアシを辞めたのでその雑誌にはもういられないとかってに思って当時の僕は一からやり直すつもりで別の雑誌に持ち込んだのがその佳作でした。現場を辞めるのはそのくらいの覚悟のものだと当時思っていました。

2015-07-01 04:08:38
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これがぼくの初めての現場の思い出です。とっても懐かしいです。当時は未熟で至らない所が多すぎでした。反省。これからアシスタントをしようと思う方は是非参考にしていただけたらと思います。

2015-07-01 04:15:00
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RT>漫画家志望時期は七年ありますが、今の話は志望2年目の話です。一年一年思い出深いです。そういう日々を元に描いた漫画が『漫画アシスタントの日常』です。興味あるかたは是非よろしく^^月刊キスカさんでも連載中です!と宣伝宣伝^^

2015-07-01 04:26:25
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話の付け足し 初めての現場は最低1年はいなければダメです。技術をつけてる初めの間先生は投資してくれてるわけですから。それが暗黙のルールです。それ以降は辞めても問題ありません。辞める時は伝えてから後がまが見つかり引き継ぎが終わるまで(だいたい一ヶ月)は仕事を続ける。それが最低限です

2015-07-01 04:46:49
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