マリアナ沖海戦における実態と米海軍の認識のズレ
- fussoo_moe
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「艦隊これくしょん」プレイヤーの間でマリアナ沖海戦が話題になっているようなので、ちょっと呟いてみる。この海戦で帝国海軍の機動部隊は事実上戦力を喪失したことは有名である。
2015-07-04 17:27:02が、アメリカ海軍はそれに気付いていなかった。空母「翔鶴」「大鳳」に潜水艦が損傷を与えたことは把握していたが、撃沈したとは認識していなかった。そして、アメリカ海軍はもっと重大な事実誤認をしている。
2015-07-04 17:28:12「この海戦で日本海軍が失った艦載機は多く見積もっても100機に及ばない。空母は1隻も失われていない。これはスプルーアンス提督の消極的な指揮による、我々の失点である!」と言うのが当時の米海軍の認識だった。
2015-07-04 17:29:34アメリカ海軍はこの認識のままレイテキャンペーンに入り、有名な「ハルゼー提督が囮機動部隊を深追い」に繋がる。
2015-07-04 17:30:48マリアナ沖海戦で帝国海軍第1機動艦隊が放った艦載機のおおよそ半数は、米軍と交戦していない。遭遇さえしていない。「強大なアメリカ海軍機動部隊によって次々に撃墜された」方が戦記としては聞こえが良いが、実際のところは通信ミスと航法ミスによる自滅であった。
2015-07-04 17:33:43アメリカ艦隊が居るはずの海域へ向かって進撃し、そのまま未帰還となった搭乗員の方々はいかに無念だったことか。
2015-07-04 17:34:44ともあれ、アメリカ海軍側からこれを見ると「最大限に見ても、日本側は小規模で散発的な攻撃を行うに留めた」「日本の機動部隊は健在である」となってしまった。「日本側は、こちらの哨戒範囲外で自滅している」とは誰も考えなかったようだ。
2015-07-04 17:38:09マリアナ沖海戦と言うと「レーダー管制された艦隊防空」と「VT信管の猛威」が強調されたり、アウトレンジ戦術の可否が論じられることが多い。そして「レーダーやVT信管抜きで考えても多勢に無勢」と言う結論が書かれることが多い。
2015-07-04 17:43:09当時の搭乗員はじめ当事者の方々には大変申し訳ないが、マリアナ沖海戦における日本側は「そもそも作戦行動が行えない」水準にあったとしか言いようがない。
2015-07-04 17:45:52@TFR_BIGMOSA 突然失礼します。米側がそのような情勢判断をしていた事は初めて知りました。この件に関連して、日米両方の視点と事実について、まとめられた資料について、何かご存知であれば、ご教示をお願いしたいと思います。(当然、お忙しければ無視して下さって結構です
2015-07-04 17:56:53@egotex_cwinfo 米海軍の公刊戦史……は入手性があまり良くないですね。川崎まなぶ氏の「マリアナ沖海戦」はいかがでしょうか。
2015-07-04 17:59:55@egotex_cwinfo ただし、川崎氏の「マリアナ沖海戦」は搭乗員の熟練度分析として単純平均を使っている箇所があって、「平均飛行時間で見ると真珠湾攻撃の時とあまり変わらない」と誤解する危険があります。
2015-07-04 18:09:42@egotex_cwinfo 超ベテランと新人の飛行時間を足して人数で割り算してはいけないと言う話です。
2015-07-04 18:10:30@TFR_BIGMOSA 小沢長官も戦後のインタビューでは練度がかなり低くアウトレンジは無謀だったと回想していましたね
2015-07-04 19:54:38@Bonjin13_BOOBY 搭乗員だけでなく、艦艇乗員の技量もかなり低下していましたね。たとえば「飛鷹」と「長門」が衝突事故を起こしかけたり、また前衛部隊が友軍機を誤射したときの各艦の対応もかなり混乱しています。
2015-07-04 20:19:05昨日つぶやいたマリアナ沖海戦について、とりあえずすぐに読めるもので紹介してみる。 日本語wikiの該当記事 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E… 「戦闘の経過」は日本側の視点で書かれていて、「万全の防空体勢を敷いていたアメリカ海軍に次々と撃墜され」と記述されている。
2015-07-05 17:00:59同記事の「影響」を読んでみると 日本側視点「機動部隊は3隻の空母(内2隻は正規)、搭載機、搭乗員の多くを失い再起不能となった」 アメリカ側視点「スプルーアンスの作戦指揮について、消極的であるとの批判がされた」 いささかつながりの悪い記事になっている。
2015-07-05 17:01:39英語版を読んでみよう。en.wikipedia.org/wiki/Battle_of… "Japanese raids"でアメリカ側が撃墜したとする日本機数よりも"Aftermath"にある日本側喪失数は、遥かに多い。
2015-07-05 17:02:10当時のバトルレポートが米海軍のwebサイトのどこかで公開されていた気がするので、いつか気が向いたら読み返してまた呟いてみる。……読み返すだけで憂鬱になる記録だったことは良く覚えている。台湾沖航空戦の記録よりはマシだが……。
2015-07-05 17:04:49「アウトレンジ攻撃でなければ通信ミスや航法ミスでの自滅がもっと減らせて、より効果的な攻撃が出来たのか。せめて『強大な敵に向かって殺到する』ことだけでも出来たのか」については、私は懐疑的だ。
2015-07-05 17:09:36マリアナ沖海戦において、私は日本側指揮官(小沢提督)の指揮にひとつ疑念を持っている。「艦載機のコンパス修正を行わせたかどうか」
2015-07-05 17:11:15これ以外にも、たとえばアジ暦で日本側戦訓所見を読むとせっかく支給された無線機レシーバー組み込み飛行帽を使わない搭乗員が多数居たり、索敵機のレーダーは海軍レーダーのお約束どおりノイズとシグナルの識別が難しいものだったりと、技術上の問題が多数ある。
2015-07-05 17:13:14戦術や作戦、搭乗員や艦艇乗員の戦技とは別の技術上の問題が多々あったと見ている。いつかまとめて世に出したい気がするが、無理だろう。 「足りないピースを自作して組み上げたパズル」になってしまう。
2015-07-05 17:15:27いまどうしてる>マリアナ沖海戦に関する呟きへのリツイート数にびっくりしている。日本側が「大兵力を一挙に送り出した」作戦が米艦隊に到達する時には分散したりポジションロストして「散発的な攻撃」になっている例はマリアナ沖海戦以前にも多数あるのだけれども……。
2015-07-05 17:24:56@TFR_BIGMOSA @uchidahiroki 一航戦で半年、三航戦に至っては二ヶ月そこそこ・・・仮に真珠湾攻撃時のヴェテランでも、勝ち得たかが疑問です
2015-07-05 19:25:16