「手塚のパラドクス」の正しい解き方

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『週刊ダイヤモンド』昭和30年10月5日号、112~116ページで「大会社の源を尋ねて  ウオルト・デイズニー・プロダクションズ社」という特集があるそうです。東映はこれを読み知っていたという。

2015-07-06 12:14:50
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同じ頃、日本動画株式会社の東映身売り話があった。

2015-07-06 12:16:26
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東映内部でもアニメ制作進出については見解の相違があった。ディズニーを手本にしよう論は営業部から、教育性の高い短編主義論は教育映画部から。

2015-07-06 12:18:04
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アニメ進出をめぐって東映取締役会は紛糾。結局、教育映画部の主張が通り、営業部は後ろに引いた。このときの営業部リーダーが後の東映動画再建で活躍。

2015-07-06 12:25:49
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長編アニメを作るのにどのくらいの人員、時間、能率が問われるのが、東映は把握していなかった。やってみたら当初の計算の十分の一の能率と判明。

2015-07-06 12:26:56
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短編しか作ったことがない日動が6分でこれこれの人員と予算だというから、長編なら×(かける)12でこのくらい…という計算法だったようです。

2015-07-06 12:29:47
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賃金の体系をしっかり作る前に長編に乗り出してしまったのです。youtu.be/0OYPDwv1Afo

2015-07-06 12:31:13
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それが祟って翌年に労働組合が公然化。二週間待たずに潰された。リーダーはこの方です。 pic.twitter.com/mu45XEuVBr

2015-07-06 12:33:41
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思うのですが、ディズニーの技術的方法論を目で盗むことはできたけれど、労務管理については学べなかった。スタジオ全体が、です。 pic.twitter.com/usKh3tXGdz

2015-07-06 12:35:22
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技術と労務管理。この二つのバランスが取れないまま日本の商業アニメは走り出してしまった。

2015-07-06 12:36:10
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この歪みを思いっきり増幅してしまったのが、この方というわけです。 pic.twitter.com/4W4yykXOnU

2015-07-06 12:36:59
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技術と労務管理のバランスが取れないまま走り出した日本の商業アニメ。これがとりあえずもってしまったのは、テレビのCM用アニメ、アメリカ輸出、そしてキャラクター商品(当時はマスコミ玩具)という、盤に乗っていない駒があったから。

2015-07-06 12:50:25
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CMアニメはCMアニメで独自路線を行き、アメリカ輸出は五年で窓が閉じてしまい、キャラクター商品は特撮ものに主戦場が移ってしまった。こうしてようやく技術と労務管理のアンバランス体質が自覚されていった。

2015-07-06 12:52:58
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ここに滑り込んできたのが完全出来高制。一枚いくら一カットいくらのやり方。雇用ではなく委託だという理屈。

2015-07-06 12:53:59
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こんな風に日本のアニメ史を考えています。いつもの話ですがいろいろ新事実が判明してより自信を抱きました。

2015-07-06 12:58:48
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少なくともこの「A」氏の史観(宮崎駿もこれ)は正しくない。 pic.twitter.com/1Su1GXlYMD

2015-07-06 12:59:34
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この糾弾を読んで手塚は怒った。

2015-07-06 13:03:04
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この手塚糾弾は、「A」氏自身の免責のためのものだった。もし「A」氏に反論するのならそこを突くべきだった手塚。だがひとから非難されると論理的思考能力を失う傾向がある彼は、「A」氏以上に自己免責臭の濃い議論を展開した。

2015-07-06 13:05:30
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こうして「手塚のパラドクス」が始まった。「手塚のせいで」「いや手塚先生のおかげで」の極論になってしまった。

2015-07-06 13:06:56
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この「手塚のパラドクス」について、先日の講演では「光は粒子なのか波なのか論争と同じ」と解説しました。これ有名なパラドクスです。ボーアとシュレディンガーが大激論してシュ先生とうとう熱を出して倒れてしまったのにボーア先生なお枕元でまくしたてた、と弟子のハイゼンベルクは書き残す。

2015-07-06 13:09:02

この二人の論争は光子ではなく電子についてですが、光のパラドクスと関わる論争でもありました。

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この論争に一定の方向性をつけた(光量子仮説といいます)アインシュタインすら途中で撤退してしまいました。

2015-07-06 13:10:39
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ちなみにこの仮説が認められてノーベル物理学賞を授与。相対論ではありません。光の解釈で画期的と認められたのです。そのくらい当時は突出して独創的で、長く学会では白眼視されていたのです。

2015-07-06 13:12:14
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光のパラドクスを解いた(というか説明づけた)画期はヴェルナー・ハイゼンベルクとヴォルフガング・パウリの二人。いわゆる「場の量子論」です。日本人のノーベル物理学賞受賞者は皆この延長での研究者です。

2015-07-06 13:17:58
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「手塚のパラドクス」が解ければ、アニメ研究の画期であり、研究は「学」に進化する。そう大見得を切ってきました。

2015-07-06 13:20:14