東大駒場寮・女学生掃除アルバイト論争

1952年、高橋健二(ドイツ文学者)の「朝日新聞」寄稿から始まる一連のやりとりと、それに関する現代の皆さまの声をまとめました。少しずつ追加しています。 (投稿掲載に問題のある方はお知らせください。読みやすさを考慮して、自分の投稿の順番は多少前後しています)
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1952年11月、朝日新聞紙上に掲載された高橋健二(ドイツ文学者)の言葉。駒場寮の部屋の不潔さは論外なので、アルバイトの女学生に掃除をしてもらったらどうか、という意見を述べている。これが思わぬ騒動に発展する。 pic.twitter.com/li9sUzgaRT

2015-07-24 21:08:37
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数日後、「女学生よ、断りなさい」と題する女性からの投稿が掲載され、一大論争へと発展する。 pic.twitter.com/uLbZl886zt

2015-07-24 21:17:17
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両者の主張は大きな反響を呼び、さらに数日後、朝日新聞紙上で、両者の声と読者からの声を掲載した、大きな記事が掲載された。高橋教授は、「少々ジョウダンをいったのである。あんまりむきにならないで、女性もユーモアをもって、ものごとを受け取るのどかさを失わないでほしい」とかわす。

2015-07-24 21:27:57
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こちら、高橋健二教授の言い分、全文です。 pic.twitter.com/DxDmX2UkQO

2015-07-25 01:25:41
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高橋教授への反論を投稿した女性は、実は息子が駒場寮生だった。息子からの手紙に「ゲル(金)さえあればやってみるのも悪くないな、と友人と話し合ったものです……」とあったので、ギクッとして、投稿する気になったのだった。母の投稿を紙面で読んで、今度は息子の方が驚いた。

2015-07-24 21:31:02
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東大2年生、駒場寮に住む息子は母に再び手紙を出す。「ぼくたちが女学生のアルバイトに賛成なのは、なにも彼女たちに実際に働いてもらうのが目的じゃないんです。とにかく、メッチェン(娘さん)が、ぼくたちの部屋に侵入して来ることに対するバクゼンたる期待からなのです」

2015-07-24 21:34:47
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対して母は息子に言う。「ご自分でお部屋をきれいに片付けたうえ、堂々と女学生をご招待になってはどうでしょう。お花の一つも、あなたの机にいけてくださるでしょう。それからは、お得意のダベリングでもなさるのですね。早くそんな日が来るように、お母さんは祈っています」。母圧勝。

2015-07-24 21:39:16
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「お母さんは、本当にユーモアを解することの不得手な女です。しかし、いままでのように、女というものが、おさえつけられて来ていると、つい考えが小さくなってしまうのですね。どうぞあなたがた若い方たちは、女学生の人格も才分も十分認めて(中略)ユーモアも解し合えるようにして下さい」

2015-07-24 22:00:30
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「朝日新聞」1952年12月7日夕刊4面の切り抜きの一部より。記事中にもある通り、今井キヨさんは今井久・元茨城県知事夫人で、三人の男子の母。手紙をよくやりとりする次男が東大生。 pic.twitter.com/u3A5zJKll0

2015-07-25 17:06:59
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お母さんの意見が文字通り大人なのに対して、他の息子世代の東大生たちの意見はどうもピントはずれで、苦笑せざるをえない。「われわれ東大生は、夫が疲れて帰ってきた時に、ろくすっぽ掃除もしないでコタツにあたっているような女性は、将来、絶対にお嫁にいただかないつもりです」とかなんとか。

2015-07-24 22:08:49
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当時の駒場寮委員長は、学内新聞の取材に対して「冗談は冗談として受けとって欲しい」と答えていたのだが、朝日新聞が大きな特集記事を掲載するに至って、ついにガチギレした。「之を夕刊紙4面に殆ど一杯にとりあげた朝日のセンセイシヨナリズムに対しては厳重に抗議を申込む必要を認めた」と。

2015-07-25 02:57:16
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朝日新聞に対して寮委員名で出された抗議文の控えが、寮の記録には残っているのだけれど、長いので割愛。写真は1964年、寮の記録ノートに貼り付けられた、五十年前の蚊。 pic.twitter.com/tvludlGLvo

2015-07-25 03:05:22
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「東大駒場寮・女学生掃除アルバイト論争」、寮生2人(朝日新聞掲載時には実名)の意見を追記します。

2015-07-28 13:10:45
mtmt @mtmtlife

◇女子のアルバイトを頼むことに女性に対するケイベツを感じ、古い考えだなどと思われること自体今井さんの頭の古さと、男性に対する強い偏見を現しているのではないでしょうか。毎日、自分たちのアルバイトに追われているわれわれ寮生は、女子のアルバイトを頼む余裕もありません。(続)

2015-07-28 13:11:32
mtmt @mtmtlife

なお、われわれ東大生は、夫が疲れて帰ってきた時に、ろくすっぽ掃除もしないでコタツにあたっているような女性は、将来、絶対にお嫁にいただかないつもりです。(東京目黒、東大駒場寮・KR)

2015-07-28 13:12:25
mtmt @mtmtlife

◇高橋氏がジョウダン半分で書かれたということは、すぐ分ることだと思います。また、寮生が高橋氏のご意見に乗り気になっているのも(ぼくは聞いていませんが)茶目気からではないでしょうか。(続)

2015-07-28 13:12:51
mtmt @mtmtlife

もっとも、男性が、そんなジョウダンを書くような考え方をすること自体が悪いのだ、と言えるかも知れません。(東大駒場寮・NY)

2015-07-28 13:13:17
mtmt @mtmtlife

記事はいくぶん冷笑気味で、「読者から寄せられた多くの投書には、高橋氏の書いた"現代学生気質"の文中の『女学生うんぬん……』の箇所を"ユーモア"と解釈したものは、当の寮生たちの投書以外には一人も見当たらなかった」と。

2015-07-28 13:19:26
mtmt @mtmtlife

(主婦からの投稿)「女学生よ、断りなさい」に、まったく賛成です。掃除などは当然、彼ら自身がすべきではありませんか。毎日の数分をさいて掃除をすることによって、彼らの"内面的進歩"が止まったり、彼らの品格が下るというわけでもありますまい。女子学生も、彼らと同じ真理探求を志す学徒です。

2015-07-29 10:53:55
mtmt @mtmtlife

(続)私は同じ男子の学生寮でも、掃除はもちろん簡単な炊事まで自分の手でやり、しかも内に燃えるような真理探求の心を持った大学生をたくさん知っています。高橋氏の言葉はまことに残念です。氏と同年輩の私の夫も、中学生の男の子たちも、私のこの意見を支持してくれているのはうれしいことです。

2015-07-29 10:54:15
mtmt @mtmtlife

(翌週掲載、男性からの投稿)あの高橋先生の文章からユーモアを感じよ、というのは無理です。これは私の父(54歳)も同じ意見です…

2015-07-29 11:28:01
mtmt @mtmtlife

(翌週掲載、女学生からの投稿)アルバイトの女学生に掃除をさせる――これがユーモアだとおっしゃる。驚きました。貧しいゆえに、学問の時間をさいて働く学生をユーモアの対象にながめる人たち、なんという思いやりのない人達でしょう……ただ興味の対象として私たち働く女学生を見ないでください。

2015-07-29 11:28:29
朝日新聞 家族 @asahi_kazoku

(書く生きる 「ひととき」と女たち:1)ペンを手に歩んだ戦後 - 朝日新聞デジタル asahi.com/articles/DA3S1…陽)戦後、男女平等がうたわれていても、女性が社会に声をあげるのは大変なことでした。女性の投書欄「ひととき」から戦後のくらしを振り返ります。

2015-01-01 15:38:04
たいぬ @chimuchimucat

@mtmtlife @Lin_Jing_F お母さん、かっこいい!それにひきかえ高橋教授の逃げ方。「ジョーダンやんか」の上に、それを余裕を持って受け取れない女性が悪いかのような言い方。反省どころか居直って圧力をかけている。 何十年も同じことの繰り返し。

2015-07-24 22:26:42
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