「人工知能は仕事を奪わない」という主張に対する一つの反論

もし人間の仕事が奪われるなら、仕事を奪われても人間の生活がよくなるように社会構造を変更するべきだと思う
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小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

「ロボット・人工知能技術は仕事を奪う」と主張する人達に対して、「ロボット・人工知能技術以外の過去の技術では奪われなかった」と反論されるがこちらは「過去の技術では奪われなかったが、ロボット・人工知能技術は今までと質がまったく異なります」と反論する。働かないでいい社会が必要だと思う

2015-08-03 17:32:31
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

「人工知能は仕事を奪う」という反論として、「労働塊の誤謬」を取り上げる人たちの最大の問題点は、「過去の技術が社会に与える影響」と「未来の技術が社会に与える影響」を同一に扱っていることである。「技術」が社会に与える影響は時代によって異なる。

2015-08-03 17:34:36
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

なぜなら「技術」が社会に与える影響が技術ごとに異なるからである。とりわけ、ロボット・人工知能技術が社会にもたらす影響について考えるとき、過去の経験則をそのまま一般化してしまっていいのだろうか。

2015-08-03 17:35:06
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

(1)「人工知能は仕事を奪う」という主張に対して、「労働塊の誤謬」と一言だけ反論する人がいる。しかし、その人は労働塊の誤謬が成り立つのかどうかを再び考察したほうがいい。

2015-08-03 17:37:29
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

(2)その人は「新しい技術が生まれて、その技術によって仕事を奪われた人たちがいたとしても、その技術によって新たな産業が生まれるのでそっちに失業者は吸収される」という主張なのだと思うが、それは「任意の技術」に対して成り立つのだろうか?

2015-08-03 17:38:17
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

(3)例えばロボット・人工知能技術の場合(特にロボット・人工知能の汎用性が高まる場合)、その技術によって仕事を奪われる人たちは大量に生まれる。一方、その技術によって新たに産業が生まれるが、その産業の中でもそのロボット・人工知能技術が活用されうる。

2015-08-03 17:39:04
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

(4)なので「ロボット・人工知能技術以外のほとんどの技術」では新たに生まれるはずだった仕事は、ロボット・人工知能技術に関しては生まれにくくなるのでは?(つまり大量の人の仕事が奪われ、少数の人の仕事が生まれる)。例えば現在ロボットを作る工程の中でロボットの役割は年々と高まっている。

2015-08-03 17:39:52
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

(5)一台のロボットでできることが増えれば増える(汎用性が高まる)ほど、ロボットを作る工程の中で一台のロボットの役割が増え続けることになる。

2015-08-03 17:41:17
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

(6)なので、ロボット・人工知能技術によって仕事が奪われた場合、その奪われた人たちが本来なら就けるはずだった新たな仕事は同じロボット・人工知能に代替されうるため、徐々に労働者が吸収されなくなっていく。

2015-08-03 17:41:50
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

(7)そうなれば、「新たな産業に失業者は吸収され、その人たちが労働者になる」という主張は成り立たないのではないか。「機械が人の仕事を奪う」と主張されていた産業革命頃の技術と「今と未来の技術」では質的に異なるのではないだろうか。

2015-08-03 17:42:22
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

(8)「産業革命頃の技術によって人間の仕事を奪わなかったから、今の技術やこれからの技術でも人間の仕事を奪わない(つまり過去大丈夫だったから、未来でも大丈夫)」という主張は間違っているのではないだろうか。

2015-08-03 17:42:39
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

ちなみに僕は「世の中にある仕事の量は一定」という主張とは少し違う。その意味では「労働塊の誤謬」と主張している人達と同じであるが、この主張を「ロボット・人工知能が仕事を奪わない理由」に採用していいのかどうかをしっかり考察するべきだとは思っている。

2015-08-03 17:59:17
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

一つの例え話。僕の部屋の天井は高いので、僕は頭をぶつけない。なので赤ちゃんの頃から身長を伸ばしても頭をぶつけなかった(仕事の量を身長で例えてる)。一方、僕の身長が天井を超えるぐらいになると、天井に押しつぶされてそれ以上は身長が伸びなくなる(小さい靴をはかされた場合に似てる)。

2015-08-03 18:07:46
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

産業革命が起こったとき、「機械は仕事を奪う」と主張されていたが、長期的には回復することができた。しかし、これは先ほどの例え話では「天井が非常に高かったから、身長を伸ばすことができた時期」ではないだろうか?人間が消費に使える時間は最大一日24時間という天井がある。

2015-08-03 18:11:42
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

24時間を使っても消費できないほど大量の物・情報が溢れている場合は、その天井に押しつぶされることになるのでは?物・情報Aを選択した場合、別の物・情報Bが選択されない、という現象が生じる。物・情報が少なかった時代では、Bを選択したまま、さらにAを選択することが可能だった。

2015-08-03 18:14:00
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

でも今は、何かを選択したら、別の何かが選択されなくなる現象が強まってきているのではないだろうか。実際、ネット上には大量の情報が溢れ、動画Aを選択すると、別の何らかの動画が見られなくなる、という現象が起きている。そのため、一つあたりの動画の再生数は年々と小さくなっている。

2015-08-03 18:15:36
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

これは例えるなら、24時間という天井にぶつかってしまった状況ではないだろうか。この辺、経済学者の人たちはどのように考えているのだろうか。経済学者の中でも「ロボット・人工知能は仕事を奪う派」と「奪わない派」に割れていると聞いた。奪う派ではマカフィーやブリニョルフソンなどか。

2015-08-03 18:18:21
小猫遊りょう(たかにゃし・りょう) @jaguring1

「未来の技術」に対して考察するとき、「過去の技術が社会に与えた影響」と「未来の技術が社会に与える影響」を同じであると考えている人が結構いる。これは過去の経験を一般化して、それを未来に当てはめているので、いわゆる帰納的推論だ。帰納的推論では早まった一般化に気をつけたいところだ。

2015-08-03 18:24:27