吉岡吉典「朝鮮戦争と日本――日本の朝鮮戦争にたいする人的協力を中心に」紹介

若林宣 @t_wak

本の山を崩したら発見。これだ。藤島宇内・畑田重夫編『現代朝鮮論』（勁草書房AA叢書、1966）。ここに収められている吉岡吉典「朝鮮戦争と日本――日本の朝鮮戦争にたいする人的協力を中心に」が、日本人捕虜や日本人戦死者について触れている。 pic.twitter.com/mGkQCrgYyB

拡大

若林宣 @t_wak

読んだら、麻布の騎兵第一師団からペンキ塗りの仕事で呼ばれて行ったまま帰ってこない、後に、米軍の制服を着て朝鮮に渡ったことを知った父親が驚いて警視庁に届け、法務省で内地送還の手続きを取るも、後に中隊長夫妻が通訳を連れて戦死の旨を伝えに来たとか、そういう記述が。

若林宣 @t_wak

あと、旧軍パイロットが鶏鳴社を名乗る電報で呼び出され、B-17やB-26を駆ってマニラ、台湾、京城への輸送任務に使われたとか、色々と。船員のケースなど今日では割と知られている話もあったり。

若林宣 @t_wak

ちなみにAA叢書の「AA」はアジアアフリカね。LAとあればラテンアメリカ。言わずもがな、か。

若林宣 @t_wak

朝鮮戦争に行かされた日本人が武装させられ戦わされて捕虜になったとか戦死したとか、そういう話は当時も報道されたようなので、機会を見て新聞のマイクロでも回してみようかと思う。

若林宣 @t_wak

特別掃海隊とかLSTの乗り組みとかじゃなくて、歩兵部隊の軍夫（兵じゃなくてね）が「国連軍」という名のアメリカ軍によって銃を持たされたという話なので、そこまでやるか感がひしひしと。

若林宣 @t_wak

電気通信省の敷設船「釣島丸」「千代田丸」も朝鮮戦争に動員されたのか。使用不能になっていた福岡釜山間の海底ケーブルの修理、増設が任務。なにしろ戦争経験者だから機銃掃射だとすぐに分かったとか、ここらあたり、きちんと掘り返す必要あるな。

若林宣 @t_wak

「戦後70年の平和」どころか、あの朝鮮戦争では人的にも技術的にも協力し、ベトナム戦争では兵站としての役割を担った我が祖国……って、右とか左とか関係なく認めるべきでしょ。

若林宣 @t_wak

1945年の敗戦から10年も経たないうちに捕虜や戦死者を出しているんですよ。

若林宣 @t_wak

あえて情念に訴えようとする書き方をするけれど、戦後70年という時の歩みをすべて平和の一色で塗りつぶしてしまったら、朝鮮戦争での戦死も捕虜も、また新しいところでは相模補給廠の戦車輸送阻止闘争もみぃんな無かったことになってしまわない？

若林宣 @t_wak

とツイートしつつ、ミリタリマニアとして「こ、これは」感も拭えず。いかん興奮してきた。

キャミー @kyami_FukPref

@t_wak 突然失礼致します。「千代田丸」の朝鮮戦争への動員について、労働判例として「千代田丸事件」（最判昭43・12・24）という判例がありまして、若干ではありますが関連があるかと思います。労働法では「危険業務への就労拒否」という争点で紹介されています。ご参考になれば…。

若林宣 @t_wak

@kyami_FukPref ありがとうございます。ちなみにその判例というのは、休戦協定後の1956年に障害が発生したケーブル修理を米軍から依頼されたことに関して、李承晩ライン内への出航を拒否して……という出来事の判例ではなくて、ですか。

キャミー @kyami_FukPref

@t_wak 改めて裁判所HPで判決文を確認したところ、ご指摘のケーブル敷設に関する判例でした。混乱させて申し訳ありません。1956年では、朝鮮戦争は休戦していますね…。判決文を読みますと、朝鮮戦争中に動員されたこと、機銃掃射や小銃による攻撃を受けたという記述が僅かにあります。

若林宣 @t_wak

@kyami_FukPref 重ね重ねお手を煩わせて申し訳ありません。しかし休戦後とはいえ、米軍の要請で安全とはいえない水域に派遣される危険は依然としてあったことには違いないですし、やはり記憶に留めておくべきかと思います。

キャミー @kyami_FukPref

@t_wak こちらこそ失礼致しました。判決でも、朝鮮戦争前後で千代田丸が受けた被害等を踏まえて乗組員の就労拒否とそれを理由とした解雇を否定しているので、極めて危険な業務に従事していたことは明らかだったのでしょう…。戦後史の中で風化しそうですが、私もまた記憶に留めたいと思います。