コンゴ民主共和国。「女性にとって世界最悪の場所」と呼ばれる戦場

“病院担当者は「病院でケアを受けている200人のうち、25人は10歳未満の子どもだ」と話した。” ※性被害経験者は閲覧注意かもしれません。また、残虐行為の直接的な写真はありませんが、ハードな被害の文章描写と首を刺された被害者の傷跡の写真はあります。
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

①パリや中東のテロに世界がすくむ。一方で光のあたらない悲劇も続く。紛争下、日々数百人規模でレイプが続くとされるアフリカ中部のコンゴ民主共和国。「女性にとって世界最悪の場所」と呼ばれる同国東部に入った。 pic.twitter.com/4ZAyrFVHYv

2015-11-19 23:04:14
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

②午前7時、ブカブ近郊のパンジ病院。鉄製の柵で守られた病院中庭に女性たちが集まり、スワヒリ語の聖歌を歌う。ほぼ全員がレイプの被害者だ。内戦直後の98年から紛争下で性的暴行を受けた女性たちを受け入れてきた。その数約3万人以上。 pic.twitter.com/6SvHXk3IjG

2015-11-19 23:09:23
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③多くは性器を火であぶられたり劇薬をかけられたりして大けがをしている。家族の面前でレイプされ精神的にも傷を負っている。病院ではまずは何が起きたのかを理解させる。たとえ手術を施しても、食事を取らなかったり、薬を飲まなかったりするからだ pic.twitter.com/6Zm6HmYzuA

2015-11-19 23:13:40
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④「私は2度誘拐された」と30代女性は言った。最初は99年。教会で兵士に囲まれ3人の女性と森へ。十数人にレイプされた。翌日女性2人が逃げようとしたが見つかり、2人は灯油入りバケツを頭に担がされ、火をつけられて全身火だるまで死んだ pic.twitter.com/kw5W9gMH1g

2015-11-19 23:18:53
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⑤その後彼女は部隊長の「妻」となり、森の中で4年暮らした。象を襲って肉を食べた。その間ずっとレイプは続き、3人の子どもを出産。ある日、部隊長から「言うことを聞かない」と銃剣でのどを刺された。数週間後、隙を見て子ども3人と逃げた pic.twitter.com/VFba42RJze

2015-11-19 23:22:36
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⑥しかし14年7月、再び兵士に襲われ、再びレイプの日々が。翌月妊娠し、子どもを産みたいと懇願すると、兵士の一人が逃がしてくれた。「今の不安は子どもたちのこと。大人になったとき、父親が戦場のレイプ魔だったと知ったらどんなに悲しむか」 pic.twitter.com/QNoCYyk168

2015-11-19 23:25:48
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⑦子どもの被害も少なくない。ブカブ北方の村の少女(3歳)。母親によると昨年9月、留守中に家が襲われた。娘が独りで床に座っていた。精子のにおいがしたのでお尻を触ってみると血だらけだった。性器は切り裂かれ、股関節が外れそうになっていた pic.twitter.com/mv3hcfBlzF

2015-11-19 23:28:48
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑧村ではその日3歳から18歳まで計20人がレイプの被害を受けた。母親は「毎日おびえて暮らしている。逃げたいが避難できる場所が見つからない」。病院担当者は「病院でケアを受けている200人のうち、25人は10歳未満の子どもだ」と話した pic.twitter.com/VgpcG6XuYF

2015-11-19 23:31:15
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑨パンジ病院の設立者は産婦人科医ドニ・ムクウェゲ(60)。毎年ノーベル平和賞の候補者に挙がる。「ここではレイプが地域社会を破壊するための『兵器』として使われている」と国際社会に訴え続けてきた pic.twitter.com/sMtft0y1Qg

2015-11-19 23:38:57
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑩兵士は敵民族の女性をレイプし、性器を破壊し子を産めなくする。エイズに感染させ社会にダメージを与える。レイプされた女性は汚れていると見なされ家庭に戻れなくなる。生まれた子どもは阻害され「影響は化学兵器のように何世代にも渡って続く」 pic.twitter.com/xdp6ziz2vf

2015-11-19 23:43:02
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑪牧師だった父の姿を見て医師に。内戦で自らの患者数十人が虐殺されると、草原にテントを張って女性たちを受け入れ続けた。12年、国連での演説直後に武装勢力に自宅を襲われ、ガードマンが射殺。以後、家族と病院に住み込みながら治療にあたる pic.twitter.com/bu1mNIpLkl

2015-11-19 23:46:49
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

「この国の内戦は民族対立ではない。資源をめぐる経済戦争だ」と彼は言う。「市民を殺し、レイプし続ける武装勢力を通じて日本もレアメタルなどを輸入している。繁栄の裏には人生を破壊されている無数の女性たちがいることに気づいてほしい」 pic.twitter.com/KXQzfX4ZKZ

2015-11-19 23:49:37
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑫私の個人的な感想。記者になって16年。様々な人を取材してきたが、これほど大きな人を他に知らない。内戦地で文字どおり命懸けで戦っている。人々に強く求められている。そういう人は本当に強い pic.twitter.com/4LIonJkALO

2015-11-19 23:54:54
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑬コンゴ民主では13年に政府と反政府勢力が和平協定が結んだ。が、混乱が収まらない。国連によると東部には昨年の段階で54の武装集団がおり、政府軍の兵士らも女性をレイプしている。「薪集めやトイレの使用ですら安全に行えない状況」pic.twitter.com/sfCIy3RJBs

2015-11-19 23:58:26
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑭レイプ被害については内戦状態で大多数が名乗り出ないことから特定は難しい。米公衆衛生研究家が11年に発表した報告では、06~07年の1年間に40万人以上がレイプされた。1日1100人以上。関係者は「実際の数は誰にもわからない」(終) pic.twitter.com/JoahuQRvz4

2015-11-20 00:02:09
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

(追加)現地では内戦を「プレイステーション戦争」と呼ぶ人たちがいる。ソニーを非難しているのではない。我々が使う精密機器に不可欠な希少金属をめぐって内戦が引き起こされていると訴えているのだ。コンゴ民主の悲劇と日本の繁栄は直結している pic.twitter.com/wFPRKluHqg

2015-11-20 16:38:56
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  • 本まとめの場所はコンゴ民主共和国です。
    コンゴ民主共和国とコンゴ共和国の地図は下記リンクがわかりやすいです。
    https://t.co/fbTS1eKpnd
リンク Wikipedia コンゴ民主共和国 コンゴ民主共和国(コンゴみんしゅきょうわこく)は、中部アフリカに位置する共和制国家。北西にコンゴ共和国、南西にアンゴラ、南にザンビア、東にタンザニア、ブルンジ、ルワンダ、北東にウガンダ、南スーダン、北に中央アフリカ共和国と国境を接し、西は大西洋に面する。首都はキンシャサである。 アフリカ大陸中央部のコンゴ川流域に広がり、アルジェリアに続いてアフリカ大陸で第2位の面積を擁し、世界全体でも第11位の面積を擁する広大な国家である。1997年に現在の国名に改められたが、それまでの国名のザイールとしてもよく知られる

  • 補足。「コンゴ」について。
リンク Wikipedia コンゴ コンゴ (Congo, Kongo) は、中部アフリカの地域。バントゥー語で「山」を意味する。 現在は3か国に分割されている。 コンゴ人が居住する。 1395年ごろから1914年まで、コンゴ王国が繁栄していた。 15世紀末のポルトガルを嚆矢にヨーロッパ列強が進出し、末期には分割植民地化された。

コンゴ (Congo, Kongo) は、中部アフリカの地域。バントゥー語で「山」を意味する。現在は以下の3ヶ国に分割されている。
 コンゴ共和国 (ROC) - 首都ブラザヴィル。
 コンゴ民主共和国 (DRC) - 旧ザイール、首都キンシャサ。
 カビンダ - アンゴラ領。       (Wikipediaより)


  • 作者のお薦めが設定できなくなったので、こちらに三浦記者によるアフリカ・中東取材の過去まとめをリンクしておきます。
まとめ 西アフリカ・ナイジェリアのイスラム過激派「ボコ・ハラム」について三浦英之記者の呟き (2015/7/5) https://twitter.com/miura_hideyuki/status/617696199794012160 「①西アフリカ・ナイジェリアの北東部で誘拐やテロを続けるイスラム過激派「ボコ・ハラム」。彼らは誘拐した子どもたちに爆弾をくくりつけ、バス停などの人混みに誘導した後、遠隔操作で爆発させているとみられている。ナイジェリア北部に入った」 5193 pv 12 4 users 3
まとめ 朝日新聞アフリカ特派員三浦記者による写真とレポート『子供にとって世界最悪の場所・中央アフリカの現実』 今、世界で最も危険な国の一つ中央アフリカ。子どもたちの過酷な現実を知るための必読レポートです。 23535 pv 495 47 users 87