ハルに学ぶ the の用法

人工知能でもしっかり使い分けている
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It happens sometimes @ElementaryGard

「「バス停はどこ?」を英語で言えるひとは」をトゥギャりました。 togetter.com/li/934856

2016-02-06 10:22:45
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そうそう映画『2001年宇宙の旅』で、乗員のひとりに船内コンピュータがテレビ電話を取り次ぐ場面。地球から遠く離れているのでリアルタイム通信ができず、地球の両親からの一方的な「はっぴばーすでーとぅーゆー!」の合唱が船内に響く。

2016-02-06 10:30:02
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取り次ぐ際にコンピュータ君は "Excuse me, Frank. We've got the transmission from your parents coming in."(フランク、ご両親から連絡が来てるよ)と語りかける。a transmission でないのに注目。

2016-02-06 10:31:38
It happens sometimes @ElementaryGard

a でも問題はないのですが、コンピュータのハル九千はあえて the を選んだ。なぜだかわかりますか。

2016-02-06 10:33:51
It happens sometimes @ElementaryGard

「ああまた来てるね」のニュアンスだからです。ご両親は息子フランクをとても誇りにしていて、この通信のなかでも「今度またテレビに出るんだ。自慢の息子について語ってくれって頼まれてね」「私の受け持ちクラスの子たちからもあなたによろしくって」と父母は語る。

2016-02-06 10:35:48
It happens sometimes @ElementaryGard

ハルはフランクのご両親と面識はたぶんないけれど、テレビ通信をとおしてふたりの姿かたち、それに息子をどんなに誇りにしているのかを過去の通信内容からわきまえている。それでフランクの両親からの通信が届けば、脳内ウィキで「あああの二人か」と検索されて、the が選ばれる。

2016-02-06 10:38:01
It happens sometimes @ElementaryGard

「いつもの通信が来てるよ」ぐらいのニュアンス。そして今回は特別版。誕生日おめでとうの合唱、そして画像にはケーキが置かれている。

2016-02-06 10:40:00
It happens sometimes @ElementaryGard

通信再生が終わると、ハルも Happy birthday, Frank と祝う。

2016-02-06 10:40:46
It happens sometimes @ElementaryGard

主語が I ではなく We であることからも、フランクとハルが一心同体の仲間である意識がにじみ出ています。この少し前の場面で、フランクがBBCのテレビ取材でハルについてやはり一心同体の仲だと語っていました。

2016-02-06 10:42:34
It happens sometimes @ElementaryGard

それが後に、ハルによるフランク殺害に至る…

2016-02-06 10:43:04
It happens sometimes @ElementaryGard

the がその伏線となっているのです。

2016-02-06 10:43:32