編集部イチオシ

手作りチョコが残念な味になる秘密。その鍵は「結晶」にあったっ

興味深かったのでまとめさせていただきました。
25
ゆい すずほ @yuisuzuho

手作りチョコは、定義上「溶かして固めるだけ」でも完成する。 しかし、小学校低学年の作る手作りチョコは、工事現場のコールタールかなにかを想起させるような味がする。というか、口の中で溶けないので味がしない。それは、油脂の結晶型やサイズが、元とは違うものになっちゃってるからなんだよね。

2016-02-11 23:18:55

※ちなみにこの「チョコレートを加熱して溶かし、再び固める」作業を指してテンパリングと呼びます(ざっくりとした付記)

ゆい すずほ @yuisuzuho

油脂は冷えると液体から固体へと相転位するけれど、うまく育てると無機塩と同様に、配列がきれいにととのった結晶になります。この結晶は同じ分子からできているものでも、分子の並び方によっていくつもの種類に分類されて、それぞれ微妙に性質が違っています(氷の結晶の種類が無数にあるのと一緒)

2016-02-11 23:22:59
ゆい すずほ @yuisuzuho

そして、結晶の種類(以下、結晶型)は製品の性質に直結する場合も多々あります。例えば「水に溶ける速度が早いか遅いか」という性質の場合、お薬では効果時間を制御する重要な要素なので、製薬会社さんはそれぞれの結晶型が溶ける速度をあらかじめ測定して、最適な各結晶型の配合を設計します。

2016-02-11 23:28:25
ゆい すずほ @yuisuzuho

油脂が絡むモノも例外ではなく、マヨネーズ屋さんも、マーガリン屋さんも、チョコ屋さんも、思い描いている「口当たりのなめらかさ(結晶サイズ)」と「口溶けのよさ(体温付近で溶ける融点)」を満たすことのできる理想の結晶型と粒度サイズ分布を求めて日々努力しているわけなのです。

2016-02-11 23:32:43
ゆい すずほ @yuisuzuho

それぞれの結晶型には「生成する条件」があります。単にゆっくり冷やせばいいというものではなく、高速で冷やして過飽和度を思いっきり上げたほうがいい場合や、混ぜ物をして共結晶にしたり、温度をスウィングさせたりと、氷砂糖と同様に各社に門外不出のノウハウが蓄積されています。

2016-02-11 23:35:44
ゆい すずほ @yuisuzuho

そんな、ショコラティエさん達が必死に努力してつくったチョコレートは、手に持つまでは取り回しがよくて、口に入れたらふわっと溶ける。そんな努力の結晶を、素人さんが溶かして無に還してから「えいやあっ!」と固化させたら、ああなってしまうのはむしろ道理なのです。

2016-02-11 23:39:52
ゆい すずほ @yuisuzuho

最後に、美味しい手作りチョコをつくるコツとは…… すずっち、チョコ屋ではありませんので正直よくわかりません。 ですが、市販のレシピの配合を変えたりスケールアップする場合(使う分量を変えるだけでも、条件は変わります)には、この点は脳裏に置いて損はないでしょう。それでは、よい週末を。

2016-02-11 23:53:45

手作りチョコの調理・参考リンク

お菓子の部屋/チョコレートのテンパリング
http://www.jcmo.zaq.ne.jp/la-cerise/temp_made.htm

チョコレートのテンパリング(温度調節)の方法(レシピ)
http://marron-dietrecipe.com/techniques/techniques_tempering.html

ためしてガッテン/幸せ!チョコレートの超ヘルシー&美味ワザ
http://nhk.jp/gatten/?P1404165