「現代思想」(特集人工知能)自分の論考を語る
#特集人工知能 三宅です。昨年(2015年)「現代思想」12月号(@seidosha さん)に人工知能について書かせて頂きました。かなり長い原稿ですので、ここで、短く概要をツイ―トして行きます。seidosha.co.jp/index.php?9784…
2016-02-14 00:16:44#特集人工知能 (第一章)人工知能と言っても、機能的な人工知能(推論、データマイニングなど)と、一個の全体知能としての人工知能があります。どちらがいいとか、わるいとかはなく、ただ、ゲームの場合は、後者の全体としての人工知能が求められる場合が多いです。
2016-02-14 00:19:00#特集人工知能 (第一章)機能的な知能の場合は、特殊なアルゴリズムや情報処理で話が閉じますが、一個の人工知能を作ろうとする場合には、知能全体を作る必要があります。
2016-02-14 00:19:49#特集人工知能 (第一章)では、知能全体とは何を意味するかと言うと、知能の意識的な部分だけでなく、無意識的な部分まで構築する必要がありますい。実は、この無意識な部分の知能こそは、世界と意識をつないでおり、さらに無意識的な部分は、身体と深くつながっています。
2016-02-14 00:21:26#特集人工知能 (第一章)つまり、我々が意識で見ているこの世界は、身体を通して得た情報から、無意識化で再構成された世界を見ているわけです。そうであるからこそ、我々が見ている世界は、我々の身体と生態に応じて、解釈された世界を見ているのです。
2016-02-14 00:22:30#特集人工知能 (第一章)つまり、我れが見ているこの世界は、我々が世界でうまく運動できるように見せられている世界であり、同時に主体的な運動を展開する世界でもあるのです。
2016-02-14 00:23:18#特集人工知能 (第一章)さて、このような世界と向き合う世界を測る指標となるのが、空間と時間のスケールです。どれぐらいの時間の長さ、空間の大きさを考えられるかは、知能の特性となります。高い知能であるほど、大きな空間、長い時間スケールの問題を考えれるようになります。
2016-02-14 00:25:22#特集人工知能 (第一章)フレーム問題というものがあります。これは特定の世界と捉えるフレームから少しでも外れると、人工知能はまるで機能しなくなるという問題です。このフレームに対しても、時間と空間のスケールが重要になります。
2016-02-14 00:26:11#特集人工知能 (第一章)高い知性であるほど、このフレームの時空スケールを自在に操ることができます。小さな空間から大きな宇宙まで、瞬間から十年単位、百年単位のことまで考えることができます。これは人間の高い知性の特徴の一つです。
2016-02-14 00:27:20#特集人工知能 (第一章)同様に、人工知能に対しても、このような自由なフレームを獲得することが好ましいわけですが、実際は難しい。特に機能型人工知能は定義された問題を解くという意味で、固定されたフレーム上を高速かつ休みなく解決し続けるマシーンとなっています。
2016-02-14 00:28:40#特集人工知能 (第一章)人工知能に対して、自然界で自然に産まれた知能を「自然知能」と言います。自然知能を目指して、人工知能の多くは使われます。ただ、ここで注意しなければならないことがあります。
2016-02-14 00:30:03#特集人工知能 (第一章)自然知能は環境の中で生まれて来ましたから、その存在自体が環境と一体となっています。つまり、知能になにもかもがなくていいわけです。身体のある特徴が、その環境のある特徴と結びつくことで(共生と呼びます)、生き延びていることはよくあるわけです。
2016-02-14 00:31:16#特集人工知能 (第一章)さて、このような自然知能が意識、無意識、身体を持つように、全体的な人工知能も、意識、無意識、身体を持つように作って行きます。その場合、意識的な部分は伝統的な機能的人工知能に、無意識の部分は生態学的人工知能に対応します。
2016-02-14 00:32:46#特集人工知能 (第一章)全体の知能を考える場合には環境と共に考えねばなりません。これが生態学的人工知能の発想です。
2016-02-14 00:33:05#特集人工知能 (第一章)人工知能には、その誕生(ダートマス会議、19956年)から二つの大きな流れがあります。一つは記号系によって知能を表現しようとする流れ、もう一つはニューラルネットワークのように数値的なダイナミクスで知能に迫ろうとする流れです。
2016-02-14 00:35:14#特集人工知能 (第一章)記号が環境世界を対応して記述できるか、という問題を記号接地問題(シンボル・グラウンディング問題)と言います。一方、ニューラルネットワークは脳を模した数値的な人工知能ですので、世界を力学系として捉えることになります。
2016-02-14 00:36:48#特集人工知能 (第二章)第一章では、知能を記述する大きな方針について話しました。第二章では、知能の構造について考えていきましょう。
2016-02-14 00:40:49#特集人工知能 (第二章)テセウスのパラドックス、というものがあります。テセウスさんは神経質な人なので、自分の船が痛むたびに、部品を変えて行くと、ある日、すべての部品を入れ替えていたのです。さて、この船はもともとあった船と同じ船でしょうか?
2016-02-14 00:42:28#特集人工知能 (第二章)これは、我々の身体でも同じです。身体の分子は全て1年も経たない内に、別の分子に入れ替わってしまいます。しかし、人は人のままです。そこでは一体何が保存されているのでしょうか?
2016-02-14 00:43:25#特集人工知能 (第二章)テセウスの船は物質的な側面から見ると全く違う船になっていますが、マストの数とか、窓の数とか、そういった形状はそのまま保存されています。つまり物質は違っても、情報は保存されています。
2016-02-14 00:44:32#特集人工知能 (第二章)知能も同様で、常にそこには物質的な側面と情報的な側面があります。知能は生理学的な物質的な側面と、情報的な側面、双方から探究して行く必要があるのです。
2016-02-14 00:45:47#特集人工知能 (第二章)また反射性から知能を考えてみましょう。物は押せば動くか、作用が帰って来ます。ニュートン力学に従って、作用・反作用が成り立ちます。ところが知能はどうでしょうか?
2016-02-14 00:47:55#特集人工知能 (第二章)単純な知能であるほど、反射性が主となります。温度の高いところから逃げるとか、物が来たら避けるとか、お腹が空いたら食べる、とか、そういう反射です。
2016-02-14 00:48:43#特集人工知能 (第二章)ところが、知能があるということは、一旦、外界からの刺激を蓄積することができます。そして、そこから深く考えて、結論を出します。これは、知能が単なる反射でなく、内側に意思決定を保留しながら、抽象化(つまり遅延)をし、情報処理をしている様子ではあるのです。
2016-02-14 00:50:37#特集人工知能 (第二章)そのように入っている情報に対して、階層的を組んで情報を処理するアーキテクチャのことを、サブサンプション・アーキテクチャと呼ばれます。これはロボットのアーキテクチャではほぼ標準となっています。
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