ゴールデン高赤ウィーク

堂島 @d__523

@00ctan00 珍しく夢を見た。普段夢を見ないわけではないが、大抵目が覚めれば忘れてしまうものが多く、記憶に残る夢は稀だ。今朝の夢は、忘れたくても忘れられなかった。夢の舞台は東京駅。僕は約束した待ち合わせ場所で、いつも約束時間の五分前に姿を現す待ち人を待っていた。

堂島 @d__523

@00ctan00 約束の時間の五分前が過ぎ、約束の時間が過ぎ、約束の時間から五分が経った。高尾が来ない。僕の心臓はもうどきどきとして、思わずあたりを見回す。そこに見知った顔はいない。鞄から手帳を取り出し、もう片手に携帯を持って、日付を確認する。今日は間違いなく、約束の日だ。

堂島 @d__523

@00ctan00 くしゃくしゃな心臓のまま立ち尽くして何時間待ったかもわからないところで、目覚ましのアラーム音が僕を助けてくれた。最悪の目覚め。身体が重い。起き上がる気力がない。ちらりと壁のカレンダーを横目で見る。やはり、今日は間違いなく、約束の日だ。＃ゴールデン高赤ウィーク

堂島 @d__523

@00ctan00 たかだか夢見が悪かった程度で、どうしてここまで心身にダメージを負っているんだ。やっとの思いで駅から新幹線に乗って、順調に東京駅に到着した。約束よりも早い時間。それなのに、足が、約束の場所へ向かわない。本当に、たかが夢だと言うのに、心底怖かった。

堂島 @d__523

@00ctan00 高尾とのやりとりを見直す。約束は今日でよかったはずだし、手帳にもそう記されている。時間も、合っている。約束の五分前。いつもなら高尾が姿を現している頃だ。今日はどうだろう。駅の待合室で、肩を落として手帳とにらめっこしながら、時間が経過するのを待つ。

堂島 @d__523

@00ctan00 僕は大概酷い男だ。高尾からの「なんかあった？」とかそういう類のメールを待ってる。夢と同じ気分を味わわせているのは、僕のほうだ。それでも、高尾のメールが来ないと動けなかった。立ち上がったら最後、京都行の新幹線に飛び乗ってしまいそうで。＃ゴールデン高赤ウィーク

堂島 @d__523

@00ctan00 携帯がメールの受信を知らせる。画面を確認して、そうして、安堵のため息をつく。途端に自信が出てくるんだから、変わり身の早さに驚く。待合室から出て、待ち合わせの場所に向かう。さて、これから考えなければならないことがいくつかある。まずは一つ目、遅刻の理由。

堂島 @d__523

@00ctan00 新幹線が遅れて、なんてすぐに露見する嘘はよろしくない。かといって妊婦を病院に送り届けて出産に立ち会ったなんて嘘はベタすぎるし、級友に会ったなんて話も面白くない。僕は作文や読書感想文をいつも先生に褒められていたけれど、自分でお話を創作するのは得意ではないようだ。

堂島 @d__523

@00ctan00 あとは、遅刻の所為で今日の予定が押しているから、予定を組みなおさなければならないのに、考えが纏まらないままもう待ち合わせの場所だ。気付けば小走りだったのが、高尾の姿をみとめた途端駆け出して一直線。払拭された不安が、僕の背中を後押しした。＃ゴールデン高赤ウィーク

堂島 @d__523

@00ctan00 ご清聴ありがとうございました！！　＃ゴールデン高赤ウィーク