ふぁぼ企画 小説化

ふぁぼってくれたひとを小説にしたときの書き出し
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ぴよらっと @piyorat

( @i_yo_u )欲しいものは素直に欲しいって言えばいいのに、どうして皆へたくそなポーズを取ってみせるのだろう。 素直さは美徳だ。 私は美しいものも好き。美しくないものも愛おしいと思うけど、素直じゃないなと思ってしまう。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 13:25:52
ぴよらっと @piyorat

( @37m0 ) 朝の支度をする度思う。 どこからどこまでが私だろう? 跳ねる髪先、少し荒れた指は紛れもなく私自身。 ルージュを引いた唇は? タイトに締め付けるスーツはどうだろう? そんな問いだけが浮かんでは消えつつ、今日も私は私を鎧い、家を出る。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 13:31:37
ぴよらっと @piyorat

( @nokonoko13 ) 「ブルガリアでは朝露を集めてヨーグルトを作るんだって」 「へえ。いいね、それ。出来過ぎてるっていうか、すごくいいと思うよ、うん」 月夜の下、僕らを冷やかすように温い風が擽っていく。 二人で歩くにはうってつけの夜だ。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 13:38:53
ぴよらっと @piyorat

( @GO_KU_A_KU ) 陽も傾いた昼下がりと云うには遅い時間 軒先で膝に座った猫をそっと撫ぜる彼女を 私はこのまま切り取って 冷たい結晶の裡に閉じ込めて仕舞いたいと思ったのだ #ふぁぼ書出

2016-06-30 14:05:21
ぴよらっと @piyorat

( @ayano_fox ) きょうはあさから くうきがとてもつめたくて みみはかちかち しっぽはぴりぴり しんとしずまりかえっていて ねどこからでるきになれなかったのだけど ひげがなんだかむずむずするから そとにでてみてびっくり! どこもかしこもまっしろだ! #ふぁぼ書出

2016-06-30 14:14:23
ぴよらっと @piyorat

( @tranq88 ) サボテンの鉢を買って、窓の側に置いている。 ガラス越しの太陽とジョウロの雨で保たれた、小さな独立した世界。 私とスケールの違う時間を生きる、物言わぬ同居人との生活を、私は結構気に入っている。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 15:08:23
ぴよらっと @piyorat

( @prabhasa ) 「好奇心は水を求めて際限なく伸び続ける根だ。払う必要のある枝とは違う。求められれば、それだけぶんの知識(みず)を与えなくては枯れてしまうぞ」 普段寡黙な僕の師が唯一饒舌になるのが、本についての話だった。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 15:17:00
ぴよらっと @piyorat

( @tnhs00 ) 「私の能力の証明、私の有用性を世に示すためだ」 生まれてきた意味を問うた時、父はおれにそう言った。 「だけれど駄目だ、お前には感情がない。知性とは名ばかりのただの計算機だ」 だからおれは、それは申し訳ないことをしたなあ、と思ったのだった。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 17:27:51
ぴよらっと @piyorat

( @szk913 ) 「いやだから隣の家にいるんだって、ありえないくらい身体が細くて、動作が洗練されてて、いい匂いがして…… なんだろう、花? 花という概念っつか、バラを背負ってる的な、ああいう感じのを煮詰めたようなヤバい美人が、最近いるんだよ!」 #ふぁぼ書出

2016-06-30 17:33:52
ぴよらっと @piyorat

( @_mikouri ) 「輝く星の数多あれ、残念なことに、地球から見えるやつにはたいてい名前がつけられてる」 先輩は望遠鏡の脚をひょいと跨いでそう言った。 「下らねー……と思うだろ。星には自分の名前があるのに、我が物顔で名付け親気取りなんてさ」 #ふぁぼ書出

2016-06-30 17:40:26
ぴよらっと @piyorat

( @chanmuren ) 別に不満があるわけじゃないんだけど。 でも、ステージに立つ時、ゲームに埋没する時、『私』を捨てて何かに成り代わる時、言いようのない高揚を覚えるんだよね。でもこれって、普通のことじゃない? #ふぁぼ書出

2016-06-30 18:27:49
ぴよらっと @piyorat

( @Artemis_WF ) まよなかは、ようせいたちのじかんです。 みながねむってしまったいえのなかで、 ようせいがめざめますよ。 さあ、みんなおきておきて! 「なんだよ……もうよる〜?」 さいしょにおきてきたのは、えんぴつのようせいです。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 18:36:13
ぴよらっと @piyorat

( @jupitel_vent ) 「状況の確認だ」 俺たちは音もなく頷く。誰かの腹が代わりに応えた。 「もう直ぐ二組の調理担当が、竃から飯盒を持ってくる。この度の任務目標はその中身だ。各々工夫を凝らして奴らを笑い死にさせ、米を手に入れること……かかれ!」 #ふぁぼ書出

2016-06-30 18:42:08
ぴよらっと @piyorat

( @syuironoitokuzu ) 玉石堂へようこそ! おや? お客さん迷い人だね。 ああそんなに怖がらなくていい。 ここには偶にそういう人が来ちまうのさ。 さあ、なんでも見ていってくれ。 メノウの文鎮、プラスチックの指輪。 好きなものを持ってっていいぜ。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 18:52:23
ぴよらっと @piyorat

( @sekisababa ) 家に帰って座る間も無く30分で夕飯の支度をするなんて、慌ただしくておかしくなるものかと思っていたけれど、不思議なもんだね。 その後二人で、のんびり話しながら過ごす時間があれば、全然平気なんだから。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 19:26:40
ぴよらっと @piyorat

( @sironagasu_KoEN ) ルールが決まっていれば上手くいく。 ルールがないのは良くない……枠のない無秩序は、砂嵐の写るテレビですらなく、乱反射する無数の分子の動きに意味を見出すことに等しい。 ルールを決めよう。 俺と、お前のデスゲームの。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 19:35:50
ぴよらっと @piyorat

( @ezo2323 ) よお。 覚えているか? そうだよなあ。忘れてるに決まってる。 俺みたいなクズのことなんざ、完全無欠の生徒会長様の頭に残ってるはずもねえ。 だが今日は覚えて帰ってもらう。 二度と消えない傷がつきゃ、忘れたくても忘れねェだろ? #ふぁぼ書出

2016-06-30 19:46:16
ぴよらっと @piyorat

( @nekoyagi1212 ) 子供が川で捕まえてきた小魚は、結局私が面倒をみることになった。 それでも慣れてくると可愛いもので、餌をぱらぱらと入れてやると、競い合って食べる。 一人どんくさい奴がいて、いつも食いっぱぐれているから、私はこの子を応援している。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 19:57:32
ぴよらっと @piyorat

( @cob_FGB ) クソったれのオービタルエレベーター崩落後、最も治安の良い都市シェルター・ケセドはいっぺんにひっくり返った。 その後らあれよあれよと言う間に、クソ野郎共の吹き溜まりだ。 ハロー・ファッキング・ワールド。 この素晴らしい掃き溜めへようこそ。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 20:02:11
ぴよらっと @piyorat

( @ignitororian ) 「金は力だ」 体躯をたっぷりソファに沈めながら、男はそう言った。 「だから俺はあんたと手を組んだ。シラノ。あんたには力がある……いや、あった」 そして、目の前で震える男を睨めつける。 「待ってくれ、あと二日、いや一日でいい!」 #ふぁぼ書出

2016-06-30 20:08:08
ぴよらっと @piyorat

( @momo_zumi ) 「最終適性試験を開始する。生き残った方が『完成品』だ。生き残るために全てを尽くせ」 声は要件を告げると一方的に切れた。 ふざけた話。でも奴らは知らない。 私達が兄妹だってことを。 「お兄様、無事で良かった。一緒に逃げよう……お兄様?」 #ふぁぼ書出

2016-06-30 20:16:53
ぴよらっと @piyorat

( @ele_cle ) 初めてってワケでもねェだろ? 所詮はVR。流れるのはただのエフェクト。 あ、でも刃は寝かせろよな。心臓一突きで殺ってやれよ。 はは! ようこそ! PKギルド《楽しく皆殺し》に! 歓迎してやんよ…… きゃっ! ちょ、その蛾、虫あっちやって! #ふぁぼ書出

2016-06-30 21:00:37
ぴよらっと @piyorat

( @SuperiorMoon ) 夕立の過ぎた夏の夜の、澄んだ空気と清涼感を、どうにか書き留めておきたいと思って、ペンを取った。 煌々と明るい月が手元を照らし、軒先の風鈴を温い風が撫でてゆく。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 21:08:59
ぴよらっと @piyorat

( @dots_zero ) 重く覆いかぶさるような曇天の下、タバコに火が点かない。 ライターが湿気っているのか、或いはタバコのほうか。六度試した辺りで、私はそれを諦める。 (ああ、何かにすり潰されてしまいそうだ) と考えて、慌ててそれを否定した。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 21:20:25