仕事をサボりたいので「触ろうとすると逃げるマウス」を作った
こんにちは、藤原麻里菜です。
仕事ってなぜあるのでしょうか。仕事というものは、できることならやりたくありません。できることなら、誰かに見返りを求められない30万円を毎月振り込んでもらいたいです。
そんな気持ちがたかぶった今、「仕事を放棄するマシーン」を作ろうと思いました。最新のテクノロジーを使えば、きっとマシーンの手によって人間たちの仕事を放棄することが可能になるはずです。
どうやったら仕事を放棄できるのか。しばらく考えてみた結果、ある答えにたどり着きました。それは、「マウスに触ろうとすると、マウスが逃げる」です。我ながら完璧な答えです。
「逃げるマウス」を作ろう
まずは、逃げるマウスの設計図を書きました。なにかしらのセンサーに反応して、マウスが動くという方向で考えております。まったくなんの設計にもなっていないのですが、これを参考にして実際に手を動かして作っていきましょう。
動く部分に関しては、タミヤのモーターキットを使って作っていきます。キットを組み立てて、そこにタイヤをつけます。
タイヤのホイールとモーターをUVレジンで固めて無理矢理接着しました。UVレジンというものは本当に便利で、素材によって向き不向きはあるものの、わりとどんなものでも固めてくっつけることができるのです。全国のコンビニで売ってくれないかな。
肝心な「何かしらのセンサーに反応して」の部分ですが、MESHというデバイスを使って作っていくことにしました。MESHの人感センサー(右側の青いもの)で手がマウスに触れるのを感知し、左側のGPIOのブロックにつなげたラジコンのモーターに電源が供給されてラジコンが走りだすという仕組みを作ります。
MESHは、SONYから発売されている電子工作を簡単にしてくれるデバイスで、プログラムなども必要なく、感覚的に工作をすることができるすごいやつです。「人が仕事をすることによって、このようなすばらしい商品が生まれるんだな」と、一瞬目が覚めましたが、やっぱり私は仕事をしたくないので制作を続けていきます。
マウスにラジコンをつけて、ラジコンのモーターとMESHを繋げました。
マウスの最も大切な部分を両面テープによって塞いでおります。これによってマウスの機能がまったく失われてしまいました。でも、このマシーンを使えば仕事を放棄できるので、マウスがマウスとして使えるかどうかは全く重要じゃないのです……。
「逃げるマウス」の完成
マウスに全てくっつけ、完成しました。これが「逃げるマウス」です。
どうでしょう、この雑な造形。ロジクールのデザイナーとエンジニアたちの悲鳴が聞こえます。ごめんなさい。
しかし、これを使えば忌々しい仕事を放棄して、だらだらとAmazonプライムで相棒を見漁ったり、YouTubeでアイドルの動画を見て時間を溶かしたり、あつ森で島の工事に時間を費やすことが可能になります。
「逃げるマウス」を使ってみよう
さっそくパソコンに向かいました。ノートパソコンなので、厳密に言うとマウスパッドはあります。マウスが逃げたところで、マウスパッドを使って仕事をすればいいじゃんと思う方も多いかと思いますが、これは感情の問題です。マウスに逃げられたら、「あーもう仕事できないな」と思うじゃないですか。そういうことです。私の言っていることわかりますか? わからないですよね。わたしもよく分かりません。
まくし立ててしまい、すみません。それでは、さっそく使ってみましょう。
マウスに触ろうとすると……。
モーターがギュルンギュルン鳴り、
マウスが仕事を拒否して走り出します。
この通り、触れようとするとそれを拒否して走り出します。
見事に仕事を拒否するマウスを作ることができました。しかし、なんでしょうか、この感情は。
触れようとしたものが逃げることって、やっぱり切なくて悲しい。
思えば、わたしは触れようとしたものに逃げられることが多い人生だったかもしれません。野良猫。人の家の猫。知人に促されてその人の子どもを抱っこしようとしたときも一目散に逃げられました。犬もなでようとすると逃げられます。最近は、実家の猫にも逃げられます。
切なさで胸がいっぱいになり、「今日は仕事をするのをやめよ……」という気持ちになりました。
わたしはただ触れたいだけなのに……。
逃げるというよりか、触れられたくなさすぎて暴れているというほうが近い動きをしています。まじで悲しいじゃん……。
おわりに
仕事を放棄するマシーンを作ったというより、過去のつらさを思い起こすマシーンを作ってしまいました。しかし、マウスが仕事を拒否してくれることで、わたしの仕事へのモチベーションは格段に下がり、楽しくあつ森をすることができました。わたしの島には闘技場があります。
ぜひみなさんも仕事を拒否するマウスを作って、切ない気持ちを体験しつつ仕事をサボりましょう。