【家庭科】大人になった今、もう一度「家庭科のナップザック」を作ってみる【ドラゴン】

みんな、大人になった今もう一度これを作ろう
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「家庭科のナップザック」

それは多くの人が小学時代に作った学用品。そして、一部の層(特に男子)には「ドラゴン」の文字が脳裏によぎる、禁断の古代遺物(アーティファクト)。

 

最近ではTogetterでもこんなまとめが話題になっていました。それほどまでに、多くの小学生が「家庭科のナップザック」のお世話になったのです。

 

俺は小学校が大好きだ!

あ、いや、決して怪しい意味ではなく。ただねぇ…僕は本当にねぇ…小学校が…大好きなんですよぉぉ。

「学校」という空間が好きです。学友と共通の時間を過ごし、恋に芽生え、なんとなくのスクールカーストも自覚し…。

そこには「善」も「悪」も存在してました。決して良い記憶ばかりではありません。それでも過ぎ去ってみれば、やはり「あぁ良かったな」と感慨深いわけです。

つまるところ、僕は小学生に戻りたいんです。しかし残念なことに、大人の僕では小学校に再入学することは不可能。

では、どうすればいいか? はい! そこで「家庭科のナップザック」なんですよね~~~!

 

 “家庭科”ならば他の教科と違い、授業で扱った材料もお店で簡単に買えます。

つまり「家庭科のナップザック」ならば、大人になった今でも、もう一度作ることが可能ってこと!

もう一度、小学生の気分を味わえるかもしれないってこと!

作ってみよ~~~!

➀デザインを考えます!

改めて筆者です。こんにちは

正直、ベストは「小学校向けに教材を販売しているメーカー」からナップザックの材料を取り寄せることでした。

が、どのメーカーでも学校関係者でもない個人に対しての販売はされていません(当然だ)。

まぁ、もし本当に教材メーカーから購入できたとしましょう。

しかし、僕が一枚を入手したせいで、どこかの一人の児童がナップザックを作れなくなる事態も生まれるかもしれません。それだけは断固避けたい。大人の都合で子どもが涙を流すなんてクソですからね。

 

そのため今回は

➀デザインを自作

➁オリジナルデザインを布に印刷してくれるサービスに依頼

➂布到着後、裁縫開始

といった手順を取ります。

まずはナップザックのデザインを制作

今回は「自分だけのナップザック」を作ります。せっかくだし「自分の顔写真」を使ったほうがオリジナル感があっていいのではないでしょうか。

完成

できました。

えぇ、そうです。「ドラゴン柄」を最大限にオマージュしています。

あの頃、ご多分に漏れず、僕もドラゴンを選択した「竜使い<ドラゴンテイマー>」でした。

思い返せば、僕たちに中二病の扉を開化させた“きっかけ”は「ドラゴン」だったかもしれません。そんなドラゴンに、感謝とリスペクトを込めたデザインに仕上げました。

(ちなみに、あのとき「シャチ(オーシャンマスター)」を選んだ男子は中学にあがってからもちゃんとモテてた)。

デザイン制作にあたり、メーカーのカタログから「ドラゴン柄」をとにかく閲覧、研究。

その結果、「ドラゴン柄」には以下の共通項があることに

・青い稲妻

・中世を彷彿させるフォント

・↑の下には白文字の英文

・ドラゴン

いかがでしょう?

あの頃、僕と同じギルドに所属していた皆様なら、これらの要素に共感してくれるハズです。

白文字の英文とはコノ部分

何を書いていいか分からなかったので、ドラゴンナップザックへの愛を綴りました。

ちなみに参考のために本物の「ドラゴンナップザック」の英文も翻訳にかけてみたんですが…

↑本物の「ドラゴンナップザック」に書かれてた英文

勝てねえ。

あの頃僕たちが使っていた「ドラゴン」には、こんなにもセンス溢れる英文が書かれてたのです。この文章、自分は逆立ちしても思いつきません。

ドラゴンお前…得意攻撃はブレスだったのか……。お前、種類によって吐く息が変わるのか……。

っく~~~~! これだからドラゴンは最高なんだよなぁ!

 

➁デザインを印刷します!

次はデザインを布地に印刷

この工程ではかなり難航しました。

突然ですが「家庭科のナップザックっぽい生地」はなんだと思いますか? 僕の見解では「キルティング生地」です。

キルティングとは、表地と裏地の2枚の布で中綿を挟み、それらがずれないようにマス目状にミシンがけされた生地のこと。

耐久力・保温力に優れているため、皆さんが小学時代に作ったナップザックも、このキルティング生地が採用されていたんじゃないでしょうか?(僕のドラゴンはそうでした)。

今回もそれに倣ってキルティング生地で作りたい。

……が、キルティング生地への印刷可能な会社が中々見つかりませんでした。

これは推測ですが。マス目状の凹凸ある布地に印刷を施すのはそこそこ大変。それを少数ロットで、ましてや個人単位での印刷となると受注側も難しいのでしょう。

しかし、素材に妥協をしたくないのも事実。やはり「家庭科のナップザックはキルティング生地」でこそ。

たかが布ですが、ここだけは手を抜きたくない…! だって、俺は小学校が大好きなんだから…!

そんな中、(おそらく)唯一、個人単位でもキルティング生地に印刷可能な会社を発見しました。

CONTRADO(コントラード)

こちらの会社、手芸や衣装制作好きな人の間では結構有名らしく、オリジナル画像を使って約100種類以上の生地やアパレル製品を作成することが可能だそう。

そして、本社が置かれているロンドンでならキルティング生地での印刷も可能とのこと。

つまり、僕が制作したデザインは、ロンドンでなら印刷できるってこと! 

ロンドンといえば、国の紋章に“ドラゴン”が描かれているのは有名な話。

これから「ドラゴン」を制作する自分の前に、“ドラゴン”の聖地とも呼べるロンドンが現れたのは、果たして偶然と言えるのでしょうか…。

迷うことなく、このコントラードさんに依頼することを決めました。

デザインの入稿完了!

 

そして約1週間後…

布、到着!

うわーーー!!!

遂に、ナップザックの素材となる布地を手に入れました。

一番こだわりたかった「キルティング加工」もバッチリ施されています!

正直、到着するまで「詐欺サイトだったらどうしよう(海外のサイトだし)」と不安だったのですが、そんな心配も杞憂に終わり、完璧なクオリティに仕上げてくださりました。

布の全体像はこんな感じ

なにより、この布が、ロンドンから海を渡って日本にやって来た…と考えると感慨深いものがあります。

ドラゴンは翔んだ!!!

俺のドラゴンは、その翼で、天空を舞ったのです。

追跡サービスで「輸出許可」と「出国」と「輸入許可」の文字、初めて見た。

このドラゴンが税関でチェックを受けたということでしょうか。ウケる。

ドラゴン……。俺だけのドラゴン…

俺だけの……

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