Twitterの噂「地方の人間は歩かない、東京人は歩く」のは本当?実態を探ってみた

東京の人間ですが、歩くのだいすき
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Togetterではたびたび「金沢では歩かない」「東京の人はよく歩く」というまとめが出現することがある。

どちらのまとめも「東京の人間は、徒歩15分くらいなら歩く」ということに金沢やその他の地域の人たちが驚いているという構図で、「市が用意したバスが利用されなかった」といった話まである。いずれにしても地域によって歩く時間に対する感覚の違いが伺えるまとめだ。

そんな東京人の距離感覚に振り回されてしまったのは本当だったのか。そこでTogetter編集部は金沢市・観光政策課に、観光客のバス利用について尋ねてみた。

バスが目的地に着くのか不安になった観光客

2015年3月に北陸新幹線が開業すると、当初の想定を上回る観光客が訪れ、金沢の街が賑わったのは多くの人が知るところ。その中で、バスを利用せずに歩いている人が実際にいたことや、地元のものとは違うバスの乗り方などに戸惑った観光客がいたことは確かなようだ。

「東京からの観光客から『どのバスに乗ると兼六園に行けるのかがわからない』という声がありました」

そこで金沢市や北陸鉄道では、兼六園などを周遊できる「城下まち周遊バス」の拡充や公共シェアサイクル「まちのり」を用意するなど、改善をはかったという。

北陸鉄道Webサイトより。市内をぐるりと周れる便利なバス
2022年3月現在、周遊バスは運行中

金沢市としては、バスの利用だけでなく「街中をぜひ歩いてみて欲しい」という。

「金沢の街はコンパクト。2kmくらいの範囲を散策すると金沢の良さがわかります」

実際のところ東京からの観光客が「バスに乗らなかった」理由は別のところにあったようだ。

観光客の心理として「せっかくの旅行だから、目的地まで徒歩15分程度なら歩こう」と思うのは不自然ではない。金沢駅からの街並みが良いという評判があるなら、なおさらだ。そんな観光客を見た地元の人が「東京から来た人はよく歩くなあ」という印象を持ったのかもしれない。

「東京の人はよく歩く」と思われてる?

まとめでは、地方の人は「東京の人はよく歩く」と思うことが多い、という話もあった。そこでTwitterでアンケートを取ってみたところ…

圧倒的多数。

Togetter編集部スタッフにも聞いてみた

地方出身の編集部スタッフにも同じアンケートをとってみると、やはり「東京の人はよく歩く」と一度は思ったそう。思えば以前「(JR山手線の)新橋駅から有楽町駅まで歩く」(およそ1.9Km、徒歩15分〜20分くらい)という話を地方の人にしたらひどく驚かれたことがあった…。東京育ちの筆者としては夢にも思わなかった視点だった。

要するに「はい」と答えた人しかいなかった

スタッフからは、故郷から来た親族が東京に抱いた印象についてのエピソードも教えてもらった。

「母は、実家のほうが明らかに寒いのに、東京に来ると『寒い』と言ってました。車で移動するので厚着の必要がないからですね」

「母は『東京だとめちゃくちゃ歩くよね』と言います。地下鉄に乗る時、駅構内で長い距離を歩くことになるのでそういう印象が強いようです」

なるほど〜…。東京は電車やバスの本数が多いこともあり、目的地に行く際は多少寒くても歩いていくのは想定内。地下鉄構内も、言われてみれば確かにたくさん歩く羽目にはなるが、そのことに関して何の疑問も持っていなかった。

ただし東京駅構内から京葉線乗り場までの距離はつらい。この道を越えて電車に乗ったらディズニーランドにたどり着くという希望がなければ歩けない。

そんな東京在住の編集部スタッフたちに、「観光地で徒歩何分までなら歩く?」と聞いてみたところ。

圧倒的83%。

やはり「徒歩15分くらいまでなら歩く」ということだった。

というわけで、東京在住者は「徒歩15分くらいなら歩く」習慣があると言えそう。みなさんはどうだろう?