北海道の農園内で野生のエゾユキウサギがブルーベリーを食べても「ありがたい」その理由とは

野生のエゾユキウサギとwin-winの関係性
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ブルーベリー農園

北海道・川上郡美瑛町にあるブルーベリーやハスカップを育てている農園「びえいハスカップファーム」のTwitterアカウント(@haskapfarm)が投稿した動画が話題だ。なんと、エゾユキウサギが農園のブルーベリーをむしゃむしゃと食べている。

ブルーベリーを食べられてしまっていて大丈夫なのか…と思いきや「うちの農園にとってはありがたいこと」なのだそう。このツイートにはTwitterユーザーから「お互いに助け合ってる感じがしてほっこりしました」「これこそが共存」「いいお話です」など、またたく間に3万以上のイイネがついた。

きっかけは「害獣対策」

可愛いエゾユキウサギと農園の関係性を、びえいハスカップファームさんに聞いてみた。

エゾユキウサギが農園に入ってくるようになったのはいつ頃でしょうか。

10年ほど前に、害獣フェンスや害獣ネットを張ってから現れるようになりました。

ウサギにとって、基本的な害獣と言われるキツネ、タヌキ、アライグマから身を守れる場所は、木がたくさんあって隠れやすい農園内なんだと思います。

ブルーベリー農園

うさぎに遭遇するのが最も多い時期はいつですか。

遭遇しやすいのは、雪解けから春にかけてです。ウサギが白い状態から茶色くなる変化がいつも見られます。春先は恋の季節なので数も多いですね。

最大で同時に、6匹ほど確認したときもあります。動物園かと思いました。

ブルーベリー農園
冬毛は白くなるエゾユキウサギ

ウサギは警戒心が強いので、近づくことは難しいとのこと。しかし何回も遭遇できるのは、ウサギにとって農園が憩いの場となっているからなのだろう。

ブルーベリー農園

自然の循環サイクル

実がなっていない季節には、樹木を食べるというエゾユキウサギ。これは、多少の剪定にもなるという。びえいハスカップファームさんはウサギを農園内で見かけると、元々ウサギが大好きなこともあり、幸せな気持ちになるという。win-winの関係というより、ウサギが存在するだけでもありがたいのだそうだ。

共存関係のうさぎに対して、どのような気持ちでいますか。

果実を食べるのは「掃除をしてくれてありがとう」。

下の方の細かい樹木を食べてるときは「剪定を手伝ってくれてありがとう」。

糞がたくさん転がっているのを見たときは「畑が肥えるからありがとう」。

と、全部単純にありがたかったですね。

ブルーベリー農園

農園内の異変を教えてくれる

また、害獣対策のネットが劣化するとごくまれに、穴が開いてしまうことがある。そんな時も、ウサギが教えてくれるという。

ネットの、開いた穴からキツネが侵入してくる時があります。そんな時、一時的に農園からウサギがいなくなるんです。

それでフェンスやネットを点検すると、穴が開いていて、キツネの糞が見つかります。

穴を塞ぐと、またウサギが姿を見せます。センサー的な役割をしてくれて、かなり助かっていますね。

ハスカップとブルーベリーを定植している畑は、全部で3ヘクタール位あり、基本的には2人で管理しているという。害獣ネットの管理もかなり大変なはずだが、ウサギの存在の大きさが感じ取れる。

農園で一番大変な作業はなんでしょうか。

ハスカップの収穫はパートさんがいるので、ある程度は大丈夫ですが、ブルーベリーはすべて2人のみで行っています…とにかく収穫は、大変な作業です。

ウサギには手伝ってもらってますが、猫の手も借りたいです。

ブルーベリー農園
ブルーベリーの収穫は、とても繊細な作業で時間もかかるが、その甲斐あって美味しく良質な商品になる

 

びえいハスカップファーム@haskapfarm)では、農園で生産されたハスカップとブルーベリーの加工・販売をしている。エゾユキウサギも夢中になるブルーベリーが気になった方は、びえいハスカップファームのオンラインショップをチェックしてみてはいかがだろうか。

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