「絶対に洗ったらダメ」道にいる子猫を保護したらどうすべき?注意点を聞いてみた
道で偶然保護するべき子猫を見つけたら、まず最初に「家に連れ帰ったらキレイにしてあげなきゃ」と洗おうとする人がいるかもしれない。だが、それは間違いだと主張する保護猫かふぇ かぎしっぽ(@kagishippo2015)さんのツイートが話題だ。
良いか皆の衆。
保護した子猫が多少汚れていても洗うなよ。絶対に洗うな。
— 保護猫かふぇ かぎしっぽ (@kagishippo2015) 2022年11月8日
専門家からも、洗えばいいと勘違いしないようにと、注意喚起のコメントが投稿されている。
たくさんのいいね、リツイートありがとうございます。
ここで少し補足しておきます。
子猫の体温調節は生後4週齢まではできず、この時期に洗うと特に気加熱による低体温のリスクが高いです。
それ以降も寄生虫駆除やワクチン接種が完了するまでは感染症予防の観点から洗わない方が良いとされています。 https://t.co/chv5hKtxW0
— 菖蒲谷友彬|株式会社ねこめぐり代表取締役|まるペットクリニック院長 (@vet_shobudani) 2022年11月15日
保護した子猫のために、まず先に優先することや気をつけるべきことはなんだろうか。保護猫かふぇ かぎしっぽ(@kagishippo2015)さんから、猫を保護する上で注意したほうがいいポイントを聞いた。
子猫が「健康な状態」になれるような行動を
保護すべき子猫を見つけたらまずはどうしたらいいですか?
母猫が子猫を連れている場合は、お引越し中の可能性があります。危険な場所でなければ、しばらくの間、離れたところから見守ってあげてください。
近くに親猫がいないのであれば保護してほしいですが、ケガをしないように十分注意して捕獲してほしいです。カラスが突然子猫に襲いかかることもありますので、絶対に目を離さないでください。
歩き回れるくらい成長した子猫は素手で捕獲できないことがあるので、無理をせず捕獲器を使う方がいいこともあります。その時、子猫が道路などに飛び出さないよう注意してください。
また、動物病院に連れて行けなかったり金銭的に難しかったり、子猫を助けることが難しい人はなにもしない方が猫のためになることもあります。
保護したら何に気をつけるべきでしょうか?
産まれて3週くらいまでの子猫は体温調節ができません。
すぐにダンボール箱などに移し、保温のためタオルなどで包んでください。湯たんぽやカイロがあれば積極的に使ってほしいです。そのまま動物病院へ直行し、夜間であれば翌朝一番で通院して必ず健康状態を診てもらってください。外見では分からないケガや疾患があるかもしれないので、ふれあいは最小限にしてください。
動物病院に野良の子猫の受診が可能かを電話で確認し、通院した際はおおよその月齢と健康状態の確認、検便や駆虫などをしてもらい、飼育の注意点を聞いてください。
引き取り先を探すのは通院後、子猫の状態が落ち着いてからにしましょう。また、脱水、低血糖に注意してください。
保護した子猫に人間用の牛乳を与えるのは危険ですので、子猫用のミルクをホームセンターなどで購入してください。夜間で手に入らないような緊急のときは、低乳糖か無乳糖の牛乳1:水2で薄めて少しお砂糖を溶かし入れ、人肌くらいに温めて与えてもいいです。
離乳していれば、コンビニで子猫用フードを買ってあげてください。トイレをさせる時は、排尿のサポートもしてあげると生存率が上がります。「子猫を保護したら」で検索すれば応急処置に必要な情報は見つかります。
子猫を保護したら、つい洗ってしまう人は多いのでしょうか。
SNSやアニメ、YouTubeなどの動画の影響もあるようで、保護したらすぐにお風呂で洗ってしまう人が多いです。
ですが、多少汚れていても絶対に洗わないでください。
生まれて1〜2週の子猫が、洗われた翌日に入院したり体調を崩して亡くなったりすることはよくあります。本来猫は自分で毛づくろいしてキレイにする習慣があるので、室内で飼育していればお風呂に入れる必要はありません。
どうしても汚れを落とす必要がある場合は、体温が落ちないよう保温しながら硬くしぼった濡れタオルでぬぐう程度にしてください。ノミやダニは洗っても完全に駆除できませんので、病院で駆虫してもらいましょう。
見た目をキレイにしてあげるよりも、まずは健康状態を保てるようにしてあげるのが子猫にとってベストだとわかった。道で子猫を見かけたら、慎重に行動するよう気をつけるのがいいだろう。
「保護猫かふぇ かぎしっぽ」では保護猫の譲渡も行っているようなので、気になる人はTwitterアカウントとあわせてぜひチェックしてみては。