編集部イチオシ

400年前の三世ものスピンオフ三国志小説! 江戸時代から日本各地で読まれ続けた三国志演義続編の日本語翻訳に関する話。

三国志演義の続編として、中国の明代に書かれて刊行された書物に「三国志後伝」というものがあります。日本に渡り、「通俗続三國志」・「通俗続後三国志」として翻訳され、現在でも古書やネットにおいて読むことができます。中国では三国志後伝は長い間、忘れ去られていましたが、「通俗続三國志」・「通俗続後三国志」は日本における江戸時代の三国志ブームの中で、何百年もの間、昭和に至るまで刊行されてきました。その変遷と流通を日本における三国志演義の受容とともに語るものです。こちらのまとめの姉妹編となります。https://togetter.com/li/1247279
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まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

三国志演義の続編(筆者は別)として、中国明代に刊行された「三国志後伝」の日本語翻訳である「通俗続三國志」・「通俗続後三国志」について、調べた内容を発表したいと思います。敬称は省略しています。#三国志後伝 #三国志演義 #通俗続三国志 #通俗続後三国志

2018-11-12 01:42:50
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

今回のまとめは、前回の三国志後伝に関する調査のまとめ(togetter.com/li/1247279)の続編にあたります。こちらの方からはじめてお読みになる方やななめ読みでお読みになった方も想定して、ある程度、要約しつつ説明しています。前回、詳細にお読みなった方は適時、読み飛ばされてください。

2018-11-12 01:43:08
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

また、まだ、前回のまとめをお読みになっていない方は、あわせてお読みになると、理解が深まります。また、今回の調査による内容の進展を感じ取っていただけたら、幸いです。

2018-11-12 01:43:43
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

なお、サムネ画像は「通俗続三国志」に挿絵をつけて明治時代に刊行した「繪本通俗續三國志全(絵本通俗続三国志全)」に掲載されていた人物紹介の一枚目にあたります。作画は明治時代に浮世絵や日本画で知られた水野年保です。近年に展覧会が開かれたほどの高名な画家の作画によるものです。 pic.twitter.com/osgoi3QYOP

2018-11-12 01:44:27
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リンク Wikipedia 水野年方 水野 年方(みずの としかた、慶応2年1月20日(1866年3月6日) - 明治41年(1908年)4月7日)は、 明治時代の浮世絵師、日本画家。 月岡芳年の門人。元の姓は野中、通称は粂次郎または粂三郎。 応斎、蕉雪と号す。神田東紺屋町に住む左官の棟梁・野中吉五郎の長男として生れる。生来絵を好み、父の仕事を継ぐべく仕事場に行って土捏ねをするさなかに、漆喰にコテを使って絵を描いていたという。それを見ていた出入りの旦那が、年方の父に向かって「こんなに(絵が)好きなら一つ習わせてみたらどうか。失礼ながら(年方は
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書籍・絵については、後で説明しますが、右下が「通俗続三国志」の主人公にあたる「漢主 劉淵(りゅうえん)」(劉備の孫)、右上が「諸葛宣于(しょかつせんう)」(諸葛孔明の孫)、左上「陳元達(ちんげんたつ)」(漢の大臣)、左下が「劉聡(りゅうそう)」(劉淵の子、漢の二代皇帝)です。 pic.twitter.com/LZjRbBpfvw

2018-11-12 01:45:50
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まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

なお、劉淵が劉備の後継者を名乗ったのは歴史上の事実ですが、この作品の人物における蜀漢関係人物との血縁はあくまで小説上の設定となります。この作品は、小説である三国志演義の設定を引き継いでいます。

2018-11-12 01:46:14

## 1 概略と目的

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このまとめの内容は、前回、行った三国志後伝の調査(togetter.com/li/1247279)を受けて「三国志後伝」を翻訳した「通俗続三国志」・「通俗続後三国志」という書籍の調査を、さらに詳細に行い、その結果を発表するものです。

2018-11-12 01:48:40
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

調査結果として、「三国志後伝」は、中国において近年まで知られていなかったにも関わらず、その世界最古の翻訳である「通俗続三国志」・「通俗続後三国志」は江戸時代を通して、断続的に発行されており、明治以降も様々な形で再発行されていたことが分かりました。

2018-11-12 01:49:07
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

あわせて、「通俗続三国志」・「通俗続後三国志」の継続的な発行を可能ならしめた、多くの日本人に愛され続ける三国志小説や漫画、動画の元となった「三国志演義」が江戸時代の日本において、いかに親しまれてきたか、その受容も語ります。

2018-11-12 01:49:35
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

また、「通俗続三国志」・「通俗続後三国志」の普及や地方への流通についても、データにより、ある程度までは推測できる手段があります。その手段についての紹介と調査結果についても発表するものです。 pic.twitter.com/A7ygMqrTHM

2018-11-12 01:50:59
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まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

さらに、前回のまとめにおいて、「書誌学」というものに初めて触れた私が、引き続き、「通俗続三国志」・「通俗続後三国志」を調査する過程で、様々な事実を知ることができた喜びや驚きを共感していただけるなら幸いです。

2018-11-12 01:51:34
リンク Wikipedia 書誌学 書誌学(しょしがく、ドイツ語: Bibliografie、英語:bibliography)とは、書籍を対象とし、その形態・材料・用途・内容・成立の変遷等の事柄を科学的・実証的に研究する学問のことである。狭義では、個別の書籍を正確に記述した書誌に関する学問を指す。日本では、一般的に江戸時代以前の古典籍について、その成立・装幀・伝来等を含めて、その書籍に関する諸々の事柄を研究・記述する場合に用いられることが多い。その歴史的な第一歩は、奈良時代の書目編纂に始まる。各大寺の経蔵の所蔵目録や、一切経の蔵経目録など、
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なお、論文や書籍、資料の読解や引用については、全て、私の責任です。ご了承ください。誤り等がありましたら、ご指摘いただけると助かります。なお、この順で語りますので、参考にされてください。 pic.twitter.com/GJJheX5uzm

2018-11-12 01:53:06
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まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

通俗続三国志・通俗続後三国志の説明を行うため、基本として参考とした主な論文は、徳田武「『新刻続編三国誌後伝』と『通俗続三国志』」(1987年)(以下、「徳田論文」)と、 ci.nii.ac.jp/naid/400033867…

2018-11-12 01:53:35
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

長友千代治「近世における通俗軍書の流行と馬場信武、馬場信意」(1976年)(以下、「長友論文」)です。間違いがありましたら、ご指摘お願いします。 ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300…

2018-11-12 01:53:59
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

他に、「通俗続三国志」に関して言及のありました、長尾直茂「「前期通俗物」小考 : 『通俗三国志』『通俗漢楚軍談』をめぐって」(1991年)(以下、「長尾論文」)も、第4章・第5章の説明の参考としております。 ci.nii.ac.jp/els/contents11…

2018-11-12 01:54:44
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

また、別途資料として、国文学研究資料館の画像ダウンロード頁を利用しています。

2018-11-12 01:55:23
まめ@史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

今回のまとめにつきましては、「三国志演義」や「三国志後伝」の日本語訳において、逐語訳ではないという視点から、翻案という言葉を使っていましたが、翻訳という言葉が適切であるという指摘をいただきましたので、翻訳という言葉を使っています。

2018-11-12 01:56:59
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