Marchenの覚書ー君が今笑ってる眩いその自体ってなんだろう

ねこあんず @celena_neko

さて，昨日Marchenの話が出てたからちょっとパワポの練習がてら作ったものでお話していこうか…

ねこあんず @celena_neko

まず，こういう構造の物語ってむずかしいなってのがあって，この構造の場合どこに嘘があるかって言われたときに本当にめんどくさい．青が嘘ついたのを黄色が否定してて，読者には黄色しか目に入らないとかね pic.twitter.com/EXO69rd7yh

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ねこあんず @celena_neko

メルヒェンの構造はこれの繰り返しで，元々の土地の史実や伝承を集めた集合体，それがイドイドのメルメルとエリーゼでそれが本編のプロトタイプで．Marchen本編は改変や取捨選択がある程度落ち着いたところ（史実グリム童話の7版） pic.twitter.com/DD3GbF3oJC

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ねこあんず @celena_neko

Marchen本編でやたらちぐはぐだったり，不思議な出来事だったり，史実を匂わせたり，他の地平線を匂わせたりしつつ，矛盾だらけなのは何回も作者が改変加えてるっていうのがあると思うんですよ→

ねこあんず @celena_neko

→策者は誰なのかっていうと，策者はもちろんベトやイドルフリートとかっていう具体的な名前を挙げることもできるのだけど，一番の策者は「（彼らを中心とした）その時々の時代を生きた人々が望むストーリーｎ」かなって思っていて→

ねこあんず @celena_neko

→史実グリム童話もそうだったように，実際その当時の情勢（政治情勢やキリ教的倫理観）にそぐうように話を改変したり削除したり，後は悪役に設定付け加えてより悪役にしたりとかされてるんじゃなかろうか．重ねてきたレイヤーが垣間見える部分っていうのはあって，野薔薇姫なんかが特にそう→

ねこあんず @celena_neko

→野薔薇姫の元ネタはまずフランスの童話の眠り姫．グリム童話の草案を調査するにあたり，そこそこ教養のある層にも調査したため．加えて，眠り姫のモデルの話はというとギリシャ神話の「式に呼ばれなかった黄金のリンゴを投げ入れたエリス」という説があって，だからあの曲は他地平の気配がある→

ねこあんず @celena_neko

→でも書き換わったり物語を足させたりしても本来の結末は隠せるだけで変わらないんですよ．じゃあ「君が今笑っている眩いその時代」って何なんだろうって考えたときに「本来の話をハッピーエンドの童話として書き換えられたときに，民衆に受け入れてもらえる時代」なんじゃないかなあって→

ねこあんず @celena_neko

→エリーザベトで考えるとNeinベトが「そんな時代がいつか訪れるのでしょうか」といってたのがまんま．中世の貴族としては掟破りの彼女が「愛を貫いた末死んで，最期に初恋の相手に思いを遂げる」という物語として許される，そんな時代が来たとき彼らはハッピーエンドにたどり着ける→

ねこあんず @celena_neko

→ストコンもそういえば千秋楽はメルベトハッピーエンドだし，青髭も変わるし，光と闇の童話も変わるんだよね…．つまり，一番最後のストコンは，彼らの生きてきた歴史がハッピーエンドの物語として受け入れてもらえる時代だったってことなんだよね……枠構造って深いなってお話

ねこあんず @celena_neko

>>補足 ハッピーエンドが望まれる時代ってサンホラじゃないけど赤ずきんがわかりやすいかな。当時未婚の女性がつけてたのが赤ずきんで、そんなのがフラフラしてると狼(悪い男)に食べられるぞって話なため、助けすらこないのが原本に近いけど、今の時代は赤ずきんが可哀想と思うから救いがある

ねこあんず @celena_neko

私がNeinベトを正史と捉える理由もグリム童話の題材集めと改変の歴史にある。グリム兄弟はある程度教養のある人まで聞いていたので、元貴族出身修道女ベトの話や遺物が影響与えたって可能性。元々磔刑の元ネタ憂悶聖女は修道女だし主人公。 。twitter.com/celena_neko/st…

ねこあんず @celena_neko

グリム童話の背景は戦争で傷つきバラバラになったドイツ地方をまとめる為に作られたもので、バッドエンドや悲惨な描写もある闇の時代であったけど、それが現在に輝くハッピーエンドとして受け入れられ夢のヒロインような受け入れ方をされるに至るってまさに『光と闇の童話』