低評価レビュー映画は本当につまらない? 『テラフォーマーズ』はクセが強すぎて楽しい映画だった

週末に観よう!楽しいよ!
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「さて、サブスクで映画でも観ようかな」

そう思った時、皆さんは何を基準に映画を選んでいるだろうか?

特に映画サイトなどにある「レビュー点数」は、基準にしている人が多いはず。私も「高評価」だから観ることは多いし、逆に「低評価」だと敬遠しがちだ。

とはいえ「本当に面白くない」かどうかは観なきゃわからない。世間の評価が低いからといって、自分の好みじゃないとは限らない。そもそも2つの因果関係はないはずだ。

そこで、世間で言われている「低評価の映画」を実際に観てみることにした。

低評価レビュー映画を探すと105作品がヒット

ためしに映画レビューサイト大手の「Filmarks」で低評価レビュー映画を検索したところ、105タイトルがヒット。中には「えっ、この映画が低評価!?」と驚くメジャー作品もあった。

※こだわり検索機能で、Mark!(観た作品)とClip!(お気に入り)が500件以上の作品のうち、スコア2.5点以下の条件で検索。2023年7月時点。

アプリ版Filimarksより

今回はその中から『テラフォーマーズ』を観ることにした。

原作は漫画で、豪華キャストが出演する2016年公開のアクション大作。私も原作ファンで、実のところ公開当時は劇場で観たいと思っていた。

しかしFilmarksでのスコアは2.3点と低評価。レビューを読んでみると、

  • 敵が気持ち悪い。
  • 実写にするとキモさ倍増。
  • 直視するに耐えない。
  • 役者の無駄づかい。
  • 金返せ。

など、いろいろと言われている。Togetterでも感想がまとめられたが、

  • 何してんだテメェ-、失笑コメディかよ!
  • 『不愉快さ』では『デビルマンを超えた』
  • 映画の予告編のほうが完成度高かった
  • わかる人にはわかるこの面白さ!!

などと、賛否が入り乱れていた。

ただ、レビューの中にある「敵(後述)の気持ち悪さ」は原作も含めた作品のポイントでもある。たいして映画に詳しくない記者だが、原作は好きなので案外楽しめるのでは…?という期待を胸に、映画を鑑賞した。

はたして面白かったのか? 感想を1000字ほどでまとめたのでぜひ読んでほしい。

Filmarksから引用。5点満点でスコアが2.3点。厳しい評価だ

映画『テラフォーマーズ』の魅力を約1000文字で書いた

知らない人に乱暴に説明すると、『テラフォーマーズ』はこんな漫画だ。

  • 火星で繁殖したゴキブリを主人公たちが駆除しに行く。
  • ゴキブリが人型に進化してた。
  • 人も昆虫などの能力を取り込み戦う。
  • 人がほとんど死ぬ。

文字にすると荒唐無稽だが、熱いバトルと予測不能な展開ですべて押し切ってしまうパワフルさが魅力なのだ。

Amazonより

原作ファンにはおすすめできる娯楽映画

いきなり結論を言うと、私は映画を楽しんで観ることができた。良かったポイントは以下の通りだ。

  • 演出がコミカルで楽しい。
  • キャラクターのクセが強い。
  • 人型ゴキブリがキモくて強そう。
  • 人間も昆虫になるとキモい。

原作の荒唐無稽さをしっかり描いた分、ちょっとコミカルさが強い内容だけど、熱いバトルや仲間との絆も描かれている。

ストーリーは映画の上映時間に収めるため飛ばしがちだが、どのキャラも短いながら見せ場があり、大筋ではズレていないと思う。

原作でおなじみだった昆虫の解説シーンもちゃんとある。池田秀一のナレーションは本作の癒やしだ。

つまり原作ファンには楽しめる映画なのだ。

 

原作屈指のかませ犬、ゴッド・リーさん

たとえば『テラフォーマーズ』には、ゴッド・リーというキャラクターがいる。

主人公たちとは完全にビジュアルが違い、明らかに只者ではない雰囲気。実写版ではケイン・コスギが演じ、多くの人が「アクションが楽しみ」と思うだろう。

そんな彼だが、原作だとゴキブリにあっさりとやられてしまう。いわゆる「かませ犬」で知られるキャラクターなのだ。

映画でも、ゴッド・リーさんのかませっぷりは炸裂。むしろパワーアップしていた。

特に彼がゴキブリと戦おうとするシーンでは、周りのキャラがノリノリで

「不死身の男、ゴッド・リー」

「あの人は地獄を知っている」

「ゴキブリなんかわけねえよ」

「まあ、見てなよ」

「楽勝だ」

と、みこしを担ぎ始めるのだ。

原作もここまで盛大にフラグを立てていない。さらには原作にないツッコミも入っていた。

ゴッド・リーの描かれ方を知ることで、この映画の楽しみ方がわかってくるのだ。

ダメな人は徹底的にダメではある

とはいえ、低評価レビューでも特に多かった「気持ち悪い」は同意。

基本的に昆虫vsゴキブリの話なので、昆虫が苦手だとその時点でおすすめしづらい。また、キャラクターの惨殺シーンもたくさん描かれる。

漫画ではさほど気にならなくても、映画だとグロテスクさが増しているのでダメな人は徹底的にダメだろう。


個人的に映画『テラフォーマーズ』は見どころが多く、低評価だとは思えない満足感があった。

皆さんも興味があったら実際に観て、ぜひ感想を教えてほしい。

※本文のみ1022文字

記者の採点(4.0/5.0満点)