THE STRIKER 「ストライカー 〜最後のソルジャー〜」
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ARRRRGH！」鬼の形相で抗う！滝の水飛沫が彼を容赦なく責める！あの日の悪夢が！潜水艦内に流れ込む水流の悪夢が！「ARRRRRRRRGH！」だが……最後のストライカーは勝利した！重量上げ選手じみたポーズで踏み止まる！そして発電装置の羽根が徐々に速度を緩め……止まったのだ！72
2015-04-01 04:55:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「今ならば！」ナタリーは核制御コンピュータの配電盤を露出させた。赤いケーブルと、青いケーブル。どちらを切断すればいいのだ？間違えば、核はアメリカに……！「ヘンドリクス……」ナタリーはヘンドリクスを見た。歯を食いしばり、巨大水車と格闘する筋肉の神アトラスの姿を。「力を頂戴」73
2015-04-01 04:57:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ナタリーは祈るように……赤のケーブルを、切断した。ドシュウウウ……。ナタリーは目を見張る。カウントダウンが停止した。止まった。勝ったのだ……！脅威は取り除かれたのである！すべてが終わったのだ！果たしてそうだろうか？ 74
2015-04-01 04:59:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
……「ハアーッ！ハアーッ！ハッハハハ！ハハハ！」笑いながら廊下をよろめき走るのは、何という事だ、メレンキャンプである！彼はストライカー技術を応用した縄抜けによって拘束を脱し、今、専用脱出へリポートに辿り着いていた。待機ヘリに乗り込み、急上昇をかける！「第二ラウンドだ、諸君！」75
2015-04-01 05:00:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「いいや、TKOだ」ヘリコプターから身を乗り出したメレンキャンプと、滝壺付近から遥か上の空を見上げるヘンドリクスの視線がぶつかり合った。メレンキャンプの目が大きく見開かれた。片膝をついたヘンドリクスが肩の上に構えているのは……。「ロケットランチャー！？」KABOOOOM！76
2015-04-01 05:02:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ア……こんな事があってはならない……そんな筋肉があってはならな……」KRA-TOOOOOM！メレンキャンプは光に呑まれた。ヘリコプターは黒煙と炎を撒き散らしながら爆発した。滝壺にパラパラとパーツの雨が降り注いだ。「ストライカーは、また一人になった」ヘンドリクスは呟いた。 77
2015-04-01 05:06:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
崖の上に築かれたトーチカ上のヘリポートから、２人は眼下のヘルゴニア広野を見渡していた。基地周辺にはヘルゴニア共和国軍の装甲車がアリのように群がっている。いかな彼らとてこの包囲網は破れない。もはや脱出用ヘリも存在しない。撃墜したからだ。「壮観ね」ナタリーが吹っ切れた顔で言う。 79
2015-04-01 05:14:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
メレンキャンプは地獄に堕ちた。だが未だ支配を続けんとする悪党たちがいる。「自由は戻らないの？」ナタリーが言う。「あれを見ろ」ヘンドリクスが地平を指差す。バラバラバラ……！そこにはアメリカ軍ヘリに先導される国連軍ヘリ編隊！「「「ヘルゴナートカ！」」」共和国軍は逃亡！解放の時だ！80
2015-04-01 05:20:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
バラバラバラバラ……赤青白で塗装された一機の軍用ヘリが勝利を湛えるように旋回し、ヘリポートへ着陸する。そこから降り立つのは、満面の笑みを浮かべる大佐。「よくやったな、ヘンドリクス！さすがは私の見込んだ男だ！」「大佐、やはりあんたの差し金だったか」最後のストライカーが笑った。 81
2015-04-01 05:23:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「君は合衆国を、いや、世界を救った！」大佐は歩み寄り、握手のために手を伸ばす。「光栄です」ヘンドリクスも手を差し伸べ……次の瞬間、ボディブローの一撃を大佐の脇腹に叩き込んだ！「ウッー！」大佐は目を剥き、膝を付いてくずおれる！「エッ！？」ナタリーが口を手で押さえ、息を呑んだ！ 82
2015-04-01 05:27:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
非常事態だ！筋肉の塊のような狂人が大佐に暴力を！「何だ！？」「大佐が危ない！」ヘリに控えていたアメリカ兵がマシンガンを構える！「待て……いいんだ、大丈夫だ……！」大佐は顔を苦しげに、しかしどこか心地良さそうにしかめ、立ち上がった。彼の鍛え上げられた腹筋も、決してヤワではない。83
2015-04-01 05:32:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「俺を騙し討ちにしただろう、大佐。だからおあいこだ。あんたは相変わらずのクソ野郎だ」ヘンドリクスは笑い、大佐と改めて握手をした。大佐も笑い、英雄の弾力性にあふれた上腕二頭筋を叩いた。「どうだヘンドリクス。スタントマンなんてやめて、軍に戻らんか？」「ごめん被りますな」 84
2015-04-01 05:37:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「本当に？彼女と同じ部隊に配属してやってもいいんだぞ？どうやら君らはいいコンビじゃないか」大佐が言った。「その必要はありません、大佐」とナタリー。「何故？」大佐が眉根を吊り上げる。 85
2015-04-01 05:42:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「退役しますので」そしてナタリーは、不意にヘンドリクスと抱き合い、熱烈なキスを交わした。この突然のサプライズに国連軍ヘリ編隊は着陸機会を逸し、上空をグルグルと旋回し続けた。ヘルゴニアの荒野に自由の風が吹き、粉っぽい砂煙を巻き上げて、二人の勝利を祝った。 86
2015-04-01 05:46:49