ガソリンスタンドを"ガソスタ"と略すことについて

ガソリンスタンドを"ガソスタ"と略すことについての所感と代案
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0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

大家さんことソリスタの父は「部屋に戻ってなさい」とソリスタに言いましたがソリスタは構わず1階の玄関に降りてきました。滝のような、それも日本のではなく海外のダイナミックな滝のような汗を流しながら硬直しているガソスタを間近で見て、なんだか憐れだなとソリスタは思いました。

2015-05-30 00:13:47
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

ガソスタにはソリスタが口を開き言葉を発するまでの一瞬がスローモーションのように見えていました。"自業自得"という四字熟語を小学校で習った時、"業"という字が正しく書けず、先生から漢字練習帳に何度も書かされたことを何故か思い出していました。

2015-05-30 00:32:59
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

「父さん、彼は僕の同級生なんだ、学校はもう辞めちゃったけど。滞納分の家賃の支払い、もう少し待ってあげてよ。」ソリスタの口から発された言葉は意外なものでした。ソリスタの父は「そうか…でもきっちり全額払ってもらうぞ」と言い、1年以内に滞納分を返済することを条件にガソスタを帰しました。

2015-05-30 00:43:06
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

ガソスタが礼を述べ、逃げるように帰っていった後、ソリスタがベランダから外を見ると。例のバッシュが玄関先に揃えて置いてありました。ガソスタは裸足で自宅まで帰ったようです。ソリスタは他人を許すということは自分の方が立場が上であることを実感できる行為なのだとその時気づきました。

2015-05-30 00:48:55
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

ガソスタは生活費と滞納分の家賃の支払いと母の入院費用をまかなうには見習い左官職人の給料だけではやっていけないため、夜間にキャバクラのボーイのバイトをはじめました。彼の年齢では他に時給のいいバイトもなく、年齢をごまかして夜の世界に飛び込むしかなかったのです。

2015-05-30 00:56:00
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

そのキャバクラでガソスタは年上のあるキャバ嬢に大変可愛がられます。当時26歳だった彼女はとても面倒見が良く、他の若手キャバ嬢からも慕われていました。彼女に滞納分の家賃を一括で返済してもらってから間もなく、2人は深い仲になりました。彼女の妊娠を機に結婚し、3人の子供をもうけました。

2015-05-30 01:07:26
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

一方のソリスタはその後大学に進学。大学院も含め8年間に渡り天文学を学びますが、卒業後は仕方なく父親の会社に就職。しかしそもそも会社で働かなくても一族の所有する不動産の家賃収入だけで暮らしていけると薄々勘づいていた彼は父が病に倒れ、社長の座を退いた後はあっさりと会社を売却します。

2015-05-30 01:26:50
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

ソリスタがお見合いで知り合った女性は喫茶店を経営するのが夢だと話していました。彼女との結婚が決まるとすぐに彼は手持ちの不動産の中から適当な物件を選び、そこに2人で喫茶店を開きました。その店に利益は求めていませんでしたが、高校が近いこともあり、不良のたまり場として大変繁盛しています

2015-05-30 01:37:23
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

ソリスタの店には時々、ガソスタに瓜二つの女子校生がやって来ます。目のやり場が微塵もないほど短いスカートを履いたその娘は一緒に来た友人によくパチンコ狂いで酒癖の悪い父親の話をします。こんな奴にコーヒーの味なんて分かるわけないと思いながらも、ソリスタは一杯ずつ丁寧にドリップします。

2015-05-30 01:51:18
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

とまぁガソリンスタンドをガソスタと略すのに違和感を感じるというところから発生した30分程度の妄想を空いた時間で書き起こし始めたところ、丸3日かかりました。結論から言うと「ガソスタもたいがいやけどソリスタはただのボンボン」ということでした。

2015-05-30 02:00:40
0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠 @gomutaro

序盤で一瞬出たガソスタの兄は死んだことにしておいてください。

2015-05-30 02:06:26