でぃけべの夢 後編

でぃけべ @dk_hasebe

(審神者の怒声が聞こえてくると、びくっと震えた

でぃけべ @dk_hasebe

(政府の役人が、本体を抱えて走ってきた

でぃけべ @dk_hasebe

『へし切長谷部様、お待たせしました』

でぃけべ @dk_hasebe

…………俺、の本体……

でぃけべ @dk_hasebe

『----様、お先に本丸へ。対象はかなり抵抗しています。』 ｢分かりました。後はよろしくお願いしますね｣

でぃけべ @dk_hasebe

｢じゃあ行こうか｣

でぃけべ @dk_hasebe

(男は呆然としているへし切長谷部の手をとって歩き出した

でぃけべ @dk_hasebe

(手をとられたへし切長谷部も大人しく歩き出す

でぃけべ @dk_hasebe

その後、どこをどう歩いて本丸にたどり着いたのか覚えてない。あいつがどうなったかも知らない。

でぃけべ @dk_hasebe

気が付いたら広い部屋で寝ていた。

でぃけべ @dk_hasebe

やる事も無いので、起きて寝ていた布団を畳んでいるとあの男が襖を開けた。

でぃけべ @dk_hasebe

｢あぁ、ちょうど起きたんだね。おはよう｣

でぃけべ @dk_hasebe

…………本体か。何故俺をここに連れてきた。お前は……何者なんだ？

でぃけべ @dk_hasebe

｢僕は心の医者兼審神者。君のような刀剣男士を多く見てきたんだ。｣

でぃけべ @dk_hasebe

｢君のいた所の審神者は美人で礼儀正しいって有名だったんだけどね。いやはや、美人は怖いねぇ……｣

でぃけべ @dk_hasebe

そんな事は聞いてない。なぜ俺の事を知っていた？

でぃけべ @dk_hasebe

｢君の心から出る波長がここまで届いたから｣

でぃけべ @dk_hasebe

｢怯えて、必死に助けを求めて……そんな心を感じ取って医者として放っておく訳には行かないよ｣

でぃけべ @dk_hasebe

｢僕は人と比べて霊力が並外れて高いようだね。だから審神者も任されている｣

でぃけべ @dk_hasebe

｢その霊力のおかげで、君の心が感じ取れたんだよ｣

でぃけべ @dk_hasebe

｢もう君に手は出させない。今まで1人で大変だったね。良く頑張ってくれた。ありがとう｣

でぃけべ @dk_hasebe

(そっとへし切長谷部を抱きしめた

でぃけべ @dk_hasebe

(へし切長谷部は、あふれる涙を止めようともせず黙って抱きしめられていた

でぃけべ @dk_hasebe

｢君の心の中には小さな子供がいる。この先その子が悲しんだり、苦しんだりするだろう。その子は君自身だ。どうか否定せずに寄り添ってあげて欲しい｣

でぃけべ @dk_hasebe

｢辛いことかもしれないが、君が彼女に何をされたのかを知らなければならない。落ち着いたら、話してくれるかな｣