「 平成15年第29回原子力安全委員会臨時会議録」、「同年第10回原子力安全委員会定例会議録」を読みました。福島第一原発で残留熱除去系の蒸気凝縮系機能削除が行われていました。
発災直後から佐賀大学元学長の上原春男先生と「蒸気凝縮系機能」があるのにどうして炉心溶解に至るまでの深刻な事故になるのか理解できないと首を傾げていました。
4月3日に政府と呼応して東電本社を訪れた時のことが思い出されます。
既に失われている可能性のある冷却システムに代わり、外付けの復水器をつけ一刻も早く安定的な炉心燃料の冷却を提案していた時のことです。
菅総理が3月20日に「放射能の値が高く、どこにつけていいかわからなければ決断できない。」と決断を留保したことが結果的に大量の放射能汚染水の海への放出につながり、さらなる放射能拡散と大量被ばくの危険、さらに言えばさらなる深刻な炉心溶解のリスクを増やしたと私は考えてきました。
核燃料が一部溶解して高い放射能と放射性物質が出ていることは、その当時でも「類推」されていましたし、仮に高い放射能の基でも日本の科学技術と世界の力を結集すれば、復水器をつける配管を見つけ出し早期に接続することは可能だと私たちは主張していました。
確かに原子力発電所の中はテロ対策などの点からも高度の機密が必要です。しかし、事態は、日本そのものの命運さえもがかかる事態。しかも政府の要請で来ている上原先生に設計図も見せずにデータも出さずに物事が進むはずがありません。
「もっと他に隠していることがある。」との疑念が拭えませんでした。
対応してくれた東電の技術幹部は誠実な姿勢でした。しかし、時々みせる表情がとても悲しげで泣いたように見えたのは、私だけではありませんでした。
一部の炉心溶解だけではなく、大きなメルトダウンの事実を隠していただけで、このような表情になったとは、思い難いと考えています。
上原先生が、「設計した時に付けたはずです。あれはどこへいきましたか?」と何回も尋ねられてきた「安全の砦」の一部が、何故、外されなければならなかったのか?平成15年当時に何が起きていたのか?たくさんの関係者に聞きましたが未だに答えがつかめません。
「当時、浜岡原発で事故があり、それを受けて取り外した。」との証言を得ました。事実かどうか確認を急ぎます。事故があって取り外すというのも逆のような気がします。
この当時の内閣には、現在の自民党の幹部がほとんど入閣しています。
大島代議士、石破代議士、谷垣代議士、石原代議士。全て大臣です。
「何回も設計図を求めても出てこなかった理由が、今から思えば、ここにあったのではないか?」「2号機から6号機に至るまで全て取り外す理由がどこにあったのか?」「他の原子力発電所でも同様のことが行われているのか?」先生らを囲んで議論をしました。
もっと調べなければわかりません。いくつもの災害、そして人為的ミスが重なって大事故が起きるとされてきました。福島第一原発の発災後の政府の対応をめぐる問題だけでここまで深刻に事態がなっているのではないのかもしれません。
モニタリングポストも電源喪失などで正常に機能していなかった可能性も専門家から指摘されました。もし、それが事実ならば、どんな物質がどれくらい放出されたかを知る、「目や鼻」そのものを失くしていた時間はどれくらいなのか?
国民を被曝から守るために正確な情報を掴み開示するようにと一貫して政府・東電に働きかけてきました。私には、菅内閣では、枝野さんら一部の政府の幹部が孤軍奮闘しているように見えてなりません。
プルトニウムの値が発表されたのも枝野さんが求めてやっと3月28日です。
福島第一原発3号機は、プルサーマルです。MOX燃料がメルトダウンして何が出ているのか?燃料の精製の詳細については、契約によって秘密になっていると言います。しかし、その中身がわからなければ、私たちが検出する装置をもっているかさえもわかりません。
「避難地域を予め広くとる」
それは見えない、まだ判明しない脅威に対応するための危機管理の基本です。20mSvについて、文部科学省は言いぶりを変えてきているようですが、これまで 失った時間は、あってはならない被曝の危険に曝した時間と同意です。政務三役で疎開の議論をどのようにしたか確認して報告するように文部科学省の担当者に改めて求めました。
「避難区域は、統合本部で決めることになっていて文部科学省の政務三役では議論していないと思います。確認のお時間をください。」というのが、民主党文部科学部門会議で私の問いに対する担当者の答えでした。危機感の脆弱性に強い怒りを感じましたが、答えを待ちますと言ってその場を離れました。
■第29回 原子力安全委員会臨時会議 平成15年5月8日(木) 午後2時~ 内 閣 府 7 4 2 会 議 室
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2003/genan029/genan-si029.htm
議題
(2) 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の原子炉の設置変更(2号、3号、4号、5号及び6号原子炉施設の変更)について(答申)
(3) 東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)について(答申)
■配 布 資 料
(2-1) 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の原子炉の設置変更(2号、3号、4号、5号及び6号原子炉施設の変更)について (災害防止に関する調査審議結果)
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2003/genan029/siryo5.htm
(2-2) 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の原子炉の設置変更(2号、3号、4号、5号及び6号原子炉施設の変更)について (技術的能力に関する調査審議結果)
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2003/genan029/siryo6.htm
(2-3) 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の原子炉の設置変更(2号、3号、4号、5号及び6号原子炉施設の変更)について (答申)
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2003/genan029/siryo7.htm
(3-1) 東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)について (災害防止に関する調査審議結果)
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2003/genan029/siryo8.htm
(3-2) 東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)について (技術的能力に関する調査審議結果)
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2003/genan029/siryo9.htm
(3-3) 東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)について (答申)
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2003/genan029/siryo10.htm
■20030217 第10回 原子力安全委員会定例会議速記録 原子力安全委員会 第10回 原子力安全委員会定例会議 平成15年2月17日(月) 午後2時~ 内閣府742会議室
http://www.nsc.go.jp/anzen/soki/soki2003/genan_so10.htm
(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)
■「福島原発内部文書入手!非常時冷却システムを撤去した勝俣会長」。(週刊文春、6月9日号) 上杉隆 / Takashi Uesugi(
@uesugitakashi)
上原氏「福島原発の設計時には、『蒸気凝縮系機能』という最後の砦となる冷却システムが存在していました。それはどうなったのかと東電に聞くと、『(そのシステムは)ない』というのです」。
蒸気凝縮系機能というのは、原子炉から出て蒸気を配管に通し、『熱交換器』で冷やして水に戻し、再び原子炉に注水するという冷却システムのことだ。注水により炉心を冷やし、かつ原子炉内の圧力を下げる機能があるとされている。
〇三年二月十七日に開催された「第十回 原子力安全委員会定例会議」の議事録だ。…議題に上がっていたのは〈(福島第一原発二~六号機の)蒸気凝縮系を削除する〉という設定変更について。つまり”最後の砦”のはずの蒸気凝縮系機能の撤去が検討されていたのだ。
〇一年の浜岡原発の水素爆発以後、保守管理に手間のかかる蒸気凝縮の配管を撤去した中電に追従して、東電も「蒸気凝縮系削除」の申請を進めた。
前出文書によると申請者は〈東京電力株式会社 取締役社長 勝俣恒久〉となっている。勝俣現会長だ。東電経営陣の体質として「事務系の社長は安全よりも収益を優先していた」(東電関係者)と言われる。企画部出身の勝俣氏も、例外ではなかったか。
日本の原子力行政は経済産業省に属する原子力安全・保安院と、内閣府に属する原子力安全委員会のダブルチェック体制で運営されてきた。しかし前出の内部文書からは、それがナアナアの”ぬるま湯チェック”だった様が見て取れる。
東電の申請書の蒸気凝縮系機能削除理由と保安院を所管する経済産業省の文書はほぼ同一。東電の主張をチェックするはずの経産省が丸呑みにていた。
安全委員会では東電だから大丈夫とばかりに議論が進んでいた。だが、福島第一原発の事故では、彼らの主張する”安全”は脆くも崩れた。二号機で「蒸気逃がし安全弁」の操作(ベント)に失敗、メルトダウンに至ったのだ。
原口氏「福島第一原発でこのような事故が起こってしまった以上、原子力安全委員会、原子力安全・保安院の方々に真意を問わねばならない。そして文書に判を押した政治家にも責任があるはずです」。
小泉氏「日本が原発の安全を信じて推進してきたのは過ちだった」だが、東電が福島第一原発から蒸気凝縮系機能を撤去しようととしていた平成十五年は、まさに小泉政権時代だ。
当時の経産大臣は原発推進派で知られる平沼赳夫氏である。「事故が起きたから原子力発電を一切あきらめるのではなく、培ってきた技術をより安全な形で維持、継続する方向を取るべきだ」と、平沼氏は福島第一原発の事故後も再三擁護発言を繰り返してきた。。
前出の内部文書にも平沼氏の名前が所管大臣としてある。なぜシステムの撤去を認めたのか。平沼事務所に取材を申し込んだが、「本人が出張の為、ご回答できません」という。
経産省担当記者「原発大国フランスでも、推進と管理は別組織の下にあるのです。アクセルとブレーキを同じ経産省がコントロールしていたことで、ゆがんだ安全神話が産まれたとも言われます。
その象徴的存在ともいえるのが松永和夫・経産省事務次官だ。松永氏は二〇〇〇年にエネ庁で石油部長を務め、〇二年に保安院次長に就任している。まさにアクセルとブレーキを行き来する人事を経験しているのだ。
当時申請者だった勝俣会長はこう答える。「(蒸気凝縮系機能の撤去は)私がやることじゃないけど、全然、問題ないよ!」東電総務部も悪びれない。「仮に削除しなくても、今回の状況ですとこの機能は働かなかったとう認識になります」。
安全管理上、冷却機能の一つが外されていたという事実は重い。それを後押ししたのは原発推進派の政治家であり、安全委員会や保安院によるぬるま湯のチェック体制だったことは疑う余地もない。
、冷却機能の一つが外されていたという事実は重い。それを後押ししたのは原発推進派の政治家であり、安全委員会や保安院によるぬるま湯のチェック体制だったことは疑う余地もない。
■「福島第一原発の安全装置は8年前に外されていた」原口氏が衝撃の告発 - BLOGOS編集部 - BLOGOS(ブロゴス) - livedoor ニュース
2011年06月02日18時55分
http://news.livedoor.com/article/detail/5605632/
政治団体「日本維新の会」を設立した民主党の原口一博・衆議院議員が2日、福島原発事故に関する記者会見を行った。主催は自由報道協会。原口氏は福島原発について、8年前の自民党政権の時代に、福島第一原発の安全冷却システムが外されていたという衝撃の事実を発表した。
■原口告発「8年前、勝俣恒久が原発の安全装置取り外し」は福島だけではない。浜岡、東海第二、女川でも外された。:ざまあみやがれい! 2011年06月05日20:54
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65740974.html
■中部電力株式会社 浜岡原子力発電所 原子炉設置変更許可申請(1号、2号、3号、4号及び5号原子炉施設の変更)の概要について 平成17年9月
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2005/siryo48/siryo12.pdf
■高圧注入系から余熱除去系に分岐した蒸気凝縮系 配管の破断 中部電力(株)原子力発電所1号機(沸騰水型 定格電気出力 54万キロワット) 発生年月日 平成13年11月7日
http://www2.jnes.go.jp/atom-db/jp/trouble/2001fy/ref/2001-11.pdf
■20020801第47回原子力安全委員会臨時会議速記録 原子力安全委員会 平成14年8月1日(木) 午後2時~ 内閣府会議室
http://www.nsc.go.jp/anzen/soki/soki2002/genan_so47.htm
(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)
○須田委員 よくご存じのとおり、浜岡原子力発電所の1号炉は昨年の11月に配管破断の事故を生じた原子炉でありまして、配管の破断は余熱除去系の中の蒸気凝縮系のある場所で起こったわけでありますが、今回その破断箇所を含めまして蒸気凝縮系そのものを撤去するという案件であります。
■原子力発電所の原子炉施設保安規定の認可について (平成14年3四半期分) 概要 平成15年1月30日 原子力安全・保安院
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0003610/0/030130hoankitei.pdf
中部電力(株)原子力発電所 申請日 H14.12.4 認可日 H14.12.20 変更の概要
1号炉の余熱除去系蒸気発熱系の機能削除に伴い、異常時の処置として添付「原子炉がスクラムした場合の運転操作手順」に示す原子炉減圧手段の1つである、余熱除去系の機能削除に関する記載の削除。