「歴史修正主義」と産経新聞の「歴史戦」について 《山崎雅弘》

表題に関連するツイートをまとめてみました。安倍晋三政権は現在の国際社会において「歴史修正主義者」と評されることが増えていますが、その理由は何なのか。「歴史修正主義」の何が問題なのか。背景について考える材料にしていただければ幸いです。 また、以下のまとめも関連するテーマを扱っていますので、合わせて読まれることをお薦めします。 「歴史修正主義」の政治家に国政を委ねるリスクについて 続きを読む
92
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

この倉山満氏の本の版元である扶桑社は、産経新聞社とフジテレビを含むフジサンケイグループの出版社だが、今の首相周辺の意向に完全に合致する報道姿勢の産経新聞は、戦前戦中の日本軍の行動を弁護・擁護する「歴史戦」というシリーズを掲載している。 pic.twitter.com/AfktYyJuRd

2015-04-16 13:40:40
拡大
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

「歴史戦」という表題が物語る通り、この新聞の歴史に関する記述は、倉山氏の言う二つの鉄則「疑わしきは自国に有利に・本当に悪いことをしたなら自己正当化せよ」を完全に踏襲している。南京事件の記事はその典型で、不明確な部分に「日本に有利な憶測」を山盛りにして日本軍の行動を正当化している。

2015-04-16 13:42:07
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

「疑わしきは自国に有利に・本当に悪いことをしたなら自己正当化せよ」を「鉄則」だと理解している人間は、自分の姿勢が「歴史修正主義」だと批判されても意味がわからない。それは歴史研究ではなく「政治への奉仕だ」と言われても理解できない。北朝鮮や中国等と同じことをしていることに気づかない。

2015-04-16 13:43:12
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

北朝鮮・中国・日本の各国で、「歴史修正主義」の「鉄則」に従い、自国の政治権力に奉仕するために歴史に言及する人々は、自分は国家のために働いている、という高揚感と使命感を得られる。「歴史」を、政治権力の支配力強化の道具として捉える国では、歴史研究者は「歴史戦を戦う戦士」の一人になる。

2015-04-16 13:44:38
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

「歴史修正主義」の「歴史戦」は、政治的に成熟した民主主義国では相手にされない。歴史研究者を政治権力に従属させる図式は、歴史研究とは見なされない。自国の権力者の政治的要請に従って事実認識を歪める「研究成果」は、他国が共有できない。国際的に共有できないものは「研究」とは認められない。

2015-04-16 13:45:44
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

倉山満『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社新書)には、「侵攻」の定義として「挑発もされないのに、先に攻撃を仕掛けること」とあるが、こんな定義に基づいている歴史研究者も見たことがない。「挑発」は主観なので、どうとでも解釈できる。日本が行った対外戦争は全て「侵攻ではない」と強弁できる。

2015-04-16 13:47:00
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

産経新聞は、今年に入りますます「歴史戦」のギアをシフトアップして爆走しているが、首相周辺の組織や個人が「歴史戦」で頑張れば頑張るほど、日本の国際的評価を失墜させている。日本が民主主義国と「価値観を共有している」と認められたいなら、政治権力に従属する「歴史戦」から卒業するしかない。

2015-04-16 13:48:14