稲川淳二の『つぶやき怪談』(2016.04.26)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

だんだんと、い～い季節になってきましたね～。 新緑が日に日に濃さを増してゆきます。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、桜餅か柏餅か草餅のどれかをいただくのが、 毎年この時季の楽しみなんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

嬉しい季節が始まりますね。 みなさん、お元気ですか？ 稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

もう初夏ですね。 ようやく、夏のツアーの準備に入れました。 ツアーまで間に合うのか、心配ですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

嬉しい季節を楽しみながら、穏やか～に、気持ちよ～く、 地獄の、ツアー・キャンペーン（死のロード）を乗り越えて、 気持ちよ～く、「怪談ナイト」を迎えたいですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

心配なのは、毎年なぜかしら突然、大変な仕事が入るんですよね。 ことしこそは、大丈夫だと思うんですがね？

稲川淳二 @Junji_Inagawa

何事も無ければいいんですけど・・・・・・。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

数日後には、楽しいゴールデンウィークが待ってますね！！ そんな訳で、今回の「つぶやき怪談」そろそろ始めましょうか。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

怖ーい噺で楽しんで下さい。 稲川淳二の「つぶやき怪談」、怖・楽しい時間を、共有しましょう。 何が起こっても、責任はとれませんけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

これは、子供の頃に、おばさんからよく聞かされた話です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

私が生まれる前のことですが、 おばさんは、戦争中、長野の方に疎開してたんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それで、東京から物資を送ってもらうんだけど、 届いても、運ぶものがないので困っていると、 親切な人が、少し離れた診療所で、 リヤカーを持っているって教えてくれたそうです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

おばさんは、山を越えて、 その診療所までリヤカーを借りにいったわけです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

さて、用事も済んだんで、 暗くならないうちに帰りましょうと診療所を出ると、 後ろはもう、細い田舎道が続くだけで、人も通らない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこを、1人で、 山を越えて村まで帰らなきゃいけないわけですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

心細いし、道の先には暗い森とトンネルがあると思うと、 自然に足も速まってきます。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

こうなると、普段なら、（いいなあ）と思う小鳥のさえずりさえ、 うとましくなる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、やっとトンネルが見えてきた頃には、 もう辺りは暗くなりかけてました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

昔のことですから、カーブしたトンネルの中は電気もなく、 真っ暗です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

おばさん、持っていた懐中電灯をつけ、嫌々ながら入っていくと、 底にできた水たまりが、歩くたびに、 “パチャッ、パチャッ”と音をたてる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その中をおばさん、とにかく、一刻でも早く抜けてしまおうと、 リヤカーを引いて、急ぎ足で進んでいったんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

さて、ちょうどトンネルの中間辺りに来た時なんですが、 どういうわけかリヤカーが、急に止まっちゃったんですよ。