ニンジャカタナ!Location#A.D2399 Chapter 7 『旅立ち.01~.02』

前回までのあらすじ: カタナの力によって助けられたカーヤ。だが、カタナは同時に船内のロボット達も助けていた。なぜ彼らまで助けたのかと問うカーヤに、カタナは言う。 「友達なんだろ?」と――。 続きを読む
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ニンジャカタナLocation#A.D2399 Chapter 7 旅立ち.01 >>>End Next>>> 旅立ち.02 ――――――――――――――◆

2016-05-25 23:36:00
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ニンジャカタナLocation#A.D2399 Chapter 7 旅立ち.02 ――――――――――――――◆

2016-05-26 21:16:43
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「うおおおらああああああ!」 カタナが突進。作戦も何もない。真っ正面からの特攻。片手で大上段に構えた剣を、ただ思いっきりアレイドに向かって振り下ろす、けど――。 「――光刃の形成も不完全」 アレイドは一切動いていない。代わりに彼の纏う赤い光がカタナの剣を止めていた――。

2016-05-26 21:18:13
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「圧倒的弱者にほだされる心根の惰弱。それがお前の敗因だ。お前の剣は今――折れた」 膝をつき、肩を激しく上下させて荒い息を吐くカタナ。そのカタナに向かって、アレイドは二振りの大剣を大上段にかかげる。 「は、ははっ――」 完全に打つ手無しの状況。でもその時、カタナは笑った――。

2016-05-26 21:19:12
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「……なぜ笑う?」 「あんたは、強い。めちゃくちゃに強い。ニンジャだってそうだ。みんな、とんでもなく強かった」 カタナが頭を上げる。そして目の前で大剣を構え、自分を見下ろすアレイドを見据えた。 「でも、俺には強さなんてどうでもいい。俺は、みんなと楽しく生きれればそれでいい!」

2016-05-26 21:21:26
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「――なにが言いたい?」 アレイドが目を細め、カタナに向けた大剣の柄に力をこめる。 「剣は折れても、俺はまだ折れてねえってことだ!」 カタナが消える。次元跳躍。アレイドは反応し、背後へと視線を移す。 よし、今だ!  「行け! ビーンズ!」 「「「ワカリマシター!」」」

2016-05-26 21:23:11
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「なんだこれは……目くらましのつもりか?」  振り向いたアレイドの周り、一斉にボール状のビーンズが降り注ぐ。アレイドはビーンズに危険は無いと判断したのか、手で払うようにして赤い光を――出せない! 「――なに!?」 アレイドの顔に驚愕の色が浮かぶ。

2016-05-26 21:25:48
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正確には赤い光は確かに出てる。でも彼の周りを飛び跳ねるビーンズが、光が集まるのを阻害しているんだ。 「馬鹿な――緑光粒子に地上の技術で干渉することは不可能なはず!」 驚いたのも一瞬。アレイドは即座に僕に向かって加速する。流石だ。不明事項の確認より、まず僕を倒すことを優先した!

2016-05-26 21:27:35
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「けど、そうくると思ってましたよ!」 僕とアレイドの間に雪崩のように降り注ぐビーンズ。隙間すらないその数に、アレイドは苛立ちを露わにビーンズを破壊しようとする、だけど――! 「「「 カミサマパワー! 」」」 「くっ――こいつら、俺の光を!?」

2016-05-26 21:29:27
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アレイドの振りかざす大剣が空を切る。剣を覆う赤い光がビーンズに触れる直前、まるで石けんまみれのボールが滑るように、ビーンズの表面で刃が逸れる。 『――ミドリムシ?』 『ああ。俺達だけが使える友達さ』 僕は聞いていた。さっきのあの僅かな時間。カタナからニンジャの力の一端を――。

2016-05-26 21:31:21
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『ミドリムシはニンジャ以外は触れないし扱えない。たしか、鉄とか機械にもひっかからないんだ』 『見えるけど、干渉不可能なエネルギー……』

2016-05-26 21:32:44
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アレイドの体が半ば腰下までビーンズで埋まる。業を煮やしたアレイドは跳躍。強烈な勢いで天井へと逆さに立つと、そのまま全身のバネをきかせて僕めがけて跳ね飛ぶ。 黒い外套と赤く光る閃光が、まるで一筋のラインみたいになって僕に襲いかかる。

2016-05-26 21:34:26
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『カタナ、あなたの持ってるその剣――少し触らせて貰っていいですか?』 『いいけど、どうすんだこんなもん?』 『前にも見たんです。ニンジャが自分の光をこの剣に纏わせているのを。あなたはミドリムシは干渉不可能だと言った。けど、僕の予想が正しければ――』

2016-05-26 21:36:17
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「あなた達の装備だけには、ミドリムシに干渉できるなにかが使われている――!」 超高速で迫るアレイドが横殴りに弾き飛ばされる。 僕の意志に従って一つの巨大な鉄球型に集合したビーンズが爆散、散弾銃のようにアレイドの体めがけて叩き付けられる。もちろん、彼らの装甲は特別厚めにしてね。

2016-05-26 21:38:21
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『――許して欲しい。そして、覚えておいて欲しい。君は、私とエルの希望なんだ――』 『――大丈夫。愛していますよ、カーヤ――』 『――ナカナイデ、カミサマ。ミンナ、アタナガダイスキ――』

2016-05-26 21:39:58
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「まさか、たったあれだけの時間で俺達の武器を解析したというのか」 「わかったか!これが、お前がガラクタと言った僕の――僕達の技術だ!」 飛ばされたアレイドが口の端から流れ出る血を拭って着地、カタナにするのと同じように、僕に向かって大剣を構える。つまり、もう油断はないということ。

2016-05-26 21:41:43
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「僕は神様だ! 今度こそ、今度こそ僕がみんなを守ってみせる!」 その言葉を合図に、ビーンズ達が一斉にアレイドめがけて殺到する。だけど、アレイドはもう動じない、大剣が赤く光って、とんでもない長さの光刃を形成。これはあのときカタナごとラピスの半分を消し飛ばした一撃――。

2016-05-26 21:43:42
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「訂正しよう。お前達はガラクタではない。だがなればこそ、俺の一撃でこの船ごと消し去る――!」 エネルギーの収束。それは、さっきのカタナに使った一撃よりも大きな――。 でもビーンズはそれにも構わず壁をつくる。まるで、僕を守るように隙間の無い壁を――。 「――じゃあな、親父」

2016-05-26 21:45:38
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それは、まるで夜空を奔る流れ星のような一閃。 ビーンズが壁を完成させる直前。本当に僅かに空いた隙間――。 アレイドに群がるビーンズ達が、彼の纏う赤い光に濃淡を生む、その最も薄くなった一点――。 その二つを一直線に射貫いた、緑光の流星。

2016-05-26 21:47:16
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アレイドの目は、最期まで強固な意志の光を失わなかった。その瞳はじっと前を見ていた。壁になったビーンズが崩れ、その視界に僕が映った。そして、僕の後ろに立つカタナの姿も。 左胸。アレイドの左胸に、カタナが放った緑光の剣が刺さっていた。 それは、バカみたいにあっけない幕切れだった。

2016-05-26 21:49:01
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「みごと。やはり、お前は――」

2016-05-26 21:50:52
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「俺の、自慢の息子だな――」 ――最期の時。アレイドは笑った。 そして、その大きな体も、大きな剣も、全部が緑色の光になって、閃光の中に消えた――。

2016-05-26 21:51:29
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ニンジャカタナLocation#A.D2399 Chapter 7 旅立ち.02 >>>End Next>>> 旅立ち.03 ――――――――――――――◆

2016-05-26 21:52:26
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ご視聴、ありがとうございました!本日のニンジャカタナ!連載は以上になります!本日もお忙しい時間にもかかわらず、RT・likeともに沢山いただき、本当にありがとうございます!何かお気づきの点やご要望、ご感想などあればなんでもお声がけ下さいませ!

2016-05-26 21:54:44
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ニンジャカタナ!既存の全話は下記保管庫で読むことができます!どうぞお気軽にご覧になってくださいませ٩(๑•̀ω•́๑)۶ kakuyomu.jp/works/11773540… pic.twitter.com/FQ38tCoteU

2016-05-26 21:56:51
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