「障害を除去するということ」 相模原のヘイト犯罪に寄せて米誌フォーブスが人類に投げかける「問い」
11. ここで、障害者に対する姿勢の幅に突如、絶壁が立ちはだかったかのような落差を感じたとしても無理もない。だが実際その落差は、「なだらかな傾斜」が持続した結果生じたものなのである。このような告白の手紙を受けて、何もしないということも、その一端を形成しているといえる。
2016-07-29 18:49:0212. そして、次のような社会の傾向も、この「なだらかな急斜面」に通じている。
2016-07-29 18:50:3013. ・映画『Me Before You(邦題:世界一キライなあなたに)』のような作品が、悲劇的なロマンスで、"障害を持ちながら生きるよりも死んだほうがまし"という誤ったメッセージを伝える作品だということがわからない社会
2016-07-29 18:52:30※この映画については元記事に誤解があるとのことなので、連ツイの最後に注釈を収録します。
14. ・実際の標的は地面に座り込みながらおもちゃで遊んでいた自閉症の男性だったのに、彼を救おうとした黒人男性に弾丸が当たってしまい、もともと"黒人狙いだったに違いない"と考えてしまう社会
2016-07-29 18:57:0315. ・自閉症の人間を支援する目的で設立されたと主張するが、その責任者らは意図的かつ不可逆的に、その守るべき彼らを虐げ、蔑にする自称慈善団体が存在する社会
2016-07-29 18:58:2116. ・障害のある人びとを嘲笑する大統領候補と、その嘲笑を擁護する人びとが存在する社会
2016-07-29 18:59:2717. ・本来ならいかに「負担」があったとしても、どんな状況であっても、さらし者にされるほどの業であるはずのところを、障害のある子どもを殺してしまう親に対して「同情や共感」を寄せてしまう社会
2016-07-29 19:02:0218. ・障害のある子どもへの一定程度の虐待を許してしまう体系だった制度の存在を許す社会
2016-07-29 19:03:2219. ”普通”に見えない振る舞いや行動はすべて公に嘲笑されてよいとする社会
2016-07-29 19:04:1120. ・「低能」などの侮蔑的表現を公言することを厭わないAnne Coulterのような政治家のセンセイ方の存在を許す社会
2016-07-29 19:05:4421. ・世界中で広範に起きている障害者たちに対する虐待や暴力を許容する社会
2016-07-29 19:07:1022. 怒りはどこに消えたのか。あったとしても、しごく限定的だ。なぜ?「障害者でいるより死んだほうがまし」「障害がある=完全な人間ではない」というメッセージを、怒涛のように発信しまた受容するような、一個人を一人の人間として見れない社会で、そのような怒りはまず湧き起こる筈もない。
2016-07-29 19:09:4123. 日本で起きたこの恐ろしい襲撃事件のことを、私たちの多くは対岸の火事だと思いたいだろう。
2016-07-29 19:12:4624. だが、たとえ社会が無自覚であったとしても、社会が体系的に擁護してきた「障害者の除去」をこの殺人者が体現したのだという意識が少しでもなければ、私たちが彼らのような殺人者とともに、あの「なだらかな急傾斜」を突き進んでいることに変わりはない。
2016-07-29 19:20:23なんか…ものすごく精魂使い果たした気がします。かなり難しい翻訳だったので、著者のいわんとすることが正しく伝わったか、とても不安ですが、この憔悴が無駄にならないことを願って、とりあえずいまは心身を休めます。。
2016-07-29 19:27:15※映画についての補足。
障害がある人の意思を「障害があるから」という理由で健常者が勝手に忖度していないか? 障害がある相手を本当に同等の人間として尊重しているか? を問う作品だと私は思っている。 どんなに善意のつもりでも押し付けは愛情でも思いやりでもないことを、究極の選択で表現しようとしたのです。
2016-07-29 22:40:56@atsyjp 原本翻訳者の方だったのですね。わたしは映画も原作も知らないので、このフォーブスの記事で初めてしりました。ただフォーブスの著者は生物学者ではあるのですが自閉症や精神障害のエキスパートであるわけでもなく今回の「発言」も数ある論点の一つであるだけのようでやや雑です。
2016-07-29 23:02:29