ニンジャスゴロク「秘密のニンジャ砦」【キャット・イン・ストロングホールド】■前半戦■

テキストカラテ用yulou @glscat

ネコ耳型ウェアラブル端末がグラスを展開し、レーダーを投影した。耳ユニットは、様々な機能で鋭敏なニンジャ聴覚をアシストしている。よくもここまでハイ・テックな物を手に入れられたと独り感心する。生体反応、数、方角と距離。読めた！グラスキャットは弾かれたように駆け出した。 9

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ビルからヤクザが次々エントリーする！「ダッテメッコラー！」「ザッケンナコラー！」近接戦闘型だ。手に手にドス・ダガーやカタナを持っている。「案の定だね！」グラスキャットは獲物を狙うごとく伏せる！「ドーモ、グラスキャットです！」大振りなカタナを危なっかしく避け、斬る！斬る！ 10

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「ザッケ」「イヤーッ！」「アバーッ！」腕が、首が、足が宙を舞う！カラテは弱い、だが彼女にはスピードがある。「ダッテメッコラー！」「「シャッコラー！」」切り結んだ背後からアサルトヤクザの容赦ない掃射！「ウナーッ！」「アババババーッ！」「「ワッザアババババーッ！？」」 11

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紙一重で位置を逆転、肉の盾とし、更に足がかりとする！ゴウランガ！「悪いね」「アバッ」グラスキャットはヒビの入ったカタナを最後の一体に突き刺し、深く息を吐いた。尻尾に被弾している。「直さないといけないね」彼女は事務所にエントリー、素子を回収した。一文無しから脱却！「フフン！」 12

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＊ 出目3にて辛くも勝利な 残HP:40 運:3 所持金:\2500 / 現在マス:11 / 次出目3 ＊

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グラスキャット【14】：「スッゾオラー！」「スッゾオラー！」君をクローンヤクザの大群【戦5危4金500】が取り囲む。応戦せよ！■六五 #n7g shindanmaker.com/289991

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金額を確認するグラスキャット。その尻尾は上機嫌に揺れている。「フンフン……アイエッ」BEEP！端末の緊急アラート！調子に乗っている場合ではない。この規模は逃れられぬ！（（（カタナ刺すんじゃなかったよ！）））否、抜けば良いのだ。彼女はカタナめがけ、事務所の窓から飛び降りた！ 13

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「ブッダファック！」飛び降りながらグラスキャットはシャウトせざるを得なかった。多すぎる！「ネオサイタマ！いい加減に！しろ！」手間取ってはいられぬ。着地点の敵を踏みつけながら吼える！「MYAAAAAAAA！」尻尾が苛立ちに跳ね上がり、その迫力にクローンヤクザの軍勢が怯む！ 14

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予定通りカタナを引き抜き、走る！「ウナーッ！」「アバーッ！」瞳が爛々と輝き、黄金色の光の軌跡を残す。「ウナーッ！」「アバーッ！」あっさり折れたカタナを投擲し、ドス・ダガーを強奪して走る！斬り飛ばす！先のアサルトヤクザよりも明らかに弱い。だが、このままではジリー・プアーだ。 15

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「ウナーッ！」「グワーッ！」チャカ・ガンを構えたヤクザの腕を切り落とし無力化！「ウナーッ！」「アバーッ！」「MYAAAAAA！」「スッゾアバーッ！」零れ落ちた素子を奪い、走る！走る！……斬れぬ！「ああもうッ！」「アバーッ！」ドス・ダガー投擲！喉に刺さりもがくクローンヤクザ！ 16

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またも足がかりに、高らかに跳ぶ。やはり多すぎる。彼女は屋上に移り、にたりと笑った。「ならこうさ」爛々とした瞳が妖しく輝く。「マテッコラー！」瞬間、辺りが霧に包まれた。「GRRRRR……」「ワッザ？」恐怖を具現化したかのような影が立ちはだかる。そして！「MYAAAAAAA！」 17

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「アイエエエ！」「アイエエエ！」「アイエーエエエ！」……5分後、そこには素子を数えながら歩くグラスキャットがいた。霧は彼女の得意とするゲン・ジツだ。ちなみに声は自分であてる。どうやら全員撤退したようだ。『格納重点な』グラスがかすかな駆動音と共に格納される。「……少ないや」 18

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＊ 出目2にて辛くも勝利な 残HP:40 運:3 所持金:\3000 / 現在マス:14 / 次出目4 ＊

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グラスキャット【18】：君はドラム缶を破壊し、丸焼きのチキンを手に入れた。この場で食べるしかないがHPが20回復する！■弍弍 #n7g shindanmaker.com/289991

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ドラム缶の山。歩み寄るグラスキャット。そのニンジャ嗅覚は何かを感じ取った！慌てて再展開させたグラスが、それを裏付けるようにフォーカスする。温度存在！「そこだ！イヤーッ！」だが軽くひしゃげるのみ！「頑丈なやつ！イヤーッ！」苛立ち紛れの回し蹴り！ドラム缶破壊！「アイエッ……」 19

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驚いて歪んだ尻尾が、今度はピンと跳ねる。中から出てきたそれは包みだった。この匂いは！「チキンヤッター！」誰かが仕舞ったばかりだろうか、湯気も立っている。「イタダキマス」やや罪悪感に囚われながら、包みの切れ端でチキンを摘み、千切る。柔らかい！「盗品だろうかね」まず一口。 20

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「ンーッ！」美味！罪悪感に下がっていた尻尾が再び跳ね、頬が緩む！「ハフ……ンーッ！」美味！「ムグムグ」今まで食べた安いチキンとは比べ物にならぬ。「どこの店なのかね」もはや罪悪感などない。完食である！「ゴチソウサマ」包みを別のドラム缶に載せ、グラスキャットはその場を後にした。 21

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＊ ダイス判定無し 残HP:40 運:3 所持金:3000円 / 現在マス:18 / 次出目:? ＊

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＊磁気嵐インシデント再確認な。対応する端末から見た場合、これまでのステータス表記に不具合があります。\ではなく、￥です。回避のため、以降は円表記に訂正します。ヨロシクオネガイシマス＊

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グラスキャット【20】：振り子型刃が背後から振り下ろされた。アブナイ！体力判定【難度9】で回避せよ。失敗すれば10ダメージだ！■壱六 #n7g shindanmaker.com/289991

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路地が終わり、ようやく混沌としたダンジョンの様相を呈してくる。だが彼女の頭の中は先ほどのチキンに占領されていた。（（（きっとあの近くに店が……でも匂いが来なかったし、風下……）））そう、あれは紛れもない、オーガニック・チキンの味わいだ……「フゥーム」包み紙は当てになるまい。 22

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ゴウンゴウンゴウン……重苦しい駆動音が、暗いトンネルめいた道にどこからともなく反響する。グラスキャットは身を竦めながら歩く。ミニマルだがどこまでも気味が悪い。「フィルタ、オン」『重点な』すぐに駆動音が掻き消えた。遥かに良い。上機嫌で歩き出すも、すぐに彼女は足を止めた。 23

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異質な、しかし慣れた臭気がチキンの残り香を無慈悲に蹴散らす。（（（血の臭いだ）））ニンジャ第六感が危機を告げる！「……！」空を切る音。後ろだ！振り返る間も惜しみ、低く、前方に飛び込む。一瞬遅れて、背に重い一撃が見舞われた！「ンアーッ！」ボーリングのピンめいて吹き飛ぶ！ 24

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空中で体勢を立て直し、着地しながら振り返る。攻撃の主は、錆び付き汚れた振り子型刃であった。「ゲホ、ゲホッ……」尻尾は無事だし、傷自体も浅い。打撃で背骨を折るのが目的なのだろう。（（（ナマクラで良かった）））十分痛かったが、新しければあのまま真っ二つであったかも知れぬ。 25