東大駒場寮・女学生掃除アルバイト論争

mtmt @mtmtlife

＞近ごろでは、それほどひどい所は少なくなったようだが、それが一見いかめしかろうが、あるいはみすぼらしかろうが、大がいの大学研究室に共通のこととして、その室内に思いがけぬ花をそえてくれているのが、多く嘱託という名でやとわれている若いお嬢さんたちである。

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＞その研究室関係の教官たちのポケットマネーを集めてひねり出す薄給で、いわゆるお茶くみや清掃から研究費申請の書類作りまで大小雑多の事務をひきうけ、助けてくれるパートタイムの私設秘書たちである。

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＞彼女たちが「花をそえてくれる」と書いたが、実はその上に彼女らが一輪の花そのものである場合も多い。どうしても世間からは一テンポおくれて、どこか超然と間ぬけてくすんでしまいやすい研究室に、断然新鮮な現代風俗のかがやきをもちこんで私たちの目をみはらせるのが、この嘱託嬢たちなのである。

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＞その上に二十数歳の花咲く年ごろで、なにかというとよく笑いおしゃべりし、また私たちのとはちがう現代東京生活の先端に触れる交際や趣味の場ももっているらしい。昔風の感覚でいえば、なんとなく舶来のシャボンのにおいのするようなハイカラなお嬢さんたちなのである。

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＞私が所属するキャンパスではまだまだ女子学生の数が少ない上に、彼女らは一般に地味だから、このような嘱託嬢たちを通しての生きのいい現代風俗の侵入に、私どもが新鮮なエキゾチシズムを感じるというのであるかもしれない。

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やっぱり侵入してくるものなのか。