#激甚災害 日本政府が東日本大震災にどう法的に対処したかに関する米国連邦議会図書館の調査報告（その２）―原子力災害対応篇

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#激甚災害 125. 2012年6月27日、『原子力規制委員会設置法』が施行された。同法に基づき設置された原子力規制委員会（NRA）環境省の外局と位置付けられたが、『国家行政法』の規定（第3条）に基づきその独立性の担保が図られた。 law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H…

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#激甚災害 126. 『原子力規制委員会設置法』の施行と同時に、新しい原子力規制当局に適合し原子炉規制を強化するため『核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律』が改正された。（※訳注：なぜか平成9年の改正が現在も未施行） law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S…

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#激甚災害 127. 『核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律』（「原子炉等規制法」）により、原子炉を運転する原子力事業者は、重大事故（過酷事故）を避けるための予防措置を執ることを義務付けられている。（43条） pic.twitter.com/riI8SGIbJu

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激甚災害 128. 『原子炉等規制法』に基づき、原子炉の運転期間は40年とされたが、今回の改正により、原子力規制委員会の認可を受けた場合は、一回に限り最大20年延長できるようになった。 houko.com/00/01/S32/166.… pic.twitter.com/rA97XWOyBc

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#激甚災害 129. 『原子炉等規制法』に基づく新たな安全基準の策定は、原子力規制委員会の責任範囲となった。原子力規制委は2012年9月19日に設置され、新しい安全基準は2013年6月19日に策定された。 nsr.go.jp/data/000047863…

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#激甚災害 130. 原子力規制委員会が策定した新安全基準は、2013年7月8日に施行された。新安全基準は、原子力事業者に対し、地震や津波発生時の被害想定を遙かに厳格なものとすることを求める内容であった。nsr.go.jp/law_kijyun/new…

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#激甚災害 131. 2006年に原子力安全委員会が策定した「耐震設計審査指針」では、後期更新世（12,600～11,700年前）から活動中の断層に原発を設置することを禁止していた。 nsr.go.jp/data/000050642… pic.twitter.com/TE0bJdiLbG

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#激甚災害 132. 新安全基準では、この禁止事項が「指針」から「基準」へと格上げされた。断層運動が原因であることが否定できない場合、その断層は活断層と見なされた。

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激甚災害 133. 新安全基準は、後期更新世の期間中に断層が活動していたことが判断できない場合は、40万年前まで遡って断層運動の有無を確認する地形学・地質学・地球物理学的手法等を統合した十分な活断層調査を行うことを義務付けた。

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#激甚災害 134. 新安全基準では、沸騰水型軽水炉を運転する原子力施設事業者に対して、重大事故（過酷事故）の際に原子炉格納容器内の放射性蒸気を放出するためのフィルター付きベント（排気）システムの設置を義務化した。 （参考） jaif.or.jp/ja/news/2013/p…

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#激甚災害 135. ただし、新安全基準の適用については、巨大な格納容器を用いる加圧水型原子炉の事業者に対しては5年間の猶予期間が認められ、過酷事故発生時に制御室が使用不能になった場合を想定した「第二制御室」の設置を義務付けたが、これについても5年間の猶予期間が認められた。

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#激甚災害 136. 2013年9月現在、これらの措置に加え、試験用及び調査用原子炉、核燃料施設についても新安全基準が策定中であり、2013年12月に施行予定である。（※訳注：2016年2月に改正法への対応を終えた模様） nsr.go.jp/data/000070101…

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#激甚災害 137. 2013年6月5日、原子力規制委は『原子力災害対策指針』を改訂。 nsr.go.jp/data/000024441… 指針に基づき、2013年7月19日、  安定ヨウ素剤の配布と服用に関するマニュアルを発出した。 nsr.go.jp/data/000024657…

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#激甚災害 138. 安定ヨウ素剤の配布と服用に関するマニュアルの発行により、原子力災害の発生時に安定ヨウ素剤の服用が推奨される対象が、原発から30キロ以内の40代以下だったものが、全ての年齢層の住民に拡大された。 この旧指針は2002年、旧原子力安全委員会が策定したものだった。

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#激甚災害 「日本政府が東日本大震災にどう法的に対処したかに関する米国連邦議会図書館の調査報告（その２）―原子力災害対応篇」は、ここまでです。この長大なレポートはまだまだ続き、このあと「復興編」等がありますが、連休中にできる作業はここまでが限界です。ご了承ください。

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#激甚災害 冒頭でも述べたように、このレポートは、東日本大震災における日本政府の対応を追った米議会図書館では唯一の調査文献です。記載されている公的資料の内容は全て、現在もネット上で確認できますが、その数は膨大で、一つ一つの資料の分量も膨大です。

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#激甚災害 50頁のレポートはまだまだ続き、この後「復興」、「財政措置」、「その他の特別法」、そして「次なる災害に備えて」という4つの章を経て、やっと著者の「総括」により終わります。関心があれば、是非読んでみてください。 pic.twitter.com/XiSXazPkJD

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#激甚災害 東日本大震災以来、その対応のため、その教訓から進化してきた日本の災害法体系。大地震だけでなく、大津波や、原子力災害までをも含み、国民全体の経済・生活に著しい影響をもたらした、まさに国難といえる激甚災害に対応するための法律群が、いま熊本地震でも生かされています。

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#激甚災害 災害対応の法体系は複雑で、多様な制度、規則、政令、省令などが入り組んでいます。一般の人にこの全てがどう災害時に機能するかを把握するのは至難の業でしょう。しかし、やはり事実の積み重ねを「知ること」には価値があると思います。

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#激甚災害 個人的に、ここまでレポートを精読してみて感じることは多々あります。何が適切で、何が適切でなく、何がもともと誤った想定でつくられて、その何が改善され、或いは改善されていないのか、もっと言えば、悪化しているのか。でも、それは皆さんのそれぞれの受け止め方にお任せします。

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#激甚災害 米連邦議会図書館の報告書全50頁の内、30頁の要約を皆さんにお届けしてきました。熊本地震は激甚災害指定されましたが、地震活動期の今、いつ同様或いはそれ以上の災害が襲うかわかりません。この要約作業が近い将来、皆さんの役に立つことを願います。ご精読ありがとうございました。