2022年4月22日

お風呂場で具合が悪くなったら湯船の栓を抜け! 入浴中の緊急事態に備えて知っておきたい対処を専門家に聞いた

もしもの時に慌てずに済むように
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お風呂で具合が悪くなった人を助け出すときは「まずお風呂の栓を抜く」ことが大事。そんなTogetterまとめが注目を集めている。

お風呂の栓を抜くべき理由としては

・意識のない人、脱力した人を水の入った湯船から出すのは至難の技

・助けようとしてうまくいかず、患者の顔まで水につかってしまったという事態を避ける

・助けようとした人までケガをしてしまう二次被害を減らせる

といったものが挙げられている。

一連のツイートについて、心肺蘇生法やAED、けが・病気の応急手当などについて啓もう活動を行っている静岡県の市民団体「命のバトン浜松@libhama99)」も反応。同アカウントによると、この緊急対応については講演会などで紹介する際に「意外と知らない方が多い」とのこと。

実際、一連のツイートを見たTwitterユーザーからは「顔が沈まないように持ち上げるくらいしか思い付きませんでした」「お湯(水)につかっていれば浮力がある、と思っていたのは間違いだった」といったコメントも。

湯船の栓を抜くこと自体は簡単だが、具合が悪くなった人を見つけて気が動転してしまい、そこまで気が回らなくなってしまうケースも十分に考えられそうだ。

不測の事態に遭遇したとき慌てずに済むには、どんなことに注意したらよいか。「命のバトン浜松」の代表、鈴木直浩さんに詳しく話を聞いた。

風呂の栓を抜いた後の判断・対応まで伺ったので、緊急時の参考にしてほしい。

声をかけて反応がなければまず119番

お風呂での緊急時に湯船の栓を抜くべき理由を教えてください

意識(反応)のない人は、脱力した状態であることが多く、浴槽の湯を抜くことで救助する際の障害を取り除く意味もあります。顔が浴槽の湯の中についてしまうと呼吸ができず、最悪の場合は心肺停止になることもあります。

また、浴槽の湯を抜くことで、救助する側も浴槽内で動きやすくなり(服が水を吸って動きにくくなるのを防ぐ)、浴槽内の人を浴槽外へ出しやすくなります。

発見から119番通報、その後の対応についてのポイントは

傷病者に声をかけても反応がない時は、まず119番通報してください。119番通報してから浴槽の栓を抜いても構いません。まわりに人がいる場合は手分けして同時に行えばいいと思いますが、1人だった場合は119番通報が最優先と考えてください。

分からないことがあったら119番で指示を仰ぐ

発見者が1人しかいない場合は、1人で傷病者を浴槽から出すのは難しいと思います。浴槽から出していいかの判断がつかない、パニックで分からない時は、119番通報で今の状況を伝えて、どうしたらいいか指示をもらうのも手です。

119番通報は、何度しても構いません。最初の通報から救急車が来るまで待つのではなく、「今こんな状態です、浴槽から出して床に寝かせました」など、その都度連絡した方が現場に向かっている救急隊にとっても状況を把握しやすくなります。

場合によっては救急隊から直接電話がかかってきて状況を確認することもあります。

風呂の栓を抜いた後に傷病者を浴槽の外に出せるかどうかについては、傷病者の状態や協力者の存在など状況によって対応が異なる。判断に困ったときは、119番通報の際に確認するのが良さそうだ。

「そもそも救急車を呼ぶべきかどうか分からない」ということもあるだろう。その場合はどうすればよいのか。

救急車を呼ぶべきかどうかの基準はどこにあるでしょうか

発見時に傷病者に声をかけて反応がなければ、すぐ119番通報で構いません。

反応があり(こちらの問いかけにしっかりと受け答えができる)、家族や関係者の手を借りながら動ける状態であっても、単なるのぼせではない場合もあるので、119番通報しても問題はありません。

仮に本人は「大丈夫だ」といっていても、ご家族や関係者の判断で※救急電話相談(都道府県によって相談電話がある・ないがあるので要注意)や、かかりつけ医に電話で問い合わせて判断してもらうのも一つかと思います。

※電話での相談窓口は、各地によって名称が異なる(例えば東京の場合、東京消防庁による「救急相談センター」など)。お住いの地域に同様の相談先があるかどうかは、事前にご確認を。

救急隊員が到着するまでに準備しておくべきことを教えてください

共通するのは、鍵の解錠、玄関を開けておくことです。オートロックがある場合も解除しておきましょう。

可能であれば、救急車のサイレンが聞こえたら、家の前に出て手を振って誘導できるといいでしょう。

集合住宅で管理人が常駐している場合は、救急車を呼んだことを伝えておくと、救急隊の案内も含めて対応してくれるところもあるかもしれません。

ストレッチャーを使えるかどうかは状況による

続いて、傷病者がいる位置までの救急隊員の動線を確保します。集合住宅で2階以上の部屋の場合は、通報時に「部屋は何階です」伝えるといいです。救急隊は3名1チームですので、ストレッチャーの入るエレベーターがない・ついてない住宅だと、搬送の人手を増やす判断もあり得ます。

いずれにしても、救急隊員がすぐ入ってこれるようにしておきましょう。

救急隊が来る前に傷病者を浴槽から出せた場合、相手の反応があればバスタオルやタオルなどで、できる限り体をふいてあげたのち、タオルケットや毛布等で保温してください。保温だけでなくプライバシー保護の意味もあります。(心肺停止が疑われる時はその限りではありません、心肺蘇生が優先されます)

健康保険証、お薬手帳(あれば)の用意も忘れないでください。余裕があれば着替えの服と下着、靴があるといいかもしれません。

そもそもお風呂に入るときに注意すべきポイントも教えてください

まずは明らかに体調が悪い時、いつもと違うなと思う、感じる時は、入浴は控えた方がいいと思います。

病院を受診して薬を処方された時、例えば「このお薬は眠気がきますよ」「たちくらみに注意してください」など具体的に注意された時は、入浴のことも確認しておくといいでしょう。

薬の副作用にも注意

ご家族と同居していれば、家族の誰か(複数人)が起きている時間帯に入浴することで、何かあった時の対応も早くなります。

あとは、周りの人が気にしてあげると良いです。いつもならあがってくるのに今日はいやに遅いな・ゆっくりだな、浴室から全然音がしないという時は、まずは声をかける、見に行くことが大事です。

お風呂場での緊急事態の対応について、非常に分かりやすく解説いただけた。特に家族や同居人がいる人は、事前にコミュニケーションをとって緊急事態の予防を心がけるとよさそうだ。

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