フレンチシェフ直伝「真ん丸なポーチドエッグを誰でも簡単に作れる方法」は本当に簡単に作れるのか?
現役フレンチシェフのフランス料理ロドゥラ(@laudelacuisine)さんが、「簡単に真ん丸なポーチドエッグを作る方法」をX(Twitter)でシェアし、注目を集めている。
【簡単にまん丸なポーチドエッグを作る方法】
特別なものは必要なく、ただ卵の入れ方を工夫するだけで誰でも簡単にまん丸なポーチドエッグが作れるので、ぜひお試しください。
まずは普通にお湯を沸かして、酢と塩を加えます。… https://t.co/Mnp2sBvxne https://t.co/wyIWCGfeCY
— フランス料理ロドゥラ (@laudelacuisine) 2024年1月24日
なんでも、卵を鍋に入れる時の「入れ方」を工夫するだけで、誰でも簡単に作れるそうだ。
筆者は以前ポーチドエッグにトライしたことがあるのだが、「卵を湯に入れればポーチドエッグになるらしい」くらいの解像度で作ってみたところ見事に卵が爆裂四散し、「これは初心者が手を出しちゃいけない類の料理だな」となった記憶がある。
フランス料理ロドゥラさんの指南通りにやれば本当に簡単にできるのか、試してみた。
ポイントは「鍋の傾き」
まずは下準備から。卵をざるに割り入れて、「水溶卵白」を取り除く。卵の白身には濃厚卵白とさらっとした水溶卵白とがあり、水溶卵白部分を取り除くとより真ん丸なポーチドエッグになるらしい。
工程の通り、鍋で水500mlを沸かして塩4gくらい、酢大さじ2を入れ、鍋を傾けて鍋底と鍋肌の窪みあたりをめがけて卵を入れる。この窪みに卵を入れることがポイントで、卵白が広がらずにまとまりやすくなるのだとか。
卵の白身部分がほんのり白くなったくらいで鍋の傾きを戻し、あとは弱火にして4~5分茹でればいいとのこと。工程はいたってシンプルだ。
しかし、湯に落とした瞬間を見た感じ、あまり真ん丸になりそうに見えない。本当にできるのだろうか…。
待つこと4分、お玉で卵をそっとすくい出し、冷水に取る。
冷水に取るのは、卵の表面についた卵白のカスを落とすため。しかし、これは…。
うん、真ん丸ではないな。
中身はしっかり半熟で、形としてはしっかりポーチドエッグになっている。食べてみても、味は美味しいポーチドエッグそのもの。しかし、真ん丸ではないのでどこかで何かをミスったのだろう。
工程を振り返ってみて、「卵を鍋に割り入れた時に、火を止めてお湯の動きを静かにし、卵白がまとまるまではそっと見守ったほうがいいのではないか」と推測。よし、リトライだ。
あっ・・・。
卵が爆裂四散した。やはり何かを決定的に間違っている。
失敗の原因はもっと根本的なポイントだった
さらに考えられる原因を考えたところ、一つ大きな見逃しをしていた可能性に思い至った。「卵の鮮度」である。
今回使った卵は、賞味期限ギリギリのものだった。さっそくスーパーに行って、新しい卵を購入。同じ工程で3度目のリトライをしてみたところ…
湯に入れた時点で、まとまり方が全然違う!!!!
うおおおおちゃんと「真ん丸」になったああああ!!!
やはり、卵の鮮度が大事だった。それもそのはず、卵の生産出荷の大手・イセ食品のHPによると、卵は日が経つにつれて濃厚卵白が水溶卵白に変化していき、だんだん中が水っぽい状態になっていくそうだ。なので、採卵からの経過日数によって向いている調理方法にも変化が出るそう。
ポーチドエッグを作る際は、なるべく新鮮な卵を使ったほうが失敗が少なそうだ。
ちなみに、うまくいかなかった別の要因として普通の穀物酢ではなく「調味酢」を使ったのが悪かったのではないか、ということも考えた。ポーチドエッグは、酢を入れることで卵白がまとまりやすくなる仕組みを利用しているからだ。
念のため、新鮮な卵を使って調味酢と普通の酢とで作り比べてみたところ、調味酢の時は丸い形にはなるものの、普通の酢で作った場合と比べると卵白のまとまり方にやや乱れがあった。酢の種類も、仕上がりに影響を与える要因かもしれない。
結論としては、新鮮な卵と穀物酢を使ってレシピ通りに作ると、フランス料理ロドゥラさんが紹介している通り簡単に真ん丸なポーチドエッグを作れることがわかった。
ポーチドエッグを作れるようになると、家でエッグベネディクトを気軽に作れるのでいいぞ!