【年始企画】元日の朝にクリスマスディナーを食べたら脳はバグるのか
明けましておめでとうございます。トゥギャッチ編集部のふ凡社鈴木です。
元日と言えばおせち。1月1日の朝に、正月特番などを見ながらおせちを食べれば、気分はもう圧倒的に年始。ほんの6日前まで世間がクリスマスムード一色だったことなんて、一ミリも覚えていない。
毎年思うのだが、12月に入ってからクリスマスまでじっくり時間をかけてムードを高めるのに対し、クリスマスから1月1日までは短時間でカチッとスイッチが切り替わるこの器用さはどこから来るのだろう。
そんなことを考えていたら、ふと「じゃあ元日の朝にクリスマスディナーを食べれば脳はバグるのか?」という疑問が浮かんだ。一度気になりだしたらいてもたってもいられなくなったので、実際にやってみた。
クリスマスが終わる前から準備を始める
クリスマスディナーと聞いて浮かぶ代表的なメニューと言えば、チキンの丸焼き、ローストビーフ、グラタン、ケーキあたりか。
これらにプラスして、クリスマスを彩るクリスマスのオーナメントなんかを投入すれば、理論上は1年のどのタイミングでもクリスマスディナーを再現することができるはず。
クリスマスのオーナメント系アイテムは、12月26日になったとたん街から忽然と姿を消すので、事前に用意しなければならない。
クリスマス当日までなら大丈夫だろう、と25日に100円ショップにいったら、一大クリスマスコーナーだった棚はすでに正月アイテムに塗り替えられ、その端っこの方に一夜で都落ちしたクリスマスアイテムたちがわずかに残るばかりだった。
「あっぶね!セーフ!」
と思いながら、地味なクリスマスアイテムを調達。
クリスマスディナーについては、冷凍丸鶏だけネットで事前に手配し、そのほかの食材は大晦日に調達した。
おせちを食べる時間に合わせたいので、年明けの深夜からディナーの準備を始めた。鳥の丸焼きなど時間のかかるメニューもあるからだ。
丸鶏をオーブンで焼き、たまに取り出しては表面に油を回しかけてオーブンに戻す作業を続けながら「俺はなぜ年明けの明朝にクリスマスディナーを作ってるんだろう」と思った。すでに脳がバグりかけている。
・鳥の丸焼き
・ローストビーフ
・パングラタン
・ブッシュドノエル(丸太のケーキ)
・シャンメリー
を用意した。これらをテーブルに並べ、オーナメントでテーブルを彩れば、あっという間にクリスマスの食卓の完成。
時は1月1日午前9時。元旦のクリスマスパーリィの幕開けだ。
目の前に広がる色とりどりのクリスマスディナー、その先のテレビに映るのは正月特番。料理は全て美味しい。クリスマスの味もする。でもなぜか、静かな空気の中、粛々と食事が進んでいく。
うーん、奇妙。実に奇妙な感覚だ。
クリスマスディナーが生み出す陽の気と、元日の朝という空気が生み出す圧倒的な静。この二つが同じ空間に混在し、今自分が何をやっているのか正しく認識できないふわふわした感じがする。
O君も
「我々はいったい今、何をやってるんでしょうね」
と呟いている。私だけでなく、同じ空間にいた人間もまた見事に脳がバグっているのだ。実験大成功だ!
別の季節におせちを食べたら同じことが起きるのか
「正月の朝にクリスマスディナーを食べると脳がバグる」という仮説は正しかったことが分かった。分かったから何なんだ、と言われればそれまでなのだが。
所感から申し上げると、やはり我々のDNAに刻み込まれた「お正月の空気感」は相当に強いんだなと実感した。クリスマスディナーのビジュアル、味を以てしても相殺することができない強さがあった。
我々が感じている四季折々の季節感はさまざま外的要因・文化的背景が絡み合って生まれているので、多少変化を加えたところでバグを起こすのが関の山、完全に塗り替えることはできないのだ。
食事の間、O君がポツリと
「これ、おせちを全く違う季節に食べても同じこと起きるんでしょうかね」
と言ったのが興味深かった。
これを試してみれば、単に正月が強いのか、はたまた「季節の空気感」が強いのかがはっきり分かり、実験のサンプルとしてより説得力が増すのではないか。
次回は真夏におせちを食べるをやってみようか。
今年もこんな具合で変な企画をやっていくので、どうぞよろしくお願いします。