「軽トラ庭園コンテスト」開催!荷台という限られた空間に広がる庭に日本の風流を感じる人が続出

トラックの荷台という制約の中に生まれる「美」
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苔の生えた石や植物をあしらった日本庭園が再現されているのは、なんと軽トラの荷台の上。こちらは富山県富山市で開催された「軽トラ庭園コンテスト」の様子だ。

軽トラックの荷台にはなんと、水のしたたる庭園が

「軽トラ庭園コンテスト」は造園職人たちが軽トラの荷台に日本庭園をいかに作り上げるかを競うもので、富山市で2023年5月13・14日に開催されたイベント「花と緑のフェスティバル」において一般客に披露された。同コンテストは2011年から続いており、今回で12回目になる。

トラックの荷台は限られたスペースしかなく、積載制限もある。その制約のなかで、造園センスだけでなく条件を満たすための工夫と高い技術力が問われる。

背の高い樹木と流木を組み合わせた作品
木と花がバランスよく配置された、坪庭のような作品
組み立てられた岩から水が流れ、下には池がある作品

コンテストの投稿を見たTwitterユーザーからは、「行ってみたい!」「私のところにも来てほしい!」「実物拝見したいです」と強い関心が集まったほか「制限された中に凝縮された世界を作り出すってのが茶の湯とか盆栽等に似てるよね」「無機質なトラックと生命力溢れる日本庭園のコントラストが良い」と、日本的な“粋”を感じるという声が上がった。

2023年開催のコンテストの様子をTwitterに投稿した富山市観光協会(@toyamacitykanko)に、詳しい話を聞いた。

庭が減るなか、造園業の組合から出たアイデア

例年、何台くらいの「軽トラ庭園」がノミネートされますか?

出展する造園業者さんの作品はすべて展示されるようで、例年10台前後と聞いています。

イベントでは「軽トラ庭園コンテスト」以外に花苗などの販売もされるため、ガーデニングが好きな方や親子連れの方が多く集まっていました。

コンテストを立ち上げた経緯はご存じですか?

当時の造園業の方々は、庭を作る住宅が減っていくことに悩んでいたそうです。

そんな時、富山造園業の共同組合の会合で「軽トラの荷台に庭を造れば、移動もできるし良いのでは?」といったアイデアが出て、軽トラ庭園造りが始まったそうです。

その後、せっかくなら! とコンテストになったようです。

印象に残っている作品はありますか?

池の中を本物の金魚が泳いでいたり、水鏡になっていたりする庭、枯山水の庭園は記憶に残っています。

あちこちにキャラクターの『ミニオン』がいる庭園が出展された時は、子どもたちにウケている印象でした。

造園業に携わる人たちが「庭に興味を持ってほしい」という思いから始まったコンテスト。Twitterで多くの人の目に触れたことで、今後さらに業界が盛り上がっていくことを期待したい。

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