毛糸で法隆寺の「五重塔」を再現!2ヶ月半をかけた大作にチャレンジした編みぐるみ作家に制作秘話を聞いた

国宝、編んじゃいました
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Twitterに投稿された、法隆寺の「五重塔」の編みぐるみの画像が話題を呼んでいる。

高さ約38㎝。中身は綿が詰まっており、軽いそう
軒下の構造も、忠実に再現されている

奈良の法隆寺にある「五重塔」をモチーフにした編みぐるみを制作したのは、編みぐるみ作家として活動するあびす(@Aby_amigurumi)さん。神社仏閣を編み物で再現するのは初めてで、制作には約2か月半を要し、サイズ的にも制作期間的にも大作となったという。

この投稿にTwitterユーザーからは、「五重塔を編むという発想がすごい」「細かいところまで丁寧に作られていてすばらしいです」と、発想や完成作品のクオリティを絶賛する声が集まっている。

編集部では、あびすさんに「五重塔」制作の過程について話を聞いてみた。

「日本のお城の編みぐるみにも挑戦してみたい」

編みぐるみのモチーフに「五重塔」を選んだのはなぜですか?

ある編み方が瓦屋根の模様に見えることに気付き、試作で「宝形造(ほうぎょうづくり)の屋根」を作りました。

試作品。たしかに瓦屋根にそっくり

この時点では日本のお城や有名な神社などいくつか作品の候補がありましたが、その中で形・構造が特に好きだった法隆寺の五重塔を選びました。

あびすさんは制作過程を10段階に分けて投稿。精密な建築様式で建てられた五重塔なだけあって、通常よりも複雑な工程を経て完成に至ったようだ。

屋根部分の三角形は、屋根の上に載せる「隅棟(すみむね)」というパーツに繋がるように編んでいく

再現が難しかった構造やパーツはありますか?

特に苦労したのは、白い壁に茶色の柱を縦と横につなげる部分です。

奥行きができるように編むのに苦労して、3回作り直しました。

編んだ壁に柱を編み足し…
垂木を支える肘木(ひじき)という木材のパーツを取り付ける

あびすさんはこれまでも「ボルトとナット」「球体らせん」など、編み物で作れるの!? と驚いてしまうような複雑な構造の作品を発表している。

「ボルトとナット」、双方の構造がかみ合いきちんと回せます

「球体らせん」、ぐるぐると球状の物体
伸ばすとこうなってます

新たにチャレンジしてみたい題材があれば教えてください。

日本のお城に挑戦してみたいです。 他にも歯車を用いた作品や、精巧な自動車や帆船など、挑戦してみたいものはたくさんあります。

「ボルトとナット」のリメイクもしてみたいです。

編みぐるみ作家として、作品のかわいさだけではなくかっこよさや美しさを追求しているあびすさん。Twitterアカウントではこれまでに作ってきた数々の作品が見られるので、気になった方はぜひフォローしてみては。

平安時代の大鎧のデザインを参考にした編みぐるみ「騎馬武者」
オリジナルの「あみぐるみロボット1号」。頭の側面のつまみを回すと目が変化するギミックが仕込まれている

 

 

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