小学生の娘が「アワビとサザエを飼いたい」と熱望!知識ゼロから1年飼育した親子に感想を聞いた

飼育したからこそわかる生態
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親子で食用のアワビとサザエを飼い始めて1年が経つという、X(Twitter)の投稿が興味深い。

アワビとサザエ
鮮魚店で見つけたアワビとサザエ

引用投稿でアワビとサザエを飼い始めた当初の動画を振り返りつつ「なんだかんだでアワビもサザエも元気です」と投稿したのは、あるる工作会社(@mghnsos)さん。リポストされた動画は1年前に撮影されたもので、水槽の中で動くアワビとサザエの姿が映っている。

小学生の娘さんとともに飼おうと決め、アワビは「アワワちゃん」、サザエは「フクダさん(※)」と命名された。

ところが当初はどのように飼育したら良いのかわからず手探り状態だったという。ペットショップの人に聞いても飼育方法はわからなかったが、娘さんが中心となって飼育した結果、1年経った今も元気に過ごしているそうだ。 

(※)…日本のサザエが新種だと発見した、福田宏先生の名前が由来

飼い始めた経緯や飼育した感想など、娘さんと、母親であるあるる工作会社さんにそれぞれ詳しく話を聞いた。

塩分濃度と水温に注意しながら飼育

アワワちゃんとフクダさんを飼った経緯を教えてください。

娘さん:角上(鮮魚スーパー)に行った時、生きたアワビがパックに入ってました。貝殻の内側がとてもきれいだったので、パパに食べてもらい殻をもらおうと思いました。

でもカゴに入れてお買い物している間も見ていたら、だんだん飼ってみたくなりパパとママに相談しました。

あるる工作会社さん:カゴに入れたアワビを飼いたいと言われ「そんなもの飼えるの?」と思いましたが、もともと昆虫やカメなどを飼っていたのと娘の熱いプレゼンもあって、娘が自分でお世話ができるならとOKしました。

アワビとサザエ
飼育を決意させたアワビ

1年間飼育してみて大変だったことを教えてください。

娘さん:アワビとサザエを飼ってる人が周りにいなかったけど、ネットでいろいろ調べたり質問したりして、なんとなく飼い方がわかってきました。飼い始めたのは11月だったので水温は問題ありませんでしたが、とにかく塩分濃度と水温に注意しました。

でも、飼育して二日目に(人工)海水にした水槽が真っ白になる現象が起きて、アワビとサザエが全滅してしまうと思い泣きそうになりました。調べると水槽に海水を準備したら、時間が経ってからでないと生き物を入れてはいけなかったみたいです。

最初の1週間は毎日ドキドキしながらお世話しました。

餌は昆布をあげています。岩のりや生のりもあげてみたけど、うまく食べられなかったみたいです。

一番大変だったのは、夏の水温管理です。最初のうちは凍らせたペットボトルを入れて交換していたけど、毎日ずっと家にいるわけじゃないからどうしようと悩みました。

幼魚水族館の鈴木香里武館長に相談すると、水槽用のクーラーが良いと教えてもらいました。水槽クーラーは高かったので、パパと交渉して買ってもらう予定だったゲーム『信長の野望』を諦めて水槽クーラーを買ってもらいました。

あるる工作会社さん:メダカやゲンゴロウを飼っているので、娘はアワビとサザエのお世話もそこまで大変ではないようです。

飼い始めの水槽真っ白事件と、今年の初夏~9月までの水温調整が大変でした。水槽クーラーを導入してからは、一度水漏れ事故が起きた以外は大きなアクシデントもなく順調です。

水槽の掃除をさぼりがちなので、そこをもっとちゃんとしようと声掛けしています。

飼育して気付いたことはありますか?

娘さん:いろいろあります。

  • サザエは殻のとげでエアーポンプをひっかけて倒したりするので、毎朝エアーポンプを直さなくちゃいけない。
  • サザエよりアワビのほうが運動量が少ない。我が家の場合、アワワちゃんは1日中同じ場所にいることが多いけど、フクダさんはよく移動して餌を探している。
  • アワビとサザエでは歩き方が違う。アワビはカタツムリと同じ動きだけど、サザエはすり足してるみたいに歩く。
  • 引っ付く力がとんでもなく強い。手の力だけだと水槽から剥がせない。
  • どちらもひっくり返った場合、起き上がるのは苦手みたい。

あるる工作会社さん:娘は本を読むのがとにかく好きなので、本や図鑑で得た知識を確認しながら飼育しています。知らなかったことを娘から教えてもらう毎日です。

私の驚きはアワビが巻貝と知ったことです。あんな平たいのに! でもよく見れば巻いてるんですよね…。歩き方の違いも、飼ってなければ知り得なかったことでした。

以前、2匹の歩き方の違いを投稿した際は多くの反響があったようだ。なかなか育てられないような珍しい生きものの飼育情報に、見る人の関心が集まったのかもしれない。

ご家族のサポートのもと、娘さんの好奇心は今後もさまざまな発見に繋がっていくことだろう。アワワちゃんとフクダさん、そして娘さんの成長を見守りたい。

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