夜空や宇宙の撮影を趣味とするやさもさ(@yasa_mosa)さんが投稿した「夜空を駆ける渦巻」の動画が話題を呼んでいる。
まさかの🌀
2023/10/14 0:30分ごろに写っていました。
#これソニーで撮りました https://t.co/R6sDkM7zB2
— やさもさ (@yasa_mosa) 2023年10月14日
投稿された動画を再生すると、壮大なBGMとともに満天の星空が映し出される。動画の上部やや右寄りをよく見ると、明らかに星ではない、渦巻状の謎の物体が!
動画の後半では渦巻が光のような物を発しながら画面外へと飛び去っていく様子も映し出されている。ま、まさかUFOなのか…?
やさもささんによると、渦巻の正体はロケットが出す「渦雲」だという。「ファルコンヘビー」(※)と呼ばれる大型ロケットなどは、打ち上げの際に渦巻状のリングをエンジンから噴出しており、その様子が渦巻に見えるのだそう。
(※)アメリカの航空宇宙メーカー「スペースX」が開発した宇宙飛行用ロケット
やさもささんはカメラや望遠鏡の3台体制で空を撮影していたところ、このの渦巻を捉えたらしい。渦を見た瞬間は「レンズやセンサーにゴミが付いているのかと思いました」と語っている。
@yagikjp ロケットの打ち上げで起こる渦雲です
— やさもさ (@yasa_mosa) 2023年10月14日
また、この渦巻を出したロケットについてやさもささんは、アメリカフロリダ州で現地時間10月13日午前10時頃に打ち上げられた探査機「サイキ」ではないかと予想しているそうだ。
空を飛ぶ渦巻の動画を見たX(Twitter)ユーザーからは「ガメラだ!」「よく撮れてる~」「この時間は(ロケット打ち上げの)実況中継見てたわ」などのコメントが寄せられた。
今回はやさもささんから、渦巻の撮影に成功した感想や天体撮影の魅力について聞いてみた。
「カメラ」だからこそ捉えられた決定的瞬間
渦巻の飛行物体を撮影できたときの感想をお聞かせください。
カメラに映った渦を見つけた瞬間はとても興奮しました。ゴミだと思っていたのがまさかロケットで、あとで調べたら大好きなファルコンヘビーだということが分かり、さらに興奮しました。
映っているカメラと映っていないカメラがあったのですが、渦の速い回転を捉えられたかで差が出たのだと思います。
ロケットから渦雲が生まれる現象は前からご存知でしたか?
ロケットの渦だということは、以前に見た宇宙関連のニュースで知っていました。ただ、よく見るロケットの打ち上げの映像では、そのような雲は見たことはなかったですし、日本で見るのは無理だろうなと思っていました。
今回の渦巻きは、ご自身としてはどれくらい貴重なものだとお考えですか?
ロケットは打ち上げの回数も少なく、それが日本上空から見える回数も限られています。
打ち上げの具体的な時刻もわかりませんので、待ち構えることもできません。飛行機雲がそうであるように、気象の条件も揃わないと出現してくれないと思います。
いろいろな偶然が重ならないと出会えない、本当に貴重なものだと思います。
宇宙や夜空を撮影していて、どんな時に撮影の面白さを感じますか?
星空や天体写真の魅力は、肉眼では見ることのできない、カメラを通じてしか見えないものがあることです。太平洋の暗闇の空を通った今回のロケット雲も、カメラを通したから見ることができたのだと思います。
星空や天体はロマンです。インターネットの普及で世界の様子がリアルタイムで見られる現代では想像を膨らませてワクワクするような対象が減ってしまいました。
ですが、宇宙にはロマンがまだまだたくさんあります。
投稿主が珍しいものを撮影したのは今回が初めてではない。2023年8月には中国のロケットから外れたパーツが流れ落ちるシーンをカメラに収めており、とても綺麗な赤色が水平線へ落ちていく写真を残している。
夜空には、唐突に神秘的な何かが飛来するロマンが眠っている。カメラはそんな貴重なものを記録する貴重な手段なのだ。