【コラム】在宅勤務は「隠れ残業」が起きやすい?X上でわかる「リモートワーク」の実情とは

出社のほうが仕事しやすいという人も?
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J-CASTならびにTogetterのnoteに連載中のコラム「3分くらいでわかる週刊X(Twitter)トレンド」をトゥギャッターオリジナルにて掲載します。毎週月曜日、X上で話題になった社会的現象に関するXユーザーならではの反応を解説していきます。

リモートワーク(在宅勤務)は新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、急速に広まりました。X(Twitter)上では通勤することなく自宅で仕事ができる働き方に憧れる声もありますが、リモートワークを体験した人がデメリットについて論じる投稿に注目が集まることもあり、実態が垣間見えてきています。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」、今回は「リモートワークの実態」について掘り下げます。

自己分析して気付いた「出社しないといけない側の人間だ」


1日だけ在宅勤務をしてみたというXユーザーが、「出社しないといけない側の人間だと気づいた」という投稿が話題となりました。そのユーザーによると、危機感を感じながらも、仕事時間の9割で「スマホいじってて進捗ほぼゼロだった」のだそう。その結果、自分自身は「時代と逆行するが、出社しないといけない(仕事ができない)側の人間」だと気付いた、というものでした。


この投稿に対して他のユーザーからは「わかる。自分も在宅勤務した時、進捗ゼロなのに映画6本観てた」「すべてが私と一緒で首もげるほどうなづいた、この人はしっかり考えられていて偉いなぁ」という共感の声があがりました。

また「出社することで監視されるし周りの人もきちんと仕事してるから強制力が働きますよね」「生活環境と仕事環境を分けないとダメな方だわ」など、出社することのメリットを語る投稿も複数ありました。


これらの投稿からは、リモートワークには人によって向き・不向きがあること、出社するという行為が仕事への意識の切り替えを行う儀式のようなものになっている人も一定以上いることが伝わってきます。

リモートワークで求められるコミュニケーション能力


もちろん、リモートワークが向いているという人の話もないわけではありません。特に人と直接対話することに苦手意識を持っている人にとって活躍しやすい場合もあるようです。あるXユーザーが「ものすごいコミュ障で面談落ちまくってた子が、フルリモートの現場に入ったらチャット文化と相性が良すぎて大活躍しているという話」を聞いたという投稿が拡散されました。


この投稿を受けて他のXユーザーからは

「チャットだと相手の視線を気にしすぎる負担が減るし、言葉を瞬時に紡がなくて良い。文章を推敲できる時間がありがたいし、文章が目に見えてるから推敲しやすい」「口頭で教えられたことはさっぱり頭に入らないけど、文字になったら理解できる」

など、テキストコミュニケーションの利点が挙げられていました。


ところが、リモートワークを経験したうえで感じたデメリットについて投稿し、注目されたこともあります。


ITエンジニアであるXユーザーが挙げたデメリットとして「会ったこともない人とコミュニケーションを取らなければならない」「成果物だけで判断される」との2点を説明。


さらに別のXユーザーは「対面以上に密にコミュニケーションを取るようにしないと、途端にまともに成立しなくなるのがフルリモートワーク」であると投稿しています。

これらの投稿を皮切りに、同じくリモートワークで働いている人たちからは同意の声が寄せられました。

「何よりもチャットと通話だけで説明しきる国語力が要るってのを痛感する」「チャットツール、Web会議、電話、この辺りでの情報共有を出社時以上に気を付けないと停滞しますよね」

と具体的に指摘している声もありました。

サボりを確認したら発覚したのは「隠れ残業」だった


別のXユーザーからは、リモートワークの実態が意外な形で明らかになった事例が投稿されています。

ある会社でリモートワーク中のサボりが発覚したことをきっかけに、在宅勤務中のスタッフ全員の記録を調べたところ、申告されていない「隠れ残業」が多かったことが判明。会社は隠れ残業をしていたスタッフに対し、翌月に数十万円もの残業代を支払うことになったそうです。

この投稿に対し「多分サボるより隠れて仕事してる人の方が多いと思うんだよな」「ガバナンスが緩めの会社ならそっと蓋をして見なかったことにされそう」との感想が集まりました。 

2020年に連合(日本労働組合総連合会)がリモートワークを経験した人に対して行った調査によると、通常の勤務よりも長時間労働になったと答えた人が51.5%いたという結果が出ています。

リモートワークでは「出社」という行為がないぶん、仕事を終わらせる意識があいまいになり、結果的に長時間の労働につながってしまいがちなのかもしれません。


このように、X上ではリモートワークに関するリアルな体験談や是非について多く語られています。働き方としてリモートワークを選ぶ際、リアルな実体験を読んでおくと、本当に自分にあった働き方なのかを考え直す判断材料になるかもしれません。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」でした。次回もお楽しみに。

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