アカデミー賞授賞式で注目された「ゴジラのシューズ」手掛けたデザイナーにこだわりを聞いた

ゴジラにハートをつかまれるシューズでした
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2024年3月11日(日本時間)、米アカデミー賞・視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』。授賞式の会場で、山崎貴監督をはじめとする制作陣が履いていた「ゴジラシューズ」にも注目が集まった。

X(Twitter)でも、ゴジラのごつい手とするどい爪が靴を掴んでいるような造形のヒールに気づいた人たちからは「ヒールがゴジラの手だ!」「この靴、どこで買えるの」といった声が相次いでいた。

その声に応えるように投稿されたのが、「ゴジラシューズ」を制作したファッションデザイナーの松井諒祐(@MatsuiRyosuke)さんのポストだ。

靴そのものがゴジラのような存在感
爪が輝く「ゴジラパンプス」

松井さんは自身のブランド「ha | za | ma 」のもとで独創的なヒールを備えたシューズのほか、最近では浴衣や着物小物類も手掛けている。2023年にはAdoさんとのコラボで香水やワンピースも発表した。

今回の「ゴジラシューズ」は『ゴジラ-1.0』プロデューサーの岸田一晃さんから依頼を受けて作ったものだという。

日本の映画がアカデミー賞を授賞した場に現れた、これ以上のものはないと言っていいほど作品とマッチしたシューズに心を惹かれた人も多かっただろう。「ゴジラシューズ」生みの親である松井さんにお話を伺った。

CGデータを参考に、大きさや迫力も重視

『ゴジラ-1.0』制作陣の皆さんがアカデミー賞授賞式の場でも履いていかれたことはご存知でしたか?

プロデューサーの岸田さんから「アカデミー賞に向けて、一世一代の舞台ですし、ぜひとも作って欲しい」とご依頼を受けていましたので、履いていただけることは事前に把握しておりました。

ゴジラの手・爪部分でこだわった点などを教えてください。

「ha | za | ma 」のヒール部分の造形はアートディレクターの藤本有輝さんにいつも依頼させていただいているのですが、藤本さんは、ご自身が創作を始めるきっかけにもなったほどの「ゴジラシリーズ」の大ファンなのです。

映画公開前に今回のゴジラのCGデータをいただき、そちらを忠実に観察し再現する、という流れで製作されております。

普段は人間といいますか、魔女っぽい手をモチーフにしたアイテムをよく発表しているのですが、そちらとは明確な差が生まれるように大きさや迫力も重視しました。

また、爪の色に関しては、アッパー/ジップ色とのバランスを踏まえつつ、僕と藤本さんの間で細かく検討しながら最終決定に至っています。

ha | za | ma ブランドでの、今後の展望を教えてください。

これからも唯一無二という部分と、それでも量産ができるという点にはこだわって、他には決してないアイテムを求めて下さる1人でも多くの方に届けていければと考えています。

その一方で、これまで培ってきた技術や経験、発想を活かして、王道と言いますかより正統派なデザインにも挑戦していきたいと思っています
(僕自身の好みということもあるのですが、これまでは少し捻ったデザインが多かったと自負しておりまして)。

あとは今回の「ゴジラシューズ」の件で、海外の方にも多く知っていただいた良い機会となりましたので、自分たちなりに着実に海外への進出も図っていければという次第です。

「ゴジラシューズ」は元々ブランド自身が期間限定の受注販売という方式をとっていることもあり、現時点では販売終了しているが、今回の大きな反響を受けて、2024年夏に再販を予定しているとのこと。今後の展開について知りたい人は松井さんのポストをチェックしておこう。

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