「クマの爪痕」はどちらでしょう?プロのハンターが教える「鹿の角研ぎ痕」との見分け方が勉強になる

シカの角も攻撃力が高そう
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あるハンターがX(Twitter)に投稿した「シカの角研ぎ痕とクマの爪痕の見分け方」が注目を集めている。

北海道でハンターをしているmuttirīno(むっちりーの)(@mutchi_rino)さんがXに投稿したのは、野生動物が木につけた傷痕に関するクイズ問題の画像。「クマの爪痕はどちらでしょう」という問題文と共に、AとBの傷痕が異なる2種類の写真が並んでいる。

Aの写真は、木の表面に縦に平行して並んだ3本の短い傷が、複数箇所についている。Bの木にも縦に傷があるが、Aと比べて深く刻まれており、傷の位置や長さはランダムのように見える。

このクイズはmuttirīnoさんが市民向けに作ったプレゼンの一部だという。正解はAが「クマの爪痕」でBが「シカの角研ぎ痕」になるが、見分け方は以下のとおりだ。

A:クマの爪痕の特徴

「上から下」の方向に付けられ、痕は均一の長さで平行線になりやすい

B・シカの角研ぎ痕の特徴

「下から上」の方向に付けられ、痕は入り乱れやすい

ポイントを理解すれば、クマとシカのどちらの傷痕かひと目で分かるかもしれない。たとえば以下の画像4枚はすべて「シカの角研ぎ痕」だ。

シカでした
 
シカの角でこんなに深い傷痕ができるのか…
これはわかりやすい
角を下から上へこすり付けるため、傷痕がささくれ立っている

muttirīnoさんの投稿に対し、Xユーザーからは「これは覚えておきたい豆知識」「知ればなるほどだなぁ」とうなずく声が多数。また、木に深く刻まれたシカの角研ぎ痕に「クマの爪以上にシカの角の攻撃力高そうだ」「鹿のツノ研ぎ痕でもとても怖い」などと驚く声も寄せられた。

さらにmuttirīnoさんは投稿の中で、「道内は『なんだ、コレはクマじゃなくてシカなのか!』となっても大抵どの山にもクマはいるので、山に入る以上自己防衛は必須」と伝えている。

実際に山で「クマの爪痕」を見つけた場合はどうすれば良いか、muttirīnoさんに話を伺ってみた。

山では「知識=命綱」を忘れないように

クイズに答えた方々からはどんな反応がありましたか?

クマの爪痕よりもシカの角研ぎ痕のほうが荒々しく迫力があるので、クイズでも結構間違える方が多かったです。

見分け方を解説すると「あー、たしかに、下から上に角をこすりつけること、上から下に木をひっかくのとではささくれのできる方向が違うよね」と納得いただける方が多かったです。

実際に山で「クマの爪痕」を見つけた場合の対処方法はありますか?

クマの爪痕を見つけた場合は、手を叩きながら歩いたり、声を出したりして、常に自分の存在を周りにアピールしましょう。「なんだか気持ち悪いな」と感じたら、大人しく退散するのがベターです。

クマの爪痕には体毛が付いている場合も

シカの角研ぎ痕だけでなく、タヌキの糞もクマの糞と混同されがちですが、タヌキの糞は嗅いでられないくらいの激臭です。対してクマは食べ物の匂いが素直に反映されるので、果物や木の実を食べたクマの糞はよい香りがします。

山に入る際に「これだけは覚えておいてほしい」という注意点はありますか?

「知識=命綱」という考え方です。

クマに限らず、滑落、遭難、虫、植物、天候など、山にはさまざまな危険が伴います。山は人間の領域ではないので、何かあったときに誰かが助けてくれるわけではありません。そして、何かあったときには、家族を始めたくさんの関係者に迷惑をかけます。

その何かが起きないように、また、起きてしまったときに最悪の事態を避けるためには、最低限の知識が必要です。

なので「知識=命綱」ですね!

これから山に登ろうとしている人もそうでない人も、知っておいて損はない有益な情報だった。

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トゥギャッターオリジナル記事編集部

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